中塚一宏の発言 (財務金融委員会)
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○中塚委員 私は、自由党を代表して、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論をいたします。
そもそもこの法律そのものは、政府が銀行への株式保有制限を行う際の措置として、市場に売るのではなく、株式買い取り機構を創設して株を買い上げるというものであり、それは市場経済をゆがめるものであると指摘してまいりました。二十一世紀最初の愚策であります。それを今度は、銀行と持ち合い関係にある事業会社の所有する銀行株まで買い上げるものであって、これは、銀行と事業会社双方が持ち合う持ち合い株が市場にさらされることなく、政府保証つきの株式取得機構に預け入れて売り逃げしてしまうことであり、市場原理の原理原則も何もありません。
反対の第一の理由は、この改正は構造改革に資することは全くなく、国際的な信頼は得られないということであります。
本来、株式の持ち合い解消というのは、市場の動向を見ながら企業同士がお互いの経営判断で解消していくものであります。にもかかわらず、株価が不安定になるからといって、取得機構が一枚かんでしばらく塩漬けにしようというのは、証券市場の市場原理をゆがめるまさに株式市場のPKO策にほかなりません。そればかりでなく、投資家が企業を判断する一つの指標である株価を操作することになり、企業のコーポレートガバナンスをゆがめ、企業経営の透明性を見えにくくすることにもつながります。これでは、日本の株式市場が世界マーケットから信頼を得られることはなく、公正、透明な構造改革からは全く逆行するものであります。
反対の第二の理由は、もともと株式の買い取りスキーム自体が市場原理をゆがめるものであるのに、さらに買い取りルールが不公平きわまりない仕組みになっていることであります。
株式取得機構に株を売ることができるのは、銀行等と持ち合い関係にある事業会社が保有する銀行株であり、一般企業同士の持ち合い関係になっている株式は対象外になっており、また、銀行と持ち合い関係にあった企業と銀行だけがこの機構を使えるわけであり、同じ市場原理の中で市場ルールに直接さらされるものとさらされないものという格差をつくることになります。
さらに、銀行が株式取得機構に株を売るときには八%の拠出金を必要とするのに対して、事業会社が持つ銀行株の売却には何の拠出金も必要ありません。事業会社は、ノーリスクで株式取得機構に銀行株を売り逃げできることになります。
この改正案は、取ってつけたように株式取得機構の目的をも加えることで、ゆがんだ市場経済がさらにゆがむだけであります。この法律の目的には、国民経済の健全な発展に資することを目的とすることと書かれておりますが、財務大臣さえ、この制度は、市場原理を尊重する資本主義経済社会からすれば決してよい制度ではないと認めておられるとおり、株式取得機構の制度を含めて、改正案はますます国民経済の健全な発展の障害になっていくことを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)