中川正春の発言 (本会議)

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○中川正春君 民主党の中川正春であります。
 平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案について、民主党を代表して、関係大臣に質問をいたします。(拍手)
 先ほど、ブッシュ大統領の歓迎式典がありました。大統領の日本国民に対するメッセージ、この中で、改めて私は、小泉総理は、国家の意思、この日本の平和に対する思いというのをはっきりと表明すべきだということ、これをまず思いました。
 同時に、小泉政権の構造改革と経済運営に期待を寄せるこのブッシュ大統領の演説の中には、改めて、もしここで失敗すれば日本にはもう後がないんだ、このことを小泉総理に対して強く警告しているのだと私は受け取りました。日本経済のさらなる悪化がアジアのみならず世界経済の足を大きく引っ張りかねない状況にあることが、小泉総理自身に危機感を持って認識されなければならないと思うのであります。
 大統領との個別協議に同席されたであろう塩川大臣に、改めて、日本の経済運営に関して具体的にどのような議論があったのか、会談の内容を御報告いただきたいと思います。
 次に、不良債権の問題であります。
 私は、山一証券や日本長期信用銀行の破綻をきっかけに起こった、四年前の金融不安を思い出します。このときは、当時の橋本総理が訪米し、日本発の世界恐慌は絶対に起こさない、このことをクリントン大統領に言いながら、公的資金を注入し、現在に至ったわけであります。結果は、問題の先送りを許しただけで、根本的な解決にはならなかった。このことが、今、再びの公的資金の注入論議で証明されたことになります。
 改めて、柳澤大臣に確認をします。
 マーケットが認識している金融機関の不良債権のレベルは、最低で百二十兆円であります。これに対して、金融庁のこれまでの認識は、三十二兆円を前提とした議論でありました。今回の特別検査の実施は、金融庁が従来から主張していた三十二兆円というのが間違いであって、実際は、マーケットの言うように、その何倍もの規模になっているということを認めているのか。このことを改めて確認した上で、それでは、実際、どれくらいの引き当てを前提としているのか、さらに、四年前の法的な枠組みのない中で、どのような手順で資本注入を実施していこうとしているのか、ここではっきりとした説明を求めます。
 私たち民主党は、過去何年にもわたって、不良債権の厳格な検査とそれに基づいた十分な引き当てが必要だということを主張し続けてまいりました。この国会でも、改めて、そのための法的な整備を具体的に提示をしております。
 マーケットが政府に対して信認してこそ、その政策が生きて、効果を上げるわけであります。現実の不良債権の額を実際の規模の何分の一かに抑え込んで、ただ、大丈夫だ大丈夫だと言い続け、無策のままで先送りをしてきた柳澤金融大臣、あなたの責任が、ここで改めて問われなければならないのであります。日本が今追い詰められているトリプル安のマーケットの声が柳澤大臣自身の退陣を求めている、このことを改めて指摘しなければなりません。
 次に、三十兆円の枠組みの意味合いについて質問をします。
 国、地方を合わせた借入金の残高が六百九十三兆円、GDPの一四〇%という巨大な負債がまず危機的状況なのだ、ここを認識されなければなりません。これだけの負債を抱えながら、実際の破綻に至っていないのは、これも異常な状態が続いている低金利のおかげであります。低金利が、とりあえず、国の歳出総額に占める利払い費の割合を一一・八%という割安の状態に抑え込んでいるからであります。
 こうして虚構の中でつくられた均衡は、一たん金利が上がり始めたら、ひとたまりもありません。瞬く間に、歳出総額の二〇%あるいは三〇%を超える額を過去の負債の金利に充てなければならない。そして、それがいつ日本国債の暴落を誘発し、円安とともにハイパーインフレへと走り出すか、今ぎりぎりのところまで来ているのだという実に厳しい認識があります。だからこそ、少なくとも三十兆円の国債新規発行額にこだわっていこうという小泉政権の決意を、私たちも、その時点では理解をしたわけであります。
 そうした原点があるにもかかわらず、どうして今回の予算で、塩川大臣、あなたは、余りにも見え透いたこそくな手段を使って、愚かなつじつま合わせをしようとするのでしょうか。
