達増拓也の発言 (本会議)

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○達増拓也君 私は、自由党を代表して、ただいまの財政演説につきまして質問をいたします。(拍手)
 構造改革がなくて、景気回復もなし。小泉内閣の半年間は、構造改革がなくて、景気回復もなし、この一言に集約されると言えるでしょう。小泉総理は、構造改革なくして景気回復なしと言われましたが、現状を見れば、構造改革がなくて、景気回復もなしであります。
 海外の投資家は、小泉総理はNATOだと言い始めているそうであります。このNATO、N、A、T、Oとは、ノー・アクション・トーク・オンリーの略でありまして、実行が伴わないで言葉だけという意味であります。特殊法人の廃止・民営化、地方交付税見直し、道路特定財源見直しなどと言っても、ただ一時的な話題として総理の言葉が取り上げられ、改革は進まず、時が過ぎていくばかりです。
 その間、日本の経済状況は悪化の一途です。テロの影響が指摘されていますが、景気悪化の趨勢は、総理の就任当初から既に始まっていました。株価は下落し続け、失業率は上昇し続け、九月の完全失業率は五・三%という、最悪の数字です。今、私たちが直面する失業者の増大や株価の低迷は、構造改革に伴う痛みではありません。何も実施しない、何も実行しない、何もできないでいる小泉内閣の無策が、我が国の景気を悪化させているのです。
 総理自身が、構造改革なくして景気回復なしと言っていた以上、実行すべきことは、補正予算を組んで当座をしのぐことではなく、歴史的な構造改革の早期断行であります。構造改革も進まないし、景気もよくないので、とりあえず補正予算でも編成するかということでは、従来の自民党政治と全く同じであります。
 総理の経済財政運営のあり方は、平成十年、国民を塗炭の苦しみの中に突き落とした橋本内閣による経済不況、政策不況をなぞっているにほかなりません。財政構造改革の名のもとに、国民負担増と歳出削減という構造改革とは何も関係がない財政赤字削減策によって、倒産の多発、金融システム不安が起きました。あげくの果てに、補正予算により特別減税を二回も追加するという支離滅裂な政策運営に陥ったのであります。
 今回も、主要閣僚から補正予算提出前に二次補正の話が出るなど、既に小泉内閣の経済財政運営は破綻を来しているのであります。この補正予算にしても、余りにも遅く、また不十分であります。政府・与党周辺では政策転換が取りざたされているようでありますが、内部から政策転換の話が出てくる内閣は、既に政策破綻に陥っているのであります。橋本内閣も、そうでありました。
 小泉内閣は、数々の経済指標の悪化が日本の景気に警鐘を鳴らしていた中で、当初、一・七%の経済成長を見込んでおりました。それが、突然、マイナス成長に下方修正する羽目になり、慌ててこのような補正予算を仕込んできたと見られても仕方がありません。
 構造改革の施策がそのまま景気対策になるものは、たくさんあります。例えば、電気通信等の先端分野や、これから需要増が見込まれる社会保障分野を中心に規制を撤廃、緩和することにより、経済を活性化していくことが可能です。また、政府が独占している事務事業を民間に開放することにより、新しい産業、雇用を創出することができます。かつて電電公社、NTTが独占していた携帯電話を他の会社にも開放したことで、成長産業を拡大させ、膨大な雇用を創出することができたのは、その一例です。そのような新たな発展の可能性は、現在のお役所に縛られた規制の中にたくさんあります。
 その場しのぎではない、日本の仕組みを変えるような構造改革を今すぐ行うことこそ必要であると考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 今回提出されている補正予算は、改革先行プログラムと称して、雇用対策を柱としていますが、結局のところ、構造改革を進めることができず、無策が続く現状の穴埋めを、失業対策で当座をしのぐことでしかありません。補正予算案の個別項目で、公共サービス雇用のための緊急地域雇用創出特別交付金が大きな割合を占めております。しかし、これは、地方自治体が臨時に雇用を請け負うことによって一時的に失業者を減らすだけにすぎず、構造改革を通じた抜本的な雇用創出効果をねらうものとは全く性質が異なります。
 結局は、この補正予算は、構造改革には何ら効果をもたらさない、何のビジョンもない、その場しのぎ、場当たり、先送りです。構造改革がなくて、景気回復もなしという現状がさらに続くでありましょう。総理は、景気の現状をどのように認識しているのか、この時期に補正予算を決断し実行することの意義は何か、さらに、今回の雇用対策は従来の場当たり的発想から抜け出したものとお考えなのか、伺います。
 また、政府・与党の一部からは、二次補正が必要との声が出ています。それに対し、総理の御見解を伺います。
 小泉改革のイの一番に掲げた不良債権処理についても疑問があります。アメリカのブッシュ大統領とかたい約束が交わされ、国際公約ともなっている三年以内の不良債権処理に向けて、今回の補正予算案では、日本政策投資銀行関連の特別会計予算が計上されているようでありますが、これで十分なのでしょうか、あるいはさらなる予算措置が必要なのでしょうか、総理にお尋ねいたします。
