速水優の発言 (財務金融委員会)
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○速水参考人 中川先生の最初におっしゃいました、もう少しセントラルバンカーのやるべきことあるいは存在感をはっきり言った方がいいという御忠告、ありがたくお受けしたいと思いますが、実際、この金融政策の効果という面だけで見ますと、幾ら資金を出してもなかなか民間需要が動き出さないということなんですね。
そこのところは、今政府が進めておられる構造改革とか不良債権の償却とか、やはりそういった金融だけではできない仕事の方がそういう民間需要が動き出す。民間需要という場合は、企業にとっては設備投資であり、消費者にとっては消費の新しいクリエーティブ、フレッシュな消費生活を始めていくといったようなことかと思いますけれども、そういうことを動かしていく政治的な対応が待たれるということを常に申しておる次第で、私ども随分、先ほど申し上げたように、マネタリーベースで金を出しておるわけですけれども、これをこの勢いで幾ら出していっても、なかなか経済そのものが動いていかない。
ある中央銀行の、私と親しくしております総裁ですけれども、こういう状況を見て、ちょうど、ひもを押して、プッシュ・オン・ザ・ストリングといって、風船にひもがついていて、ひもを引っ張れば風船が下がってきますけれども、幾ら風船をひもで押しても実体の風船というのは動かない、そういう状態だと思うというようなことを言ってくれた友達がおります。
そういうような状況で、私どもは、政策を決定し新しく打ち出す場合にはいつでも、どうかひとつ、私どもはこれだけのことをやりましたが、政府の方でも民間需要を引き出すような構造改革、特に不良貸し出しの償却、そういったものを初めとした民間需要への対応をやっていただいて、それで民間需要が動き出したときに、こういった資金はそういう経済の成長をサポートしていくことができるんだということをステートメントで申すことを常といたしております。そのことについては、私どもは今でもそのとおりだと思っておりまして、政府の構造改革の成果について非常な期待を持って待っている次第でございます。
それだけを言わせていただきまして、御質問の米国経済に対する認識について説明をさせていただきます。
米国の実体経済指標は、総じて景気の緩やかな回復を裏づけるものとなっております。すなわち、企業部門では生産の増加傾向が続いております。また、家計部門でも住宅投資が好調を維持しておって、個人消費も底がたく推移しております。雇用調整圧力も和らぎつつあります。その一方で、米国株価は今春以降下落傾向をたどっております。その背景としては、一つは、相次ぐ不正会計事件を受けた企業会計への不信、二つ目は、中東情勢等テロ再発への懸念、三つ目は、先行きの企業収益や設備投資の回復について市場の一部に慎重な見方があること、こういったことが指摘されております。アメリカはもともと生産性の高い国でございますから、こういったことがなくなっていけば経済の成長は伸びていくんじゃないかというふうに思います。
米国経済につきましては、我が国の輸出などに及ぼす影響も大きいだけに、株価の下落なども含めて、その動向を注意深く見てまいりたいというふうに思っております。