扇千景の発言 (本会議)
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○国務大臣(扇千景君) 寺崎議員の御質問にお答え申し上げたいと存じます。
今回の法案により万全のシステムができたか等の御質問でございますけれども、今回の法案は、公共事業の透明性の向上と効率的な実施の一環として、事業認定手続の透明性の向上あるいは収用裁決の関連手続の合理化を図るものでございますし、またこれとあわせて、計画段階における幅広い住民参加あるいは情報公開といった施策を積極的に推進する所存でございます。
これにより、少なくとも国民から信頼される二十一世紀型の公共事業への転換を推進しようとするものでございます。これによりまして、御指摘の成田空港あるいは日の出町の廃棄物処分場などの事業で生じたような事態の発生は再び繰り返されることがなくなると期待いたしております。
また、東京外郭環状道路の今後の住民等との合意形成方法についてのお尋ねがございました。
東京外郭環状道路、いわゆる外環の関越道から東名高速までの間につきましては、先般、四月十三日、計画区間を高架構造から地下構造に変更するなどの計画のたたき台を取りまとめ、東京都とともに公表いたしましたところでございます。現在、住民と行政がともに二十一世紀にふさわしい計画づくりを行うために、まずこのたたき台をもとに、地元自治体や多くの方々に御意見を伺っているところでございます。
今後は、これらの意見を公表するとともに、これに対する国土交通省あるいは東京都の考えを示し、地元の自治体や多くの方々と十分な対話を重ね、その結果を踏まえた計画の具体化を図ってまいりたいと考えております。
また、社会資本の整備過程におきます合意形成、民意の反映システムについてのお尋ねがございました。
社会資本整備に当たっては、住民のニーズを踏まえるとともに、住民の理解と協力を得ることが重要であることは言うに及びません。また、我々もそれを一番重要に考えております。現在におきましても、住民のニーズを把握し、あるいは理解を得るために、計画策定段階においてアンケート調査、またパブリックインボルブメントの実施、事前説明会あるいは公聴会の開催など、幅広く、住民参加、情報公開を行う対話型行政を積極的に推進いたしております。
今後とも、計画のできる限り早い段階から住民参加に積極的に取り組みまして、住民の意見の反映に努めてまいります。
さらに、今回の衆議院での修正を受けとめ、より積極的に取り組む必要があると考えておりますし、また事業分野におきましても、計画策定の仕方は異なるものの、パブリックインボルブメントの実施、事前説明会あるいは公聴会の開催など、運用面での整合性が図られるように、できるだけ早期に検討を進めてまいりたいと考えております。
事業の計画段階からの住民参加、情報公開についてのお尋ねがございました。
公共事業の実施に当たりましては、住民の理解と協力を得るとともに、透明性を確保することが重要であると考えております。現在におきましても、河川整備計画の策定、都市計画の決定、道路整備の過程におきます地域住民等の意見の反映など、計画段階での住民参加の手続の積極的な導入を推進しており、今後とも、できる限り早い段階からの情報公開や住民参加に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
その際、事業分野により計画策定の仕方は異なるものの、パブリックインボルブメントの実施あるいは事前説明会や公聴会の開催など、運用面での整合性が図られるように、できるだけ早期に検討を進めてまいりたいと考えております。
第三者機関の意見の尊重及び公正・中立性の確保についてのお尋ねがございました。
第三者機関の意見の尊重につきましては、今回の法案は、事業の認定に当たり、事案によっては中立的な第三者機関から幅広い意見を聞くことが有用であるために、その意見の聴取を義務づけることといたしております。このような今回の意見聴取の義務づけ及びその趣旨及び衆議院におきます修正を踏まえまして、事業認定庁が国土交通大臣である場合には、社会資本整備審議会からの意見を十分に尊重して事業認定の判断を行ってまいる所存でございます。
第三者機関の公正・中立性の確保につきましては、その方法として、委員の任命に当たっては特定の分野に偏ることなくバランスよく選ぶとともに、事業を推進する中央官庁のOBを入れないこと、委員の任命に当たってはその氏名を公表すること、第三者機関の意見、考え方を示す議事要旨を公開することなどを考えております。
私どもといたしましては、社会資本整備審議会についてそのような視点から人選、運営等を行うこととしており、これによって公正・中立性を確保できるものと考えております。
双方向型の事前説明会及び公聴会についてのお尋ねがございました。
起業者によります事前説明会につきましては、単に起業者からの一方的説明を行うことにとどまらず、起業者からの説明の後、起業者と利害関係人との間の質疑応答を実施することを考えております。
