鳩山邦夫の発言 (憲法調査会)

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○鳩山(邦)委員 自民党の鳩山邦夫でございます。
 五分で結構でございます。
 今、中曽根元総理大臣お見えですが、大分前のことですが、中山会長主催の憲法調査会の夜の懇談会がホテルで開かれた折に、中曽根元総理大臣がごあいさつを求められたときに、東大の惑星物理学の松井孝典教授の話を例に出されて、憲法調査会の参考人に呼んだらいい、彼はすべての歴史というものを宇宙の誕生、地球の誕生から説き起こしているし、新憲法をつくるならば、そういう思想と哲学というものを憲法にも取り入れるべきであるというあいさつをされまして、大変感銘を受けた記憶があるわけでございます。
 私は、憲法は当然改正すべきものと思っておりますが、例えば今、国会あるいは行政の中で、改革だとか抵抗勢力だとかいろいろなことが言われておりますが、しょせん地球の歴史とかあるいは人類の歴史というものから考えれば、それほど本質的なことが議論されているようには残念ながら思えないわけでございまして、中曽根元総理のそのときのごあいさつにあったように、新しい憲法をつくっていくならば、人類は将来どうあるべきかというような基本理念がしっかりと示されるものでなければいけない、そう思うわけです。
 今の憲法にも当然、理念とか思想とか哲学がないわけではありません。国民主権とかあるいは基本的人権の尊重とか平和主義とか、そういうさまざまな哲学あるいは思想は含まれていると思いますが、それが二十一世紀、二十二世紀あるいは来るべき三十世紀というものを考えてみるならば、それだけでは全く足りない。新しい、地球の歴史や宇宙の歴史を踏まえた哲学や思想が必要ではないか、そう考えるわけです。
 私の最大の論点は、自然との共生という問題でございます。政治は、きょうよりあすをよくしなければいけない、ことしよりも来年をよくする、我々の世代よりも我々の子の世代を、子供の世代よりも孫の世代をよりよい社会に生きられるようにしなければいけないと、私のかつての恩師、田中角栄先生は教えてくださった。
 特に重要なのは、世代間の問題だろうと思っております。私は、決して年金とか保険のことを言っているのではなくて、今のように経済優先で、松井孝典教授の言葉をかりて言えば、人類は地球システムの中から何を奪ってもいいのだ、人類は万物の霊長であるから、何を奪ってどう使っても構わないのだという発想、これを続けていけば必ず人類には破局が訪れるに決まっております。
 今、世界のさまざまな専門家や有識者の中で、このままのスピードで例えば自然の破壊が進む、温暖化、酸性雨あるいは環境ホルモン、それらの問題が進んでいけば、人口はふえていくのに食糧生産はどんどん落ちていく、これ以上、五十年以上先進国が発展を続けられる、あるいは繁栄を維持できる、そういうふうに断言する学者は一人もいない。私もいろいろ聞いて歩きましたが、大体二十年あるいは三十年あたりが、先進国が今のような生活ができる一番長いタームではないか、そう思われるわけでございます。
 前にここで孫正義さんが、立派な講演というのか意見陳述をされた。大変頭のいい方で、三十年後に理想のIT社会が来ると彼は言ったけれども、三十年後に地球環境はどうなっているのか、あるいは食糧と人口の関係はどうなっているのか、その部分が見落とされていると思うわけでございます。
 結論を申し上げますと、私は、自然と共生をし、人類が万物の霊長であるというおごりを改める、そうしなければ日本も人類も将来はない、このことが確実にわかっているならば、我々は繁栄をした、しかし子、孫、ひ孫と、どんどん悲惨な生活を強いられていった、そういう政治をつくり出してはいけない。したがって、憲法にはそのような理念を新しく書き込むべきだと考えております。

発言情報

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発言者: 鳩山邦夫

speaker_id: 8950

日付: 2001-12-06

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会