松野頼久の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○松野頼久君 民主党の松野頼久でございます。
平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算及び平成十四年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合の野党四会派を代表して、その趣旨の弁明を行います。(拍手)
まず、私たち野党四会派が平成十四年度政府提出予算の組み替えを求める理由を申し上げます。
私たちが予算の編成替えを求める第一の理由は、政府の提出した平成十四年度予算では、当面の景気回復と中長期の安定経済成長への道筋が全く見えないことであります。
小泉内閣が昨年四月に成立して以来、失業率は〇・九ポイント上昇し、失業者は五十五万人増加し、株価は大きく下落する一方、長期金利が上昇するなど、各種経済指標は悪化の一途をたどっています。このように我が国経済が危機に直面しているにもかかわらず、小泉総理は、改革なくして成長なしと声高に叫び、あたかも、みずからの構造改革を進めればその先に景気回復があるかのような幻想を国民に与えようとしているのであります。
しかし、小泉総理が改革断行予算を標榜した予算は、相変わらずの従来型事業の積み上げであり、失われた十年をもたらした、既得権益温存型予算であるわけであります。これでは景気回復を望むことはできず、また、国民の信頼も期待も得られないのは当然のことだと思われます。
現在、最も深刻な問題は、史上最悪の状況となっている雇用情勢であり、このような不安な状況が将来にわたって継続するのではないかという国民の不安感であります。この雇用や将来に対する国民の不安が払拭できない限り、最大の需要項目である消費が盛り上がることはなく、新たな投資も望めないのであります。
本来、新年度予算は、失業に対する不安の解消、新たな産業育成を通じた雇用の創出に全力を挙げるべきものでありますが、政府提出の予算は、この点への取り組みが全く不十分であります。
そこで、国民の安心を確保し、景気の速やかな回復を図るために、求職者の能力開発を推進し、実際の雇用に結びつくような、失業給付制度の改善を行った上での給付の延長、雇用保険の財政の安定化、就職支援の体制の強化、中小企業の技術革新の支援策の拡充等が必要だと考えられるものであります。
また、より広く国民の安心を確保する観点から、BSE対策の強化拡充、保育所整備促進事業、看護休暇制度等の導入の促進等の仕事と子育て両立支援策の拡充、待機者解消のための特別養護老人ホームの整備促進等の社会保障そして福祉政策の充実、将来の日本を支える人材育成の観点からの三十人学級の早期実現に向けた条件整備、日本育英事業の無利子貸付貸与枠の拡充、老朽校舎改修促進等の教育振興の施策の充実が必要であるわけであります。
第二の理由は、政府提出の予算が、国民の目を欺く、粉飾予算であることであります。
小泉総理が構造改革のシンボルとして掲げてきた国債発行三十兆枠は、実質的には破綻しています。実現もしていない、外為特会の剰余金を歳入に計上し、返すべき借金を先送りし、さらには、たった一年前に政府が決めた、地方交付税特別会計における借入金は行わないという方針を、朝令暮改的に覆してまで守ったものは、財政規律ではなく、小泉総理のメンツのみであります。(拍手)
財政規律を重視するならば、まず現在の財政状況を正直に国民に提示すべきであり、隠れ借金によって見かけのみを整えることは、一層の財政規律の喪失を招くものであります。このような予算編成は、単に予算のあり方を超えて、内閣の姿勢として極めて問題があると言わざるを得ません。(拍手)
第三の理由は、予算執行体制の適正性に疑念があるということであります。
予算委員会の審議及び三月四日に外務省が発表した調査報告によって、外務省の予算執行に対して個別の国会議員の深い関与があり、適正な予算執行がゆがめられていることが明らかとなりました。これを一刻も早く改めるためには、一連の外務省問題の発端となった外務省報償費及び官房報償費の抜本改革が不可欠だと考えるものであります。
政府提出の予算において、対前年度当初比で、外務省報償費は四割削減、官房報償費は一割削減としていますが、削減の一部は他費目への振りかえであり、また、制度としての抜本改革には全く踏み込んでいないものであります。これでは、国民の期待に全くこたえられていないどころか、財政法、会計法の規定からもかけ離れており、容認することは到底できません。
報償費に始まった一連の外務省関連不祥事に対する国民の批判を真摯に受けとめ、報償費の一層の大幅削減を図るとともに、その使途の限定、内部監査や会計検査の適正化、国会によるチェック体制の確立等、制度面での抜本改革が不可欠だと考えます。このような改革なくして、外務省に国民の貴重な血税を使用する資格はないものであると考えます。
このほか、環境循環型農業、有機農業などの推進、信頼できる食品表示を担保する検査、監視等の強化等を通じた食の安全の確保、新エネルギーの研究開発・普及のための支援策拡充、公共交通機関への低公害車の導入促進、森林整備拡充を通じた環境重視、公共交通機関のバリアフリー化、高齢化社会への対応により、我が国社会の新たな方向性を明確に本予算において示していくことが必要であると考えるものであります。
同時に、従来の需要追加型景気対策の効果が乏しくなっていること、危機的な財政状況を踏まえて、予算を伴わない、あるいは予算の執行上の工夫によって、景気・雇用対策を推進することも不可欠であります。
一方、先ほど申し上げた、国民の安心を高めるためのさまざまな施策を行うに当たっては、その財源は、政府提出の予算に内包されているむだを排除し、効率を高めることによって見出すべきであると考えます。
その第一が、予算委員会で予算の執行体制に大きな問題があることが明らかとなった、支援委員会の関連予算であります。組織上の不備があり、支援事業の基準や選定過程に大きな問題があることを塩川財務大臣さえ認めた、この支援委員会関連予算を削除することは、国会の責務とも言えるものであります。(拍手)
また、外務省報償費及び官房機密費の大幅な削減は当然であり、同時に、平成十三年度第二次補正予算や高どまりしているコストの見直しを踏まえた公共事業関係経費の見直し、一層の行政経費の効率化、真の特殊法人改革に向けた関係予算の見直しが必要であります。
以上のように、来年度予算については、景気回復に資する、真に必要な事業の拡充、追加、国民に対して真の財政状況を開示するための粉飾予算の是正、政治、行政に対する国民の信頼を回復するための第一歩としての報償費改革等の実現を求めた抜本的な改革が必要であると考えます。
野党四会派は、以上のような見地から、二〇〇二年度政府予算を、別途お配りしております重点事項に沿って組み替えるように要求するものであります。
何とぞ御賛同くださいますようにお願いを申し上げ、趣旨の弁明といたします。(拍手)
—————————————