公聴会につきましては、公聴会において意見を述べる公述人は一方的に意見を述べるだけではなく、主宰者の許可を得て他の公述人に直接質疑することを認める考えでございます。
以上によりまして、事前説明会及び公聴会が一方的な手続になることなく、十分に実のあるものになると考えております。
また、事前説明会の早期実施についてのお尋ねがございました。
今回の法案におきましては、措置する事前説明会は、起業者が事業認定を申請しようと意思決定した段階で、事業の認定に利害関係を有する者に対して事業の目的及び内容を説明するものでございます。したがって、用地買収の早期段階で行うべきいわゆる一般的な事業説明とは性格を異にするものでございますし、事業認定申請の意思決定がなされた段階で的確に行われるべきものと考えております。
なお、公共事業の円滑な実施を図るために、計画段階や実施段階において事業説明会を開催するなど、住民参加や情報公開に努めているところでございますけれども、今後とも、できる限り早い段階から住民参加の措置を講ずることが重要との観点から、こうした取り組みを積極的に推進してまいります。
また、事前説明会及び公聴会の運営方法についてのお尋ねがございました。
起業者による事前説明会につきましては、あらかじめ地方紙に掲載することにより広く利害関係者に周知を行い、さらに、把握できる範囲内で地権者へも個別に通知を行うことにより十分な周知を行うこと、また、起業者からの説明の後、起業者と利害関係者との間の質疑応答を実施すること、事業認定申請書に事前説明会の実施状況を記載した書面を添付させることなどを考えております。
公聴会につきましては、あらかじめ地方紙に掲載することにより広く周知徹底を行うこと、公聴会において意見を述べる公述人は一方的に意見を述べるだけではなく、主宰者の許可を得て他の公述人に直接質疑をすることを認めること、また、公聴会で出されました意見につきましては、第三者機関の審議に活用されるよう原則としてそのままの形で提供することとし、さらに事業認定の理由の中で意見に対する考え方をできる限り明確化することを考えております。
以上によりまして、事前説明会、公聴会とも十分に実のあるものとなり、事業認定手続の透明性、公明性が図られるものと考えております。
事業認定の要件のあり方についてのお尋ねがございました。
事業認定庁が事業認定の判断を行うに当たりましては、土地収用法第二十条各号を満たすかについて公正かつ中立的な立場から慎重に検討しているところでございます。この検討に当たりましては、公共事業の施行によります利便性の向上、自然環境への影響及び被収用者の損失など、さまざまな要素を考慮した上、得られる公益と失われる公益及び私益を総合的に比較考量することとなっており、これは裁判例でも確立されているところでございます。
なお、今回の法案によりまして、公聴会の開催、第三者機関の意見聴取、事業認定理由の公表を行うこととすることで、より公正、中立的な高度かつ複雑な事業認定の判断が行われることになると認識いたしております。
補償金についての仲裁制度における仲裁委員のあり方についてのお尋ねがございました。
補償金の確定のための収用委員会の審議は、厳格な手続によって公開で行われることになっております。しかし、補償金の額のみに不満がある土地所有者等については、その者と起業者との合意を前提に、簡易迅速な手続により補償金の確定を行うことは、双方にとって目的の早期実現につながり、かつ手続面からも合理的でございます。このために、収用委員会にかわる簡易迅速な補償金の確定手続として、収用委員を仲裁委員とする仲裁制度を創設したものであります。
このように、本件仲裁制度は、収用委員会にかわるものであるため、補償金の確定に熟知した者が仲裁委員となることが好ましく、ゆえに収用委員が最も適任であります。さらに、不動産鑑定に関する知識などの専門的な知識を必要とする場合には、不動産鑑定士に必要な鑑定を行わせるなど、必要な知見を補充することによりまして適正な仲裁判断を行うことができるものと考えております。
最後に、書留郵便によります補償金の払い渡しについてのお尋ねがございました。
補償金払い渡し方法の改正は、我が国の郵便制度が発達していることから、現金持参、直接交付を強いることの不合理にかんがみまして、補償金額の多少にかかわらず一般的に郵送方法による補償金払い渡し方法を用いることを可能とするものであります。
この方法によれば、通常は補償金が到達し、払い渡しに至ることとなります。また、例外的に郵便事故やまた受取人の不存在などで受領に至らなかった場合には、今回の法案において収用裁決が債務名義とすることを措置したことから、これをもとに権利者は補償金についての強制執行を後から行うことが可能となり、権利者の保護は十分に確保されているところでございます。したがって、御指摘のような補償金払い渡し方法の悪用がなされることはないと認識いたしております。
以上、お答え申し上げます。(拍手)
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