 その第一、いまだ確定されていない十四年度の外国為替資金特別会計の剰余金千五百億円を強引に先取りしてこの予算に繰り入れることは、つじつま合わせ以外の何物でもありません。
 その第二、交付税特会借り入れの償還期限を先延ばししたのは、せっぱ詰まった破綻企業が手形のジャンプをさせるようなもので、国が資金繰り破綻の烙印を押されることになりませんか。
 そして、その第三、交付税特別会計からの借り入れ二兆円と、さらに、地方自治体が借り入れて、後に交付税で補てんする臨時財政対策債三兆二千億円、合わせて五兆五千億円にも及ぶ地方交付税の隠れ借金があります。
 こうした粉飾予算を見る限り、小泉政権も、結局、改革という名でパフォーマンスをむさぼり、現実の施策は、妥協に妥協を重ねた、従来型の先送りでしかないと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 野党四党は、改めて、平成十四年度予算の組み替えを要求します。具体的な修正案を出しており、これに基づいた真摯な議論を、与党の、日本の危機を共有する皆さんにもお願いをしたいと思います。
 最後に、今回のブッシュ大統領に対して小泉総理が特に強調した、構造改革の貫徹について質問をいたしたいと思います。
 日本の構造改革論議は、今からさかのぼること十五年、バブル絶頂期の前川レポートに端を発します。アメリカの外圧に押され交渉が始まった日米経済構造協議が、これが出発点なのであります。日本の経済、社会にどれほどの構造改革が今の時点で実現できたというのか。竹中大臣、今、この状況の中で、改めて、あなたの現状認識を確認いたします。
 日本の経済は、輸出依存ではなくて、内需拡大で本当に立ち直るところまで構造変化をなし遂げましたか。日本の国民は、今、人生のゆとりや精神的な充足を得られ、本当の豊かさを実感できていますか。来年度予算の原案は、生活者視点、納税者視点から組まれていますか。十五年前と比べて、どんな変化がありますか。官から民へ規制緩和が進み、競争原理が促されることによって、それで本当に経済が活性化されて、景気は回復をしてきているのですか。
 さらに、この最後の競争原理について、具体的な問題提起をしたいと思います。現状の何でもありのマーケットに、何でもありの市場に危機感を感じているのは、私一人ではないと思うからであります。
 不良債権の買取機構への国家的飛ばしは、資源の最適配分をゆがめるものではありませんか。株式の買取機構による銀行からの買い取りは、インサイダー取引と株価操作ではありませんか。さらに、外人投資家による激しい空売りや仕手筋の株価操作に一般投資家がどうして魅力を感じることができるのでしょうか。
 食肉の産地ラベルの張りかえ、賞味期限や中身表示のごまかしが、次々と発覚をしてきております。農林省や厚生省は、結局、消費者のための行政をしてこなかった。国民は何を信頼すればいいのでしょうか。
 地方都市で、従来の商店街が砂漠化し、大手の量販店が、全国一律、日本じゅうを画一化しつつあります。価格競争や品質の競争以前に、資本の力でねじ伏せることは、公正な競争とは言えません。そんな市場にどうしてベンチャーで挑戦しろと言えますか。若い人たちは白けています。
 中小の下請企業が、中国との競争に次々と敗れています。中国では月給が七千円だからと、あきらめてしまって本当にいいのでしょうか。私は、これこそ為替の魔術だと思うのです。塩川大臣、どうして、中国に対して、中国元を切り上げる交渉をしないのですか。十五年前から、アメリカ政府の通商代表部が日本に対して強烈な自主規制を迫ったように、小泉政権は、どうして中国政府に自主規制の議論を持ちかけないのでしょうか。
 以上のように、ここ数年の自民党政権、そして小泉内閣の何でもありの政策が、どれだけ市場そのものをゆがめてきたか。競争原理という名のもとで、ルールなしの弱肉強食、モラルが崩壊した競争原理が、不安と不信を助長しております。日本人の精神まで萎縮させているというのが現実であります。ここで、日本型の競争原理のルールづくりが必要なときなのであります。
 政治がリードして、具体的に構造改革と日本の社会のあるべき姿を語るときが来ております。私たち民主党は、その用意ができています。そのことを最後に申し上げて、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 中川正春

speaker_id: 15692

日付: 2002-02-19

院: 衆議院

会議名: 本会議