2002-04-11
衆議院
奥野誠亮
憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会
奥野誠亮の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)
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○奥野小委員 自由民主党の奥野誠亮でございます。ただいまは、わざわざお出かけいただきまして、貴重な御意見を承りましたことを厚く御礼申し上げておきたいと思います。
今小委員長からお話ありましたように、私は、十分ということでございますので、むしろお尋ねしたい二点を先に申し上げまして、あと、お答えに時間を使っていただきたいなと思います。
一つは、今もおっしゃいましたように、両院制度をとっている以上は、それぞれの院、衆議院と参議院、構成その他において違っていなければ両院制をとった意味がない、私もそのように思っているわけでございますけれども、今はどちらも政党対決みたいな姿になってしまっておりまして、大きな欠陥だなと思っております。
当時を振り返りますと、占領軍が憲法原案を日本に渡した、そのときは一院制でございました。それに対しまして二院制を求めたら、あっさりこの点は了承したわけでございますけれども、国会は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」こう書かれたものでございましたから、これは全国区制以外にはもう選択肢がないな、こう思ったようでございました。私も、それは当時としてはそうだろうなと思います。
その後の経過を見ていますと、全国区につきましては、名前の売れたタレントが大量得票する、また、そういう有名でない人でも、力ある人でありましても、全国を回って、大変な労働でございまして、全国区は残酷区だ、こう言ったものでございました。同時にまた、そういう政党などの利害にとらわれないで、大局からひとつ国政を判断していきたいというようなことで緑風会という組織も生まれました。しかし、やはり選挙ということになりますと政党の力が勝つものでございますから、いずれ消えていったわけでございました。
そんないろいろな問題もございまして、私も自由民主党の選挙制度調査会長などをやりまして、非拘束の比例代表制をとろうと思ったことがございました。名簿に個人の名前を非拘束で登載する、たくさんとった人が当選していく、自由民主党の議席は総得票数で案分していくということでございましたけれども、全国区から出てこられた方々は、それは今までの残酷区と一つも変わらないじゃないかというお話でございました。
そのうちに私がかわりまして、鈴木内閣におきまして拘束名簿式の比例代表制度、これが成立したわけでございました。そうしますと、各党が当選の順位を決めていくわけでございますから、その順位の決め方につきましても、自由民主党の中では、党員をたくさん集めたとか、あるいは後援会員をたくさん確保したとか、選挙応援でどういう活動をしてきたとか、いろいろなことで決めるということになったものでございますから、これならやはり奥野さんの言うた方がよかったよというようなこともあったりしたわけでございまして、昨年の選挙からは個人名を書く、あるいは政党名を書いてもいいというようなことになったわけでございますけれども、党の中はややいろいろありましたけれども、多くのところは党名は書いたけれども、個人名を書いたところは非常に少なかったようでございました。
党は離合集散ありますけれども、個人は、その生活を見ていますと大体能力とか人格とかいうことはわかるわけでございますから、投票してもらう場合は、私は、個人の方がいいんじゃないかな、今でもこう思っているわけでございます。
そういうことで、やはり選挙の方法というのは非常に大事だと思いますし、今も先生がおっしゃったのは、間接選挙で選挙団をつくってどうこうとか、あるいは市町村の代表とか府県の代表とかいろいろございましたけれども、それでは間接選挙で私の期待するような候補者を選んでいけるだろうかどうだろうか。むしろ、やはり憲法改正の機会に、「選挙された」という言葉を改めて、推薦制その他の方法も考えられるような仕組みを講ずべきじゃないかな、こう思ったりしているわけでございまして、そういう意味で、もし間接選挙でより希望を達成されるような方法があるなら、ひとつ御教示をいただいておきたいな、これが一点でございます。
もう一つは、衆議院の方でございまして、長い間、個人本位の中選挙区制をとってきたわけでございます。結果的には、同士打ちになったり、金がかかり過ぎたりするわけでございますし、また、野党の皆さん方は、この制度がなかなか政権交代を困難にしているのだということもございました。そして、結果として小選挙区比例代表並立制ということになったわけでございました。
その結果生まれてきたのは、前々回の選挙でございますけれども、ある県では、一位は当選するのは当たり前ですけれども、二位はもちろん落選ですね、しかし、三位と四位とは比例代表で救われて、一、三、四が当選して二が落ちる。これはどうしても有権者の感情には合わない、納得がいかない。これはやはり何とかしなきゃならないということで、前回の選挙では、たしか供託金没収の人が重複名簿で、比例区で当選してもそれは認められないというようなことに変わったように思うんですけれども、それだけじゃやはり納得しない。やはり選挙制度というものはみんなが納得する制度でなけりゃ、だんだん政治に対する信頼まで損なわれていくんじゃないかなと私は心配しているわけでございます。
そういう意味で、これはまだ最高裁の議論にはなっていないんだろうと思いますし、また、選挙は法律で決めるということになっているものですから、私は、定数以外は最高裁も立法府に余り干渉的なことはしないつもりでいるんじゃないかなと思うんですけれども、何かこれについてのいいお考えがありましたら、御高見を伺っておきたいなと思います。よろしくお願いいたします。