本岡昭次の発言 (本会議)

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○本岡昭次君 ただいま議題となりました教育三法案について、民主党・新緑風会を代表して賛成の立場で討論を行います。野党の私が賛成討論を行うことについては、大変複雑な思いがいたします。
 さて、今、学校現場は、学級崩壊、不登校、いじめ、学力低下など深刻な問題を抱え、苦悩しております。
 その原因は、社会が急激に変化し、家庭や地域、社会そのものが教育力を失ったこと、旧文部省による中央集権的、画一的な教育行政と四十人学級を初めとする不十分な教育諸条件のもとで、学校現場の創造性、自主性が失われたことが挙げられます。
 学びの場の空洞化は深刻であり、現行の教育制度や教育行政では対処できないところまで来ております。これは、挙げて今日までの自民党政治の責任でもあります。
 民主党は、子供たちが人間として自立し、他者と共生できる知恵を養い、感受性や創造性豊かな人材として育つ学びの場として学校を再生することを訴えています。そのために、保護者と教職員が地域において協力し、その創意を生かして学校現場を自主的に運用、改善できるよう、教育委員会制度の改革が必要です。
 当面している緊急課題である不登校、いじめ、学級崩壊などの問題解決のためには、三十人以下の少人数学級や大幅な教職員定数増を実現しなければなりません。
 高等教育は二十一世紀にふさわしい国際的な競争力のある教育、研究を行い、意欲を持つ人がだれでもいつでも学べる機会を提供する大学の改革が求められております。
 しかし、昨年、総理の私的諮問機関として教育改革国民会議が発足し、時代の変化に逆行する国家至上主義的、全体主義的な教育改革を昨年十二月に最終報告として打ち出しました。その中で、教育基本法の見直しの必要性を説いていますが、教育が直面する諸問題は教育基本法の改正で解決するものではありません。逆に、教育基本法の理念が現実に生かされてこなかったことが今日の教育の危機を招いたと民主党は認識しております。
 今回の教育三法案は、この教育改革国民会議の最終報告を受けて提案された、問題点の多い、私から言わしめれば教育改革に値しない法案であります。
 民主党は、みずからの教育改革方針に基づいてこの教育三法案を修正し、問題点を解明して、教育現場の混乱を防ぎ、保護者と教職員が協力して学校を学びの場として再生することを可能にするために、法案審議に全力を尽くしました。
 参議院の審議で明確になったことは、この教育三法案のいずれもが政策評価法の対象となり、事前評価も含め、その結果によって再検討、再吟味があり得ることであります。文部科学省は、この法律による評価をきちんと行い、国民に説明すべき責任を負ったことを改めて指摘しておかねばなりません。
 ここで、各法案の内容に関して若干触れておきます。
 地教行法では、教育委員会の活性化として東京中野区の教育委員区民推薦制に評価がなされ、高校通学区の削除については、学区の拡大や全県一学区を意図するものでないことが明らかになりました。
 指導不適切教員の措置は、恣意的な運用ができないように要件と手続を確定し、免職と転職は一体不可分のものであり、免職だけはあり得ないことの確認とともに、長期休業制度確立の検討やメンタルヘルスケアの充実を含め、教職員の勤務条件の改善こそが重要であることが合意されました。
 学校教育法では、児童生徒の出席停止措置は慎重な手続を踏み、停止期間をごく短期間とし、子供の弁明の意見聴取や教育的な支援措置など、本人の人権に十分に配慮して行うこと、ボランティア等の体験活動の実施に当たっては、諸条件の整備、支援措置を講じることが確認されました。
 また、飛び入学は、実施に向けて全国的な協議の場を設置し、必要な指針等の策定を行い、高等学校と大学の連携、協議を推進していくことになりました。
 このように、参議院においては、衆議院による民主党の修正、つまり、飛び入学と社会奉仕体験に加え、法案審議を通してきめ細かい附帯決議をつけ、大臣との確認答弁によってこの法案の問題点を除去できることを確信いたしました。さらに、残された改革についても、その方向と施策を明らかにすることができたことによって賛成といたしました。
 さて、小泉総理の米百俵の精神は、いまだかけ声だけで、教育改革は姿も形も見せておりません。
 民主党は、地方分権を徹底して、社会の基盤を再構築し、教職員の働きがいと子供を思う保護者が自分の生活を基盤に協力し合って、各地域、学校が特色を生かした教育を行い、どの子にも人生のチャンスを広げる教育を確立する教育改革に全力を傾注する決意を表明して、賛成の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 115115254X03620010629_026

発言者: 本岡昭次

speaker_id: 10540

日付: 2001-06-29

院: 参議院

会議名: 本会議