田村秀昭の発言 (国際問題に関する調査会)
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○田村秀昭君 イスラムにつきましては、去年の九月十一日の自爆テロというんですか、ニューヨークのビルを破壊して飛行機で突っ込んだという、そういうことが発端で本調査会でもイスラムの研究を開始されたというふうに思っております。私は、ほとんどビンラディン氏なんという名前は去年の今ごろ全然知らなかったわけでありまして、全く知らない世界の勉強をさせていただきましたことを、会長にまず敬意を表したいと思います。
私は、このビルに飛行機をハイジャックして突っ込んでいったということは普通の常識では考えられない話であって、相当な恨みが極限化していないとできない話だというふうにこの事件をとらえて、少し勉強させていただきましたけれども。
我々は、アメリカンスタンダードというんですか、アメリカのやり方というものに黒船が来てから徐々に慣れておりますけれども、アメリカという国は開放された社会ではありますけれども、英語を勉強したいとかアメリカに住みたいとか、そういう人たちに対してはアメリカは共生できる国家でありますけれども、全く自分と違う価値観を持った社会とはアメリカという国は共生できない国ではないだろうかというふうに私は思っております。それは、アメリカのやり方が一番正しいんだということでそれを押し付けてくる、そういうアメリカのやり方というものに対してイスラムの社会というのは非常に反発をしているんではないだろうかというふうに思います。
歴史的に見ますと、ビンラディン氏という人はこのテロのあった後に次のように述べています。アル・ジャジーラというテレビで、巨大なビルが破壊され、アメリカは恐怖におののいていると。アメリカ人は我々が八十年以上にわたり経験したのと同じ恐怖を身をもって体験しているのだと。八十年の後、アメリカに鉄拳が下され、醜い偽善が頭を持ち上げているというコメントをビンラディン氏はテレビで声明をしております。
八十年前というのはどういうことがあったかというと、第一次世界大戦でオスマン・トルコが敗北して、その支配下にあったアラブ地域が西欧列強に分断された年であります。それで、そのときのいろいろなトルコが分断されたときにアラブの人たちに対して独立を約束しておきながら、全然それを履行しなかったという歴史があります。それで、それに対する八十年来の恨みというものをアラブの人たちは今回実行したということであります。
ちょうど黒船が幕末に日本にやってきてアメリカのやり方を日本に押し付けたときに、西郷隆盛が何と言っているかというと、文明とは道があまねく行われることを言うのであって、衣服の美麗とか外観の美しさを言うのではないと。未開の国に対するときに慈愛を本とし、懇々と説き、懇々と説き諭して開明に導くべきなのに、未開蒙昧の国に対するほどむごく残忍なことをして、自己利益を図ろうとするのは野蛮以外の何物でもないと、西郷隆盛は当時の欧米のやり方についてそういうふうに述べております。
それで、ビンラディン氏もサダム・フセインも冷戦中はアメリカのデタッチメントであったにもかかわらず、今回は反アメリカ・欧米の路線を歩んでいると。だから、非常にこういう人たちは、ビンラディン氏なんというのは大富豪であるし、貧しさからやってきているんではないと。結局、サダム・フセイン大統領も欧米に対して、あなた方欧米の指導者たちは自国民の血を尊重し惜しみながら、アラブやイスラム教徒を含む他の人々が血を流すことを軽視するのかと。あなた方が自らの価値観を尊重するならば、アラブ人やイスラム教徒の価値観、神聖さも尊重すべきなのではないかということを言っております。
そういうことが、アメリカのそういう価値観の違う国家に対して、社会に対してアメリカのやり方というのは、アメリカのスタンダードでやろうとするところにこういう世界全体から見た場合にこういう問題が起きるんではないだろうかというふうに私は考えております。