工藤堅太郎の発言 (本会議)
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○工藤堅太郎君 私は、自由党を代表して、ただいま行われました小泉総理の第九回APEC首脳会議出席及び二国間首脳会談に関する御報告に対して質問をさせていただきます。(拍手)
APEC首脳会議で採択された反テロ声明では、反テロ国際協調に国連が主要な役割を果たすことや、国連憲章や他の国際法に従って将来のあらゆるテロを予防し、抑圧する方針をうたうなど、国際社会の協調を重視する姿勢を打ち出しております。
今回のテロ事件は、反テロ声明に示されたように、単に米国に対する攻撃ではなく、国際社会全体に対して向けられたものであるととらえるべきであります。国連中心主義に立つ我が国として、テロに対して、米国による自衛権の行使とその支援ではなく、国連による制裁措置として対応していくことの重要性を指摘すべきであると思います。総理は、今回の首脳会議に、この点についてどのような認識を持って臨まれたのか、まずお伺いをいたします。
あわせて、我が党は、我が国が国連加盟国の一員として国連のもとでテロ組織に対して武力行使することは、平和のために行う活動であり、現行憲法の禁ずるところではないと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
総理は、APEC首脳会議で、日本は武力行使以外のすべての力を発揮し、国際的なテロとの戦いに参画するとの日本の姿勢を強調されたそうであります。しかし、武力行使をしないと言いながら自衛隊を海外に派遣することについて、各国の理解は得られたのでありましょうか。
総理御自身がおっしゃるように、自衛隊が戦力であることは世界の常識であります。しかるに、自衛隊は戦力ではないという政府解釈も変えることなく海外に派遣することについて、世界は理解をしてくれるでしょうか。たとえ後方支援であれ、米国の活動に軍事的に協力することは、戦闘行動への参加であり、武力行使そのものであることも世界の常識であります。武力行使はしないと詭弁を弄して簡単に自衛隊を海外派遣する日本の姿勢こそ、世界から見て脅威であり、長い目で見て我が国の国益を大きく損なうものではないかと思いますが、小泉総理の御見解をお伺いいたします。
APEC首脳宣言は、テロの影響による世界同時不況入りを回避するために、グローバル化による景気刺激の重要性を強調しております。しかし、現実の景気刺激は容易ではありません。すべてのAPEC加盟国の経済成長率は昨年より落ち込む見通しが指摘されております。我が国自身、実質一・七%の当初見込みは達成されないどころか、当の財務大臣がマイナス成長すら容認する発言をしている始末であります。
小泉総理は、これまで首脳会談が開かれるたびに、また国際会議が開かれるたびに、構造改革に臨む強い決意を披瀝しておられます。今回のAPECでも、この点について各国首脳から大方理解を得たとしております。
しかし、大方理解とはどのような意味でありましょうか。総理就任以来六カ月、構造改革の中で、具体的に総理がリーダーシップを発揮して実行されたものが、ただの一つでもあったでしょうか。その答えは、今日の我が国の経済状況、景気の状況を見れば、一目瞭然であります。
改革という言葉だけが語られ、何も行われないことは、我が国が国際公約を破ることにほかなりません。決意ではなく、一つでも直ちに実行に移すことが重要であると考えますが、総理の御所見をお聞かせいただきたいのであります。
次に、各国との首脳会談について伺います。
米国のブッシュ大統領との会談では、引き続き緊密に協力することで意見の一致を見たと、ただいま総理は御報告されました。
総理は、相手が同盟国である米国であれば、その行動を最後まで支持し、総理のお言葉で言う、武力行使以外は、無原則、無制限に行動に協力していこうというおつもりなのか、それとも、対米外交についても何らかの原理原則を持って対応されるおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
米国のラムズフェルド国防長官は、多くのイスラム諸国がラマダンの期間中も戦争をしてきたと述べ、イスラム世界を敵に回しかねない姿勢を示しておりますが、政府はラマダン中も空爆を支持されるおつもりなのか、あわせてお聞かせ願います。
ロシアのプーチン大統領との会談で、総理は、歯舞、色丹両島の返還問題と国後、択捉両島の帰属問題とを並行して協議するよう提案したと伺っております。これは、今までの対ロシア外交と四島返還問題について、我が国のスタンスの変更を意味するのでしょうか。四島一括返還ではなく二島一括でもいいということなのでしょうか。総理の明確な御所見をお伺いいたします。
また、イランやイラクとの軍事的な提携や、武器輸出を続けるロシア外交について、あわせて御所見をお伺いいたします。
総理は、主催国である中国の江沢民国家主席と会談をされました。
中国は、この十一月から、WTOという国際自由貿易の枠組みに新たに加わります。中国が国際社会の中で、貿易障壁や投資、流通面での規制緩和など、一層開かれた経済運営を行うように求めていくことが重要であると考えますが、総理はこの点についてはっきりと主張されたのかどうか、お聞かせください。
今回、中国は、民間被害を避けることなどの留保条件をつけながらも、米国のアフガン攻撃を容認しております。中国が米国の武力行使を容認するのは、極めて異例のことであります。中国は、今回、新疆ウイグル自治区のイスラム系少数民族の分離独立運動をテロリストと名指しすることで、米国との反テロ協調に踏み出したのであります。
総理はこの中国の戦略に理解を示されるのか、どのように対応していかれるおつもりなのか、お考えをお聞かせ願います。(拍手)
最後に伺います。
総理は、一連の首脳外交で、アフガンの政治的安定や復興へ、東京での和平復興会議開催などを含め、強い意欲を示されたようでありますが、果たして日本にその実力があるのでしょうか。かつてカンボジア復興に協力したときのように、金だけは自由に使えるという恵まれた状況にはもはやありません。加えて、今の日本外交にその機能が備わっているとお考えでしょうか。田中外務大臣は、パキスタン訪問を拒否されました。十一月のWTO閣僚会議で新ラウンドを開始するという重要な決定を下したAPEC閣僚会議にも、出席されませんでした。日本外交は機能不全に陥っているのであります。
総理が意欲を示される前に、日本外交の明確な原則と外交体制を確立することの方が先決であることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