上田勇の発言 (憲法調査会)

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○上田(勇)委員 公明党の上田勇でございます。我が党の残された五分間で発言させていただきます。
 この調査会で、本年、二十一世紀の我が国のあるべき姿ということで、実に多方面の有識者の方から幅広く、また、示唆にあふれたいろいろな意見を聴取してまいりました。私は、それらの意見を通して、先ほどから何人かの委員の発言にもございましたけれども、やはり、二十世紀の半ばに制定された憲法において必ずしも想定されていなかったような事態が今多々あるということを認識できたというふうに考えております。
 もっとも、私は、今の日本国憲法の精神、これは憲法の前文、本文も含めてでありますけれども、今日なお有効であって、今後ともそうした精神は大切にしていく必要があるというふうには考えておりますけれども、時代の変遷に伴い、今の憲法を補充し、見直すべき点も出てきているということを改めて感じているところでございます。
 これからのこの調査会のあり方について、私なりの考え方を言及したいと思います。
 これまでの、先ほど申し上げましたようなこの調査会での参考人の意見聴取、質疑を通じて、論点はかなり出そろってきたのではないかと思います。明年は、この調査会の委員、またはそれぞれの政党がこうした論点について見直しの具体的なアイデアを提示し、意見交換を始めるべきときに来ているのではないかと思います。もちろん、一切見直しは不要という意見も予想されますけれども、であるからこそ、一つ一つの事項ごとに具体的な議論を積み重ねていく作業が重要なのではないかというふうに思います。
 こうしたそれぞれの論点が出てくると、意見の違いが最も際立つのではないかと思われるのが第九条であることは、疑いがございません。ただし、その他の論点についても、実際に具体的な議論を始めれば、意見の違いは結構明らかになってくるのではないか。そういう意味で、コンセンサスが得られるまでには、相当時間をかけた議論が必要になってくるのではないかというふうに思っております。
 そこで、私は、第一段階として、こうしたさまざまな論点、きょうも幾つか委員の方々から御指摘がありましたけれども、これについてまずはコンセンサスづくりを目指して、その後、最も難しいあるいは意見の隔たりが大きい九条の論議について、そういう順番で議論を進めるのが賢明な方法なのではないかというふうに考えております。
 同時に、明年は、現憲法の改正手続の問題についてもこの調査会で協議する必要があるのではないかと思います。
 現憲法の改正については第九十六条にその手続が定められておりますが、具体的な手順は必ずしも明確にはなっておりません。そうした部分について論議をして、この調査会でも検討し、取りまとめていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 この憲法調査会、設置されてから、残された期間があと三年であります。憲法改正についての論点が相当多岐にわたって出ていることから、その一つ一つに相当時間をかけた濃密な議論が必要であることを考えれば、残された三年間、明年は、具体的な事項ごとにそれぞれの立場からの意見を出し合って、コンセンサスづくりを始めなければいけないときに来ているのではないかというふうに考えているところでございます。
 一番難しいと申し上げました九条に関しても、私自身は、九条第一項の精神は極めて崇高なものであり、これは今後とも尊重していかなければいけないことであるというふうに思いますけれども、しかし、この条文には明記はされていない個別的自衛権、集団的自衛権を含みます自衛権のあり方について、これまで余りにも窮屈な解釈をとってきたという面もあるのではないか。そのために、国際社会との協調の上で必ずしも適切な対応ができなくなっている状態があるということも認識しなければいけないというふうに思っております。
 時間がございませんので細かい点は言及を避けますが、こうしたことも踏まえて、明年は、ことしまでのいろいろな幅広い意見を聴取した上で、今度は、調査会の中で具体的な議論を進めてはいかがかというふうに御提案をしたいと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 上田勇

speaker_id: 32551

日付: 2001-12-06

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会