吉井英勝の発言 (本会議)
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○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、公債特例法案、租税特別措置法改正案について、関係大臣に質問いたします。(拍手)
昨年四月の小泉内閣発足以来、小泉構造改革による景気の悪化とあわせて、戦後初めてのデフレ、物価の持続的下落という現象が同時並行であらわれています。日本経済は、深刻で重大な危機に陥っています。
この原因は、自民党政治が長期にわたって国民の暮らしを痛めつけ、日本経済の六割を占める家計消費、個人消費を痛めつけ、需要を冷え込ませてしまったことにあります。
ところが、昨日の日米首脳会談では、米大統領の悪の枢軸発言に欧州の同盟国からも批判が高まっている中で、小泉総理は、この戦争拡大の方針に無条件の支持を約束するとともに、日本経済の問題では、不良債権最終処理の促進を大統領に誓約しました。
この一年、不良債権最終処理を強引に進めて、倒産と失業の急増、需要の一層の冷え込みというデフレの悪循環に日本経済を突き落としたのではありませんか。それをさらに促進するというのは、デフレを一層ひどくする経済危機促進策そのものであります。
柳澤大臣、それでもデフレ促進策である不良債権最終処理を加速していくのですか。はっきり答えていただきたい。(拍手)
最近、この促進のために、RCCに不良債権を簿価で買い取らせるという主張が出されています。これは、昨年秋の小泉総理や柳澤大臣の、買い取り価格は時価を基本とするべき、簿価買い取りは間接的に公的資金を金融機関に注入することになるとの答弁を覆すものです。銀行への新たな公的資金の投入はしないと明言するのか、伺うものであります。
塩川財務大臣、デフレ対策というなら、今、一番なすべきことは、庶民増税や健保本人三割負担など、需要をさらに減退させることでなく、家計消費が伸びるように、国民生活を応援する財政に転換することであります。答弁を求めます。
デフレの原因である実体経済の悪化の一つの要因は大企業のリストラですが、完全失業率は、内閣発足時の四・八%から五・六%へ急増しました。デフレ対策の上からもリストラ規制が必要ですが、元通産大臣も、企業が一斉にリストラをすれば合成の誤謬となる、不況大運動をやっているのと同じことだと国会で答弁しました。平沼大臣も、大企業のリストラが景気を悪化させていることを認められるか、伺うものであります。(拍手)
次に、公債特例法案について質問します。
第一に、不良債権処理を進める中で、倒産など、経済実態が悪くなって、昨年夏に考えていたより税収の落ち込みが大きくなりました。そこで、当初予算では、戦後二番目の規模の二十三兆二千百億円の赤字公債を発行して、不足分を隠れ借金で三十兆円枠のつじつま合わせをやりましたが、この隠れ借金を表に出せば、これだけでも赤字公債はさらに巨額なものに上ります。それを隠すのがこの法案提出の最大の理由ではありませんか。答弁を求めます。
第二に、二〇〇二年度予算案の中の交付税特会借入金の三兆五千六百五十億円は、本来、地方交付税総額として国が地方へ渡すべき金額のうち、国の財源不足を補う、文字どおりの隠れ借金そのものです。
また、交付税特会から借り入れた承継債務を、償還期限を六十年に延長して、国債発行で返すべき金額を圧縮した二千九百七十億円、外国為替資金特別会計で生じる剰余金を千五百億円先食いする措置、日本中央競馬会からの別枠の五十億円納付など、これらはすべて隠れ借金ではありませんか。
さきの交付税特会借り入れの中には、一兆四百四十三億円分先送りする繰り入れ回避措置もあります。何重にも複雑な形で隠れ借金をするのがこの法案のねらいではありませんか。
小泉総理は、「歳出の見直しに当たっては、隠れ借金を行っているなどの御指摘のないよう、財政の透明性の向上に努めてまいります。」と、昨年五月の本会議で答弁していましたが、本予算案と二〇〇一年度二次補正を合わせて六兆五千億円の隠れ借金は、明らかに総理答弁に反するものです。財政赤字のときだからこそ、隠れ借金でごまかすのでなく、財政の実態を全面的に情報公開するべきであります。はっきり答えていただきたいと思います。
第三に、小泉首相は、施政方針演説で、国債発行額三十兆円を守り、将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出すことができたなどと述べておりましたが、今後の国債累増に全く歯どめがかかっていないという問題です。
