中島忠能の発言 (総務委員会)
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○中島政府参考人 人事院は、昨日、国会と内閣に対し、公務員の給与に関する報告及び勧告を行い、あわせて、育児休業制度及び介護休暇制度の改正に関する意見の申し出等を行いました。
早速その内容について御説明申し上げる機会を与えていただき、厚くお礼申し上げます。
以下、その概要を御説明いたします。
まず、職員の給与に関する報告及び勧告について申し上げます。
本年も、引き続き厳しい経済雇用情勢の中、民間給与の精密な調査はもとより、給与抑制措置や雇用調整等の実施状況について幅広く調査を行った結果、本年四月時点における月例給の官民較差は公務員一人当たり平均三百十三円、率で〇・〇八%であること及び公務の特別給の支給月数が民間の支給月数を上回っていることが明らかになりました。
これらを踏まえ、慎重に検討した結果、本年は、一、公務の特別給の支給月数を〇・〇五月引き下げること、二、俸給表改定を昨年に引き続き見送り、官民給与較差の年額に見合う額三千七百五十六円を暫定的な一時金として指定職職員を除き来年三月に支給することといたしました。
これにより、勧告による改定後の職員の年間給与は平均約一万六千円減少することとなり、三年連続のマイナスとなります。
人事院では、公務員給与の改定を検討するに当たり、本年も東京のほか全国三十三都市で中小企業の経営者を含む各界、国民各層との意見交換を行うとともに、次のような事情を踏まえ、とるべき措置について慎重に検討を行いました。
まず第一に、勧告の意義等から、官民給与の正確な比較による公務員給与の適正な水準の維持、確保を図ることが昨年の給与法改正の際の国会の附帯決議等により要請されています。
第二に、同じ一般職国家公務員である四現業職員については、中央労働委員会より平均〇・〇七%、二百十円の仲裁裁定が行われ、既にその実施が閣議で了解されております。
第三に、本年の民間の春季賃金改定の状況を調査したところ、引き続き厳しい雇用調整等の措置を行いつつ、約半数の事業所では、極めて低率、低額であってもベースアップが行われ、従業員の給与処遇の維持、改善に努めていることが認められました。
これらに加えて、公務においても、引き続き行政組織の整理合理化、定員の削減など行政の減量化、効率化の取り組みが進められているところです。
以上、諸事情を総合的に勘案すると、ベースアップ中止やベースダウン、賃金カットを行っている事業所を含めた民間企業の給与と正確に比較し算出された較差については、これを埋める形での均衡を図るよう所要の改定を行うことが必要と考えました。
しかしながら、本年の官民給与の較差は昨年よりもさらに小さく、世代間の配分の適正化に留意しつつ、従来どおり配分にめり張りをつけた俸給表の改定を行うことは困難であり、また諸手当についても、民間の各手当の支給状況と均衡していることから、改定の必要はないと判断しました。
他方、特に、国会における附帯決議、四現業の賃金改定等の事情に配慮すれば、何らかの方策により較差を埋めることが必要と考えられることから、来年以降生じる官民較差と合わせて俸給表や手当の改定等の措置をとることを前提に、その年額相当を暫定的な一時金として支給することが適当と認めたものです。
以上のほか、近年、各地域に勤務する公務員の給与水準について、その地域の民間給与の実態を必ずしも的確に反映していないとの指摘があるところです。公務員給与は広く国民の理解が得られるものであることが基本であり、人事院としても、地域における民間給与の実態把握や公務部内の給与配分のあり方について、関係各省等の協力を得て、速やかに検討を進めていくことを報告いたしました。
次に、公務員人事管理について申し上げます。
今日、公務員のたび重なる不祥事等に対する国民からの強い批判や行政を取り巻く環境の急速な変化に適切に対応していくためには、厳正な服務規律の保持とともに、能力、実績を基礎とした弾力的な人材活用、開放的な公務組織への移行が重要であると考えています。
先ごろ行政改革推進本部決定された「公務員制度改革の基本設計」において、今後の改革の具体化に向けて人事院の協力が要請されています。人事院は、中立第三者機関として、これまで培ってきた専門知識等を生かして的確に協力していくこととしております。
改革に当たっては、国民に信頼される実効ある人事管理システムを構築するため、関係当事者と国民の理解、納得を得ながら、着実に検討を進めていく必要があります。また、行政が中立公正に行われるよう、国民全体の奉仕者たる公務員の中立公正性との調和の視点が重要であるとともに、労働基本権制約のもとにおける代償機能の適正な発揮に留意していく必要があるものと考えています。
各府省の主体的、機動的な人事管理の実現については、人事院としても、事前に個別詳細にチェックすることから明確な基準の設定とその遵守をチェックする方向で、各制度の趣旨を勘案しながら、適切に見直しを進めてまいります。
このほか、倫理研修の充実、女性国家公務員の採用、登用の拡大、若手研究員の任期の弾力化等、早急な対応が必要な課題についてもあわせて報告しております。
以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。
続きまして、本年の勧告とあわせて国会及び内閣に対して行いました育児休業制度についての意見の申し出及び介護休暇制度についての勧告について御説明いたします。
この意見の申し出及び勧告は、男女共同参画社会の実現に向けて、育児や介護を行う職員の負担を軽減するための措置を拡充する観点から、育児休業及び部分休業の対象となる子の年齢を三歳未満に引き上げること、介護休暇の期間を連続する六月の期間内に延長することなどを内容とする法律の改正をされるよう要請するものであります。
現在、継続審議となっている育児休業、介護休業等育児介護を行う労働者の福祉に関する法律の改正法案の成立と相まって、職業生活と家庭生活の両立を支援するための環境整備が促進されるものと考えます。
総務委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割や、公務員が行政各部において真摯に職務に精励している実情にも深い御理解を賜り、これら勧告や意見の申し出が速やかに実施していただけるよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。