若林秀樹の発言 (国際問題に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○若林秀樹君 私が今回のいろいろの様々な調査会のこの会合を通じて感じた一番の印象的なことは、やはりイスラムが多様性を持った国々であるということでした。イスラムを一つの単位、一つの文化としてとらえるんじゃなくて、様々なものがあって、その総体としてイスラムがあるんではないかということでございます。
先ほどある委員からも、アメリカと日本は価値観を、共通な価値観を持ったという御発言がありました。あるいは民主主義、市場経済というところがありましたけれども。アメリカという国は、私もそうですけれども、やっぱり戦後、様々な文化、ファッション、音楽、テレビを受入れて育った、そういう意味で親しみがありますし身近に感じられるんですけれども、よくよく見てみるとアメリカほど違う国は珍しいわけですし、時にして理解ができないところも私はあるんじゃないか。私も二回ほど六年ぐらい住んでおりましたけれども、いまだに感じるところはあるわけですが。
そういう意味で私は、やっぱりイスラムを見た場合に、人が言ったから、アメリカが言ったからではなくて、知らないことによる誤った価値判断だけは絶対やっぱり避けなきゃいけないというのが私は一番感じたところでございますので、改めて、知る、調査をする、勉強するということが必要ではないかなというふうに思っているところでございます。
そういう意味で、調査会の範囲がどこまでか、私も新人議員で分からないんですけれども、やっぱり机上の上での勉強、調査も限界がありますので、一回行ってみるということが必要じゃないかな。そういう意味では、多様性を言うのであれば、ここ二十五人いるので、二十五か国みんなばらばらに一回行って、集まって、レポート書いて、もう一回やっぱり議論するということも必要じゃないかと、まとまってどんと行くんじゃなくてですね。そのぐらい、やはり発信して勉強してやっていくことも私は必要じゃないかということを取りあえず感じているわけでございます。
次に申し上げたいのは、やっぱりエネルギー安全保障上の上でのイスラム諸国の重要性でございます。
御存じのように、中東依存度が八八・四%ですか、昨年度が。これだけ上がってきたということで、オイルショック、第一次のときに、国家戦略としてこれからは中東依存度を下げ、購買先を分散しなきゃいけないと言ったにもかかわらず、結果的にはこうなっているということの事態は何なのかということです。
私は、やっぱり口だけじゃなくて、本当に国家戦略というのは、