この三十兆円は、六兆五千億円もの隠れ借金を駆使した粉飾予算の中で生み出されているものであります。むだな公共事業や大銀行支援の七十兆円の公的資金枠などを切らないために、隠れ借金に頼らざるを得ない構造ができています。
財務省ですら、来年度の経済成長率が〇・五%の場合、国債発行残高が二〇〇五年に五百兆円を突破、二〇一五年には八百三十六兆円になると試算しています。民間の四十八のシンクタンクのうち、四十三までがマイナス成長を見込んでいる中で、財務省の〇・五%成長という試算は極めて甘いものですが、この甘い試算ですら、来年度以降の国債累増に全く歯どめがかからない、将来の財政破綻は明らかであります。
三十兆という数字だけを繰り返して、財政再建に取り組んでいるかのように国民を欺くのは、もうやめるべきであります。答弁を求めます。
次に、租税特別措置法改正案について質問します。
日本共産党は、歴代自民党政府が繰り返し行ってきた高額所得者減税、大企業減税が、所得税、法人税などの基幹税の空洞化を進行させて財源調達機能をなくすとともに、財政の所得再配分機能を破壊することになると警告してきました。今、その指摘が現実のものとなっています。
国税庁の資料で、二百五十万社のうち七割が、深刻な不況の中で赤字法人となっています。それでは、景気が回復したら法人税収は伸びるのか。今、政府の言う税収の空洞化、税負担の空洞化が激しく進んでいます。
九〇年度から九九年度までに、国税収入は約十一兆円減りましたが、この空洞化の原因は何なのか。不況によるものと減税によるものと、所得税、法人税の二税について、それぞれの影響額を示して、空洞化の原因をどのように分析しているのか、伺うものであります。
中でも、九八年度から二〇〇〇年度へ十五兆円も法人の経常利益はふえて、二〇〇〇年度はバブル期の水準に近い経常利益を出していますが、実は、法人税収はほとんどふえていません。
法人の欠損金の翌年度以降への繰越欠損を認めることで、欠損法人数は現在七割となっています。その上、法人税率の引き下げとさまざまな大企業優遇措置があるために、昨年十一月の税制調査会でも、経済がもとに戻って収益が戻っても、この欠損の部分で打ち消されてしまうという部分が大きいと主税局は説明したのではありませんか。
大企業優遇の法人税率と税制度を変えないことには、仮に景気が上向いてGDP成長率が一%、二%になっても、法人税収の伸びは少なく、今日の財政危機の立て直しには大きな効果は期待できません。答弁を求めます。(拍手)
政府は、空洞化の一つに、働いている人のうち四分の一が所得税を負担していないと言います。確かに、就業者数のうち、年間収入が百万円程度のパート労働者を初め所得税非課税の低所得者は、現在二〇%強ですが、八〇年代後半には三〇%弱でありました。逆に、この十年間に納税者数はふえているのが事実ではありませんか。
また、日本の課税最低限は高過ぎるとして、今ある配偶者控除などを廃止して、所得税の課税最低限を引き下げようと主張しています。しかし、財務省モデルで言う、サラリーマン夫婦子二人の標準世帯の課税最低限三百八十四万二千円は、購買力平価で国際比較を行えば、アメリカ三百九十三万円、フランス四百三十六万円よりも低いが、ほぼ同じ水準であり、ドイツの五百六十二万円よりはるかに低い水準になるではありませんか。これを引き下げれば、失業し、パート労働が中心になってきて所得が落ち込んでいる中で、ますます国民生活を圧迫することは明白です。
さらに、高齢者マル優の廃止で、財務省は新たな高齢者からの増税を考えています。これは、超低金利のもとで廃止しても実質的な負担増につながらないことから、今のタイミングなら抵抗は少ないとの打算からあっさり決められたものですが、高齢者に将来不安の追い打ちです。
塩川大臣は、税のゆがみを直すには消費税だ、直間比率を変えるなどと公言していますが、その行き着く先に消費税増税を考えているのではありませんか。はっきり答えていただきたいと思うのであります。これらは、ますます需要を引き下げます。小泉内閣の進めていることは、結局、デフレ対策でなく、デフレ促進策ではありませんか。答弁を求めます。
日本共産党は、小泉内閣のねらう課税最低限引き下げや消費税増税など、庶民増税の計画は中止して、まず、消費税の緊急減税を実施し、そして、直接税中心、総合・累進、生計費非課税という原則に立った税制の民主的再建を目指して、今後とも奮闘する決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