渡辺周の発言 (本会議)

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○渡辺周君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました内閣提出のいわゆるテロ対策特別措置法案並びに自由民主党、公明党及び保守党提出の修正案に反対、民主党提出の修正案に賛成し、内閣提出の自衛隊法の一部改正案並びに海上保安庁法の一部改正案に賛成の立場で討論いたします。(拍手)
 本年九月十一日に米国で発生した同時多発テロは、多くの罪なき人々を巻き込んだ卑劣かつ残虐な犯罪行為であり、自由かつ秩序を守って民主的な社会を希求する私たちへの許しがたき挑戦であります。
 民主党は、今回のテロを全く新たな型の脅威ととらえ、テロ撲滅に向けたあらゆる外交努力、国内外における徹底したテロ対策を行うこととあわせて、国際協調の枠組みの中で、自衛隊の活用も含めた新たな対応が必要であると認識をしております。その際には、周辺事態法での議論を踏まえ、日本国憲法の枠内で、しっかりとしたシビリアンコントロールのもとに行うべきだとの考え方を一貫して示してまいりました。
 しかしながら、内閣提出のテロ対策特別措置法案並びに与党三党の修正案は、自衛隊の海外派遣に際しての国会の関与という点で看過できない重要な問題点を抱えており、以下、本法案に反対する理由を申し上げます。
 内閣提出案では、対応措置についての基本計画の決定、変更等を国会への報告事項としています。また、与党三党の修正案では、防衛庁長官がこれらの対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日から二十日以内に国会に付議して、これらの対応措置を実施することにつき国会の承認を求めなければならないとし、事後に承認を得ることになっています。
 我が国の有事につながるおそれのある周辺事態への対処に当たってさえ、基本計画に定められた対応措置を実施する際には、原則、国会による事前承認が必要とされています。この法案によって、自衛隊は、我が国の領域をはるかに越え、公海上ばかりか、外国領域内においての活動が可能となります。PKO活動以外で戦後初めて我が国の自衛隊が海外で活動するというまさに歴史的政策転換であり、しかも、従来の後方地域という概念があいまいになりかねないテロという新たな事態下での自衛隊派遣については、極めて慎重に行うべきである、そのように我々は考えます。
 外交的には、現時点ではアフガニスタン及びパキスタンの対日感情はまだ良好であり、我が国しかでき得ぬ重要な役割を果たすことも可能と考えます。将来のアフガニスタン並びに周辺諸国の安定と復興に向けて我が国が果たすべき役割を考えても、自衛隊の派遣には、海外の理解を十分に得られるよう、国会の関与としての事前の承認が必要であります。
 私たち民主党は、これまで、代表質問、本会議、特別委員会での質疑を通じて、想定される実施地域、対応措置の態様等について、再三再四、政府にただしてまいりました。しかし、本法案が成立すれば即座に基本計画が策定され、自衛隊が派遣されることが想定されるにもかかわらず、政府側の答弁は、終始、今後事態がどのように推移するかわからないなどの理由で、具体的な答弁は全く行われませんでした。
 内閣提出案の事後報告並びに与党修正案のような実施後二十日以内の事後承認では、自衛隊の海外展開が既に既成事実化している可能性も高く、対応措置の実施について、国会がシビリアンコントロールのもとにしっかりと歯どめをかけていくことは、実質的に困難となります。
 自衛隊の海外における活動について、我が国の国益に基づき、法律の目的にかなった対応措置を実施できるように、国民から選ばれた国会がしっかりと関与することは、かつて軍部の行動を国会が制御できなかったという反省に立つ、極めて重要な原則であります。また、この法案によって、遠く異国の地で使命感を持って任務に当たられる自衛隊の方々の活動に、国会、政治家が共同して責任を持つことが必要であります。
 事前承認では機動性、柔軟性が危惧されるとの意見がありますが、民主党案では、緊急の必要がある場合には、国会の承認も得ないで、当該協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することができると、緊急の場合の事後承認を認めており、何ら法案として問題はなく、なぜこの修正案が党首会談で理解されなかったか、政策論というよりも、まさに与党内の内部事情以外の何物でもないと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 以上の点から、基本計画に定められた対応措置の実施等につき、原則、国会での事前承認事項とすることを内容とした民主党修正案は、国民の良識に最もかなった法案であると確信をいたします。民主党案への議員各位の賛同を改めて要請するものであります。(拍手)
 次に、自衛隊法の一部改正案について、国民の生命財産の安全を確保する上で必要との政府案を理解し、賛成いたします。
 ただし、公共の安全と秩序の維持に関しては警察が一義的に責任を負うとの原則を踏まえ、本改正案で新たに規定された警護出動という、治安出動に至らない事態における重要施設警備などの自衛隊の活用については、その対象、範囲、要件、警察との関係など、今後の国会審議を通じてさらにしっかりと検討していくべきであります。
 また、秘密保持への罰則のあり方については、国民の知る権利や報道の自由等の基本的人権を侵害しないよう運用すべきであると考えます。
 海上保安庁法の一部改正案については、不審船に対する必要な対応措置と認識し、賛成をいたします。
 航空機ハイジャックという物理的暴力テロから始まった恐怖は、現在は炭疽菌に姿を変え、企業やオフィスをねらった、市民社会に侵入してくる忍び寄るテロという新たな脅威とも我々は闘わなければなりません。国際協調の枠組みの中、我が国国民の生命と財産、秩序を守るため、民主党は、毅然と、正義感を持ってテロ終息のための外交政策、内政政策を実行することを改めて約束し、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 渡辺周

speaker_id: 16228

日付: 2001-10-18

院: 衆議院

会議名: 本会議