武部勤の発言 (本会議)
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○国務大臣(武部勤君) 楢崎議員の御質問にお答えいたします。
まず、全農チキンフーズの偽装事件についてのお尋ねであります。
これは、消費者の信頼を大きく裏切るばかりでなく、生産者の真摯な経営努力を無にしかねない、あるまじき行為であり、極めて遺憾であります。
今回の事件を契機に、全農として、協同組合の原点に立ち返り、組織を挙げて再発防止のための取り組みを徹底することが必要であると考えております。
農林水産省といたしましても、全農に対して、農協法に基づく報告を求めているところであり、その結果を踏まえ、厳正に対処してまいる所存であります。
BSE調査検討委員会の報告書原案について御質問がありました。
調査検討委員会では、BSEに関するこれまでの行政対応上の問題を検証していただき、今後の畜産・食品衛生行政のあり方について調査検討を行ってきたところであります。各委員には、幅広い視点からの率直な御議論をいただいているところであります。
報告書案は、各委員の御意見を踏まえ、委員長と委員長代理が中心となって調整を行っているところであり、現段階で私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、この報告書が取りまとめられた暁には、報告を踏まえ、消費者を初めとする国民の安心と信頼の回復を目指して、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、制度資金の融資実績についてのお尋ねであります。
貸付実績が減少傾向にある要因は、需要の落ち込みや輸入品との競合等による農産物価格の低迷などを反映して投資意欲が低下していること、制度資金と一般民間資金との金利差が小さくなり、制度資金の魅力が乏しくなっていることなどであると考えております。
したがいまして、国産農産物の特質を生かすとともに、需給バランスの回復に努めるなど、全般的な農業対策を的確に講じ、投資意欲のわく環境をつくり上げることが最も重要であると考えております。
また、制度金融そのものを農業者にとってわかりやすく、使いやすい、魅力あるものとしていくことも重要でありまして、このため、抜本的な見直しを行うこととしたものであります。
こうした対策により、融資枠が十分利用されるようにしたいと考えております。
なお、農林漁業金融公庫の十四年度の融資枠につきましては、前年度より五百億円削減しているところであります。
次に、農林漁業金融公庫に関する行政改革推進事務局の見解についてであります。
事務局の見解及び昨年十二月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画を踏まえて、見直しを行ったところであります。
具体的には、民間金融機関の融資に利子助成する近代化資金を積極的に活用するとともに、民間金融機関で対応できない、償還期間が極めて長いものや資金規模の大きいものについて公庫が対応することとするなど、民間金融機関と公庫との適切な分担・連携関係を構築することとしております。
また、加工流通関係資金については、国産原料の使用を義務づける等、融資条件の見直しを行ったところであります。
これに伴い、平成十四年度予算における農林公庫の資金全体の融資枠を縮減したところであります。
農業改良資金についてのお尋ねがありました。
これまでの農業改良資金は、農業経営と農家生活の改善を目的としており、生活環境の改善の観点から、共同利用施設の整備のための資金の貸し付けを行ってきたところであります。
今回の各種制度資金の見直しの中で、農業改良資金については、農業の担い手がみずからの創意工夫で加工分野への進出、新作物の導入といった高リスク農業にチャレンジするための資金へと改めるなどの抜本的見直しを行っており、農家生活改善資金は廃止することとしております。
次に、農業法人投資育成会社の事業の見通しであります。
投資育成会社の適切な運営を行うため、農協系統は、日本農業法人協会や農林漁業金融公庫との意見交換を進めているところでありますが、日本農業法人協会のメンバーや農林漁業金融公庫のスーパーL資金の融資先のうち、経営能力が極めて高く、また、融資より出資を希望する法人が対象になるものと考えられ、年間数十社程度に対して投資することを見込んでおります。
また、農業法人投資育成会社の収入源は、農業法人からの配当収入、出資持ち分の売却益等であり、会社の経営が軌道に乗るには、五年から十年程度の時間がかかるものと考えております。
次に、農政の基本方針及びその中での農業金融二法案の位置づけについてのお尋ねであります。
食料・農業・農村基本法は、食料の安定供給の確保、多面的機能の十分な発揮、農業の持続的な発展、農村の振興、この四つの基本理念を掲げておりますが、特に農業政策としては、効率的、安定的な経営体が農業生産の大宗を担う農業構造を確立することが極めて重要であります。
そのためには、意欲と能力のある担い手の経営改善に向けての取り組みを支援していくことが重要であります。こうした取り組みを支援する上で、農業者の創意工夫を生かせる融資は、極めて有力な政策手法であります。今回の農業金融二法案は、この融資制度がより適切に機能するよう、資金使途の拡大、保証制度の充実、手続の一元化等を図ろうとするものであります。
最後に、食の安全保障についてであります。
食料は、人間の生命の維持に欠くことのできない基礎的なものであることから、不測の要因により需給が逼迫するような場合においても、最低限度の供給を確保していく必要があります。
このため、不測の事態に応じ食料供給の確保を図るための対策を機動的に実施できるよう、農林水産省及び政府における対策本部の設置などの体制整備、国内外の食料供給動向などの情報の迅速的確な収集、分析、提供、備蓄の活用、輸入の確保等による供給の確保対策、価格、流通の安定のための対策等を行うことを定めた、不測時の食料安全保障マニュアルを策定したところであります。
今後とも、食の危機管理については万全を期してまいる所存であります。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣坂口力君登壇〕