千葉景子の発言 (法務委員会)
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○千葉景子君 ただいま議題となりました民法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
戦後、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本理念とする家族法改正が行われましたが、改正作業が急を要したため、旧家族法の規定をそのまま継承した部分が相当多くあり、近代化、民主化の点では必ずしも十分とは言いがたく、将来における改正を課題としたまま施行されました。
こうした経緯から、昭和二十九年以来、法制審議会において家族法の全面的な見直しのための審議が続けられており、この当時で既に、夫婦の氏については、「夫婦異姓を認むべきか否か等の問題につき、なお検討の必要がある。」とされていました。
その後、約半世紀の間に、我が国の社会経済情勢、国民生活の著しい変化に伴い家族の状況は変容し、個人の人生観、価値観も多様化し、婚姻に対する意識は大きく変わってきています。
また、女性の社会進出に伴い、婚姻によって氏を改めることが社会的な不利益、不都合をもたらす事態が増加する一方、少子社会の進展によって、家名を維持するために婚姻をちゅうちょする事態も生じてきたため、この解決策として夫婦の氏のあり方を見直す必要があります。
法制審議会は、平成八年二月、個人を尊重し、男女間の対等な関係を確立しようとする観点から、選択的夫婦別氏制の導入を軸とする婚姻制度等の改正要綱を決定し、法務大臣に答申しました。しかし、この答申に基づく政府の民法改正案はいまだ国会に提出されておりません。
ところで、昨年十二月には男女共同参画基本計画が策定され、男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直しの中で、選択的夫婦別氏制度の導入や再婚禁止期間の短縮を含む家族に関する法制の整備が、その具体的施策として取り上げられています。本法律案は、男女平等の実現に向けて、法制審議会の答申の趣旨に基づき、その内容をより進展させようとするものであります。
以下、本法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、婚姻の成立要件につきましては、婚姻適齢を女性について二歳引き上げて男女とも満十八歳とするとともに、女性の再婚禁止期間を現行の六カ月から百日に短縮するものとしております。
第二に、夫婦の氏につきましては、婚姻による改氏で生ずる不利益、不都合の解消、多様な価値観の許容等の観点から選択的夫婦別氏制を導入し、夫婦が婚姻の際に同氏を称するか、別氏を称するかを選択することができるものとしております。
なお、改正法施行前に婚姻した夫婦につきましては、改正法施行後二年以内に夫婦の合意に基づいて届け出ることにより別氏夫婦となることができるものとしております。
第三に、別氏夫婦の子は、その出生の際に父母の協議で定める父または母の氏を称するものとし、その協議が調わないとき、または協議することができないときは、家庭裁判所は、父または母の請求により協議にかわる審判をすることができるものとしております。
また、別氏夫婦がともに養子をする場合において、養子となる者が十五歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者と養子となる者の協議で定める養親のいずれかの氏、養子となる者が十五歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者の協議で定める養親のいずれかの氏を称するものとしております。
第四に、相続の効力につきましては、個人の尊厳や平等を重視する観点から、また子供に対する差別の禁止を定める子どもの権利条約の趣旨にかんがみ、嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同一としております。
このほか、所要の規定の整備を行うものとしております。
以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。