小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 東門議員にお答えいたします。
米軍の軍事行動及び我が国の支援策についてのAPEC各国の反応についてのお尋ねであります。
米国等の軍事行動に対する各国の反応は国情に応じて異なりますが、先般のAPEC首脳会議では、宗教的、文化的に多様なAPECのメンバーが一致して、反テロリズムのための国際協力を強調する声明を発出し、国際社会の連帯を示すことができました。また、各国首脳との会談において、我が国の取り組みについて説明し、理解と支持を得ました。
国際社会は、テロ根絶のために、あらゆる取り組みを行うことを求められております。我が国としても、米国軍等の活動に対する支援のほか、テロ防止のための国際的な法的枠組みの強化、アフガニスタン周辺国に対する支援、避難民支援、G8を通じた国際協力、アフガン和平に向けた外交努力等を含め、幅広く取り組んでいく考えであります。
APECにおける途上国支援についてのお尋ねです。
人材養成など経済・技術協力の分野は、APECの重要な分野の一つであります。人材養成は、グローバル化の利益を幅広く共有するための手段として、我が国としても重視して取り組んでおり、九月末に熊本においてAPEC人材養成大臣会合を開催する等、我が国は具体的な貢献をしております。
アジア諸国の経済的、政治的不安の緩和に向けた我が国の役割についてのお尋ねであります。
アジア諸国を含む世界経済は、成長が同時的に減速しています。また、先般の米国における同時多発テロ事件により先行きが一層不透明な状況となっており、各国の経済動向に注視が必要であります。
日本経済の再生は世界に対する我が国の責務であり、我が国経済の基本的な成長力を高めるための構造改革を着実に推進することにより、民需主導の自律的な経済成長を目指すこととしております。こうした日本経済の再生は、アジア諸国経済の自律的回復、ひいては政治的安定にもつながるものと考えており、このような方針は、今般のAPECにおいても各国首脳の理解を得たところであります。
不良債権問題に関するお尋ねです。
政府としては、不良債権の最終処理を経済、財政の第一の課題と位置づけており、改革先行プログラムにおいて、主要行に対する特別検査の実施、整理回収機構による不良債権買い取りの価格決定方式の弾力化、企業再建のための基金の設立などの措置を講ずることとしたところであります。これらの施策を果断に実施することにより、遅くとも集中調整期間が終了する三年後には不良債権問題を正常化することを目指し、全力を尽くしてまいります。
米国の外交姿勢についてのお尋ねです。
米国は、テロ根絶に向けて世界の国々と緊密に協議、協力して対応してきているものと考えており、米国のこうした姿勢は、さきの訪米時や上海における私とブッシュ大統領との会談においても、強く感じたところであります。
日米首脳会談におけるやりとりについてのお尋ねであります。
上海での日米首脳会談においては、先ほど御報告したとおり、今次同時多発テロへの取り組みについて話し合うとともに、アフガニスタンの復興等の問題について、引き続き日米が緊密に協力していくことで意見の一致を見ました。
二十一世紀の国際社会はさまざまな課題に直面しており、日米両国を含む国際社会が協力、協調して取り組んでいくことが必要であります。我が国としては、このような観点から、米国との間の政策対話を強化し、幅広い分野において緊密な政策協調を行っていく考えであります。
日中間の過去をめぐる問題についてのお尋ねであります。
先般の訪中を通じ、私からは、中国側に対し、過去の反省の上に未来志向の協力関係を発展させていきたい旨説明し、今までのわだかまりも解けたものと考えております。また、今後、来年の国交正常化三十周年に向け、両国間の各分野での協力、交流を促進していくことについても中国側と一致したところであります。
歴史教科書問題についての認識について、私にお尋ねがございました。
韓国に対しては、我が国の教科書は国定ではなく検定制度であること等について、従来から説明してきたところであります。
私は、さきの金大統領との会談においても、同様の説明を行うとともに、相互の理解を深めるためにも、日韓の歴史について専門家による共同研究を行うことが重要である旨提案し、意見の一致を見たところであり、今後、共同研究の具体的なあり方について外交当局間で協議させたいと考えております。
靖国神社への参拝に対する認識についてです。
戦没者の方々に対して追悼の誠をささげるという私の思いに変わりはありませんが、過去を直視し、戦争を排し平和を重んずるという基本的考えを明確に示しつつ、韓国との間で未来志向の協力関係を構築していく考えであります。
来年のことについては、来年、状況を見て考えてまいりたいと思います。
北朝鮮のAPEC参加についてのお尋ねです。
一般論として申し上げれば、北朝鮮が国際社会との対話を拡大し深化させていくことは、朝鮮半島の緊張緩和のためにも有益と考えられます。APECへの北朝鮮の参加問題につきましては、APECへの新規参加が二〇〇七年まで凍結されていることもあり、参加国・地域間でさらに議論していくべき問題と考えております。
地域協力の果たすべき役割と我が国外交のあり方に関する御質問であります。
国際社会が直面するさまざまな課題の解決には、二国間での取り組みのみならず、それを補完する地域協力の役割が重要であります。
我が国は、従来より、二国間の取り組みに加え、APECやARFなどの地域協力に積極的に取り組み、各国の多様な意見を踏まえつつ、地域の平和と繁栄の実現に努めてきております。今後とも、こうした努力を続けてまいりたいと考えております。(拍手)