海江田万里の発言 (財務金融委員会)
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○海江田委員 ただいま議題となりました銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場で討論を行います。
四月一日、柳澤金融担当大臣は金融安全宣言を発し、ペイオフ凍結を一部解除しました。柳澤大臣の安全宣言を信用するならば、金融システムは今や盤石であり、来年四月に予定されているペイオフ凍結全面解除についても全く不安はないはずです。しかし、国民の間には依然として金融機関に対する不安が存在し、与党内でもペイオフ再延期が声高に叫ばれるようになってきました。金融システムがいまだ危険な状況にあることは、与党の皆さん自身も認めるところであります。
こうした事態を招いた原因は、言うまでもなく、これまでの自民党内閣が不良債権処理と金融システム健全化を先送りしたことにあります。昨年四月に誕生した小泉内閣も、その例に漏れないことは言うまでもありません。そして、抜本策を講じないということは、その場しのぎのびほう策ばかりが繰り返されることになります。
昨年来政府がとってきた対策を思い起こしても、RCCによる不良債権買い取り価格の引き上げ、公的資金による銀行保有株の買い上げ、空売り規制強化、年金資金などによるPKO、PLOなどはまさにその象徴と言えます。金融機関の合併促進についても、真の目的は、経営不振の金融機関を救済することと、金融機関の不良債権処理に使える業務純益をふやすため、競争ではなく独占的に貸出金利を引き上げさせることにあるのは明らかです。今回、与党から提出された本改正案は、こうしたびほう策の中でも極めて筋が悪いものだと言わざるを得ません。与党提出者が与党も含めた質問者の質問に何一つとしてまともに答弁することができなかったことは、まさにその証明と言えます。
以下、本改正案に反対する理由を申し述べます。
第一に、本法案の提案理由の最大のものとしている持ち合い関係の解消の際の不均衡については、そもそも事業法人には株式保有制限が課せられておらず、機構が事業法人から銀行株を買い上げる必然性が全くないことは明らかです。
第二に、機構の株式買い取りの基準が相変わらず不透明で、機構が相場操縦やインサイダー取引などの不公正取引の温床となる可能性があり、株式市場をゆがめるおそれが大きいことです。
第三に、今回の措置は明らかに銀行株の買い支えを目的とするものであり、特定の業種の株価を著しくゆがめ、ひいては株式市場全体の価格形成をゆがめることにつながることです。
現在、米国では、企業倫理の欠如が一般投資家の株式市場に対する信頼性を大きく損ない、結果的に株価を大きく下げる原因となっています。我が国においては、政府・与党が公然と株式市場の公平性、透明性、信頼性を裏切る行為を行っていると断ぜざるを得ません。その意味では、本法律案は株式市場の活性化はおろか、株式市場のさらなる低迷にもつながりかねない内容の法案であります。
政府や与党が今直ちに行うことは、我が党が既に提案している、株式市場の信頼性を増加させる証券取引監視委員会設置法案の審議を行い、これを成立させることだと思っています。特に銀行の株価については、ごく短期的な見方からその需給関係にのみ関心を持つのではなく、中長期的に株価を上昇させる資本効率の向上に資する施策をとるべきであると考えます。
いずれにしろ、与党提案の本法律案は、そのごく限られた質疑時間の中での質疑と答弁でも明らかなように、到底これを成立させるべき代物ではなく、本委員会全体の意思としてこれを葬り去るべきであると考えます。
我が国経済は、抜本改革が先送りされる余り、危機のマグマがますますたまってきています。もはやこうしたびほう策を繰り返すべきではありません。我が党が提案した金融再生ファイナルプラン関連法や地域金融円滑化法を実行することが危機を克服する唯一の道であることを強く申し上げ、討論を終わります。(拍手)