小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 工藤議員にお答えいたします。
 APEC首脳会議において、テロに対して国連の制裁措置として対応していくことの重要性を指摘すべきではなかったかとのお尋ねであります。
 我が国としては、テロの根絶に向け断固たる姿勢で取り組む考えであり、今回の米国等による自衛権に基づく行動を支持しております。また、テロを防止、抑圧するためには、安保理決議一三七三にあるような、金融面を含む包括的な措置を各国が実施していくことも重要と考えており、こうしたテロの防止及び根絶のための国際社会の取り組みに積極的かつ主体的に寄与していく考えであります。
 APEC首脳会議においては、私より我が国の考え方を積極的に説明しましたが、宗教的、文化的に多様なAPECの場において、反テロリズムのための国際協力を強調する声明が発出されたことは、極めて有意義であったと考えております。
 国連のもとでテロ組織に対して武力行使することは現行憲法の禁ずるところではないのではないかとのお尋ねがありました。
 我が国は、憲法の平和主義、国際協調主義の理念を踏まえて国連に加盟しており、最高法規である憲法に反しない範囲内で国連憲章上の責務を果たすこととなります。したがって、国連のもとでの活動であっても、憲法第九条によって禁止されている武力の行使または武力による威嚇に当たる場合には、そのような行為を我が国として行うことは許されないと考えております。
 自衛隊を海外に派遣することについてお尋ねがございました。
 今般、国会で成立したテロ対策特別措置法に基づく対応措置は、テロ根絶に向けた国際社会の取り組みに積極的かつ主体的に寄与するためのものでありますが、我が国の国益にかなうものであり、かつ、世界各国の理解を得られるものと考えております。
 また、テロ対策特別措置法に基づく対応措置は、それ自体として武力の行使に当たらず、また、その活動地域は戦闘行為が行われない地域に限定されていること等から、諸外国の軍隊等による武力の行使との一体化の問題を生じさせることはなく、憲法上の問題はないものと考えており、従来の政府見解と矛盾するものではありません。
 我が国の構造改革についてAPECで各国首脳から大方理解が得られたが、大方理解とはどういう意味かというお尋ねでございます。
 我が国が進めております構造改革に対する各首脳の理解につきましては、民需主導の自律的な経済成長の達成を目指して構造改革を進めていくことを説明しました。我が国経済の回復はAPECの地域にとっても必要であり、我が国が改革の手を緩めないということで、各首脳からの理解が得られたと考えております。
 構造改革を直ちに実行に移すことが重要ではないかとのお尋ねです。
 小泉内閣は、これまで、改革なくして成長なしとの決意のもと、経済の基本的な成長力を高めるための構造改革を着実に進めております。
 まず、六月には、いわゆる基本方針を閣議決定し、構造改革の基本的考え方を国民に提示するとともに、九月には、基本方針に基づいて進めていく構造改革の政策と実施時期を具体的に示した改革工程表を取りまとめました。さらに、改革工程表に盛り込んだ施策のうち、先行して決定、実施すべき施策については、十月二十六日に、改革先行プログラムとして取りまとめたところであり、構造改革を加速することとしております。今後は、改革先行プログラムを早急に実施に移すとともに、改革工程表に従って、着実に構造改革を進めてまいります。
 今般のテロへの対応を含めた対米外交についてのお尋ねがありました。
 今回のテロは、米国のみならず人類全体に対する極めて卑劣かつ許しがたい攻撃であり、毅然とした対応なくしては、テロの一層の助長を招きかねません。
 我が国としては、このようなテロリズムと断固として闘う米国の行動を強く支持してきており、こうしたテロが二度と繰り返されることのないよう、国際的なテロリズムの防止及び根絶に向け、米国を初めとする国際社会の取り組みに積極的に寄与していく考えであります。
 政府としては、このような考えに基づき、テロ対策特措法案を国会に提出したものであり、今般成立した同法に基づく具体的な措置については、我が国が自主的に決定することは言うまでもありません。
 ラマダン中も米国の空爆を支持するつもりかとのお尋ねです。
 先ほど述べたように、我が国としては、テロリズムと断固として闘う米国の行動を強く支持し、こうしたテロが二度と繰り返されることのないよう、国際的なテロリズムの防止及び根絶に向け、米国を初めとする国際社会の取り組みに主体的に寄与していく考えであります。
 北方領土問題についてお尋ねです。
 政府としては、北方四島の帰属の問題を解決することにより平和条約を締結するとの一貫した方針をとってきています。先般の私とプーチン大統領との会談に際しても、こうした方針を変更したことはありません。
 ロシア外交についてのお尋ねです。
 同国の軍事提携や武器輸出については、必ずしも全貌が明らかになっているわけではありませんが、ロシアとイランは、本年十月に軍事協力協定に署名していると承知しています。他方、イラクについては、国連による制裁もあり、そのような提携は確認されていないものと承知しております。いずれにせよ、我が国としては、各国間の軍事的提携や武器輸出が中東情勢を初めとする地域情勢の不安定化を招かないことを希望しております。
 中国の経済運営についてのお尋ねです。
 我が国は、中国の改革・開放政策を一貫して支援してきており、こうした観点からも、中国のWTO加盟が近く実現する見通しとなったことを歓迎しております。今後、中国がWTOのルールのもとで、一層開かれた経済運営を行っていくことを強く期待しており、先般の江沢民主席との会談においても、こうした考えに基づき、両国間の経済面を含む各分野の協力の重要性を指摘したところであります。
 中国のテロへの対応についてのお尋ねです。
 中国政府は、あらゆる形態のテロに反対し、強く非難するとともに、米国に対し一切の必要な支援と協力を提供する旨表明しています。我が国としては、今般のテロ事件への対応を含め、中国が国際社会において引き続き建設的な役割を果たすことを期待しております。
 外交の明確な原則と外交体制の確立の必要性についての御指摘です。
 さきの所信表明演説において述べたとおり、我が国の平和と繁栄を実現するため、現下の国際社会の主要課題に積極的に取り組む方針であり、今次テロ事件に際しても、このような方針のもと、我が国として主体的に対策を講じてきております。
 また、外交体制についても、政府が一体となって、引き続き努力してまいります。(拍手)
    —————————————
    〔議長退席、副議長着席〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2001-10-30

院: 衆議院

会議名: 本会議