 いずれにしても、この補正予算は、小泉内閣がどのような理念に基づいてどのような社会をつくろうとしているのか、それが示されていない、場当たり的な予算にすぎません。補正予算であれ、本予算であれ、中長期的な展望を持ち、その上で、今すぐに講じなければならない方策は何かを明確に示すべきであります。しかも、それは、既存の枠組みにとらわれた単なるつなぎではなく、経済、行政、財政、税制の仕組みを見直すこと、そうでなければなりません。それこそが、まさに構造改革にほかならないと考えます。
 私たち自由党は、本当の構造改革を今すぐ断行すべく、日本の仕組みを変えるため、五つの法案、五つの法案をこの臨時国会に提出いたします。官僚がお金と規制と権限でがんじがらめにしている規制社会、管理社会を改め、自立した個人がみずからの責任と能力に応じて自由に活動できる、公平で開かれた自立社会をつくることが理念です。
 まず第一は、業法廃止法案、すなわち、自由な経済活動を阻害し、行政指導の根拠ともなっているいわゆる業法を原則廃止し、統一ルールを定めることによって、経済を活性化させるための法案です。
 これにより、明治以来我が国が行ってきた官が民に一々指導する社会を改め、民間の創意工夫が十二分に生かされるようになります。総理の御見解を伺います。
 第二は、特殊法人を三年以内に廃止・民営化することを定める法案です。
 小泉内閣は各役所に特殊法人の廃止案を検討させておりますが、改革は遅々として進んでおりません。これは、廃止・民営化する特殊法人を役所、役人に考えさせているからです。自由党は、まず政治のリーダーシップで廃止を決めることといたします。総理の御見解を伺います。
 第三は、国から地方への各種事業費補助金を廃止し、一括して、自主財源として地方に交付するための法案です。
 国と地方の役割分担を明確にし、国の通達行政、ひもつき行政、利権政治を改め、地方のことは地方が、住民と相談しながらできるようにします。むだな経費を省くことが可能になり、地方自治体の首長や地方議員が補助金をもらうために霞が関まで出向かなければならないような陳情政治をなくしていきます。総理の御見解を伺います。
 第四は、所得課税について、各種の人的控除は原則廃止するとともに、税率構造を簡素化し、税率を引き下げ、全国民が、たとえ少額でも、社会への参加料を源泉徴収ではなく申告制によって納めるようにする法案です。
 これで負担がふえる方々については、手当で対応いたします。官が民からお金を吸い上げて使い道を決めるのではなく、国民がみずからの才覚と自己責任でお金の使い道を決めることができるようにするのです。財源は、行政改革で十分捻出できます。税制の根本的な改革なくして真の構造改革はあり得ません。総理の御見解を伺います。
 以上示した四つの法案は、行政のむだをなくす、役所がはしの上げ下げまで口やかましく言ってくることをなくすといった構造改革に寄与するだけではなく、経済活動の土俵を広げ、新しいことにチャレンジできる環境を整え、個人や企業の努力が報われるような景気対策であり、雇用対策にもなるのです。
 そして第五に、すべての小選挙区を格差二倍以内に抑えるよう定数を是正し、議員定数を四百六十五人、四百六十五人に削減する、国会議員の定数削減法案です。
 与党三党は、衆議院選挙区画定審議会による国勢調査をもとにした衆議院選挙区の見直し作業が行われているその最中に、大都市部における中選挙区の復活で一時は合意したものの、自由党を含む野党の強い反対と世論の批判を受け、一時的には後退しております。平成六年の政治改革推進法案を成立させた原点に立ち返り、政治家がみずから襟を正すためにも、現在、継続審議扱いとなっている、自由党が提出した国会議員削減法案を速やかに審議し、成立させるべきであります。総理の御見解を伺います。(拍手)
 最後に一つ、内閣のあり方について質問します。
 小泉内閣では、外交のあり方や外務省の体制について、総理あるいは官房長官と外務大臣との間に、たびたびそごがありました。最近、ますますひどくなっているようであります。また、経済に関する現状認識や政策論についても、関係閣僚の間で反対のことが語られるようになっています。
 憲法第六十六条は、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と定めています。閣僚が自分の勝手な考えで、国会答弁をし、あるいは行政権の行使をほしいままにし、内閣の連帯が損なわれるようであれば、その内閣は不信任の対象であります。
 もし、総理がみずから内閣の不統一を自覚するならば、当然、総辞職というのが憲法の本旨でありましょうが、この点、総理の御見解を伺います。
 二十一世紀最初の年である今年のうちに、戦後のどの内閣もなし得なかったような大改革を実行すべきである、今の内閣にできないのならできる内閣を、国会が、あるいは国民がつくるべきであることを訴え、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 達増拓也

speaker_id: 10571

日付: 2001-11-09

院: 衆議院

会議名: 本会議