武部勤の発言 (本会議)

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○国務大臣(武部勤君) 貴重な御提言を交えて広中議員からの御質問をいただきましたが、以下、お答え申し上げたいと存じます。
 まず、林業基本法の果たしてきた役割についてのお尋ねでありますが、現行林業基本法は、当時の旺盛な木材需要に対応した国産材の供給を確保するため、林業総生産の増大などを目標としたものでありました。これに基づき、我が国の森林の四割を占める一千万ヘクタールに及ぶ人工林の造成を初めとする森林資源の計画的な整備が進められるなど、一定の成果を見たものと考えております。
 いずれにいたしましても、森の恵みに感謝し、豊かな緑をつくり上げていくということの重要性をさらに感じております。
 次に、森林の多面的機能の発揮を新たな基本法の理念とすることについての御質問でありますが、森林に対する国民の要請は、木材生産のほか、森林の有する水資源の涵養など、多面的機能の発揮へと変化しております。また、持続可能な森林経営等の観点から森林・林業施策の見直しへの要請が高まっていること等も踏まえ、森林の有する多面的機能の持続的発揮と林業の持続的かつ健全な発展等を新たな基本理念として位置づけることとしたところであります。
 今後は、新たな基本理念に即し、重視すべき機能に応じた望ましい施業を推進するなど、森林の多面的機能の発揮に重点を置いて施策を推進してまいりたいと存じます。
 また、より早期に林業基本法を見直すべきではなかったかとの御指摘については、全く私も同感であります。
 基本法の改正については、森林・林業を取り巻く諸情勢の変化、見直しを求める国民各層の要請などを総合的に勘案し検討した結果この時点になったものでありますが、このことにつきましての御理解をお願いしたいと存じます。
 次に、林業経営についてお尋ねがありました。
 林業においても、効率的かつ安定的な林業経営を担うことができる林家、林業事業体などを育成、確保し、これらの者が林業生産の相当部分を担う林業構造の確立が必要であります。このため、これらの者への受委託等による施業、経営の集約化、林道の整備、機械化による生産コストの低減等を推進してまいりたいと存じます。
 続いて、国民の自発的な活動への支援についてでありますが、近年、森林の整備、保全に取り組むボランティア活動が大変ふえております。これらの団体は三年前に比べ倍増しているというのが現状でございまして、森林の多面的機能の持続的発揮に向けて、広く国民の理解と参加を得て森林の整備、保全を進めるため、ボランティアに関する全国情報の受発信やその拠点となるフィールドの整備等を推進してきたところでありますが、今後とも、国民の自発的な活動を促進するための条件整備に努力してまいりたいと存じます。
 次に、里山林などの保全施策についてお答えいたします。
 里山林等の都市近郊林は、生活に潤いと安らぎを与え、森林と人との豊かな関係を回復するための場として国民の期待が高まっております。このため、都市住民などの参加による保全・利用活動を推進するほか、保安林制度の活用を通じ、その保全を図る取り組みなどを進めてまいります。
 また、林産物WTO交渉において新たなルールづくりを提案すべきとの御指摘でございますが、次期WTO交渉においては、持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールが確立されるよう、地球規模の環境問題、資源の持続的利用、輸出入国間の権利義務のバランスといった観点を踏まえた枠組みを確保しつつ、交渉を行う必要があると考えております。
 交渉に臨むに当たりましては、このような点について合意形成を図るために、引き続き林業関係者を初めとする国民の皆様の声に耳を傾けてまいりたいと存じます。
 最後に、国連世界森林年の提案について申し上げます。
 世界の持続可能な森林経営のため、地球サミット以降、国連に設置された政府間対話の場等に積極的に参画し、国際的な合意形成に貢献してきたほか、途上国への二国間協力や国際機関への資金拠出などを推進してきたところでありますが、御指摘のありました国連世界森林年も有意義なことと考えられます。今後、関係省庁と連携を図りつつ検討してまいりたいと存じます。
 以上、答弁といたします。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115115254X03320010620_016

発言者: 武部勤

speaker_id: 7886

日付: 2001-06-20

院: 参議院

会議名: 本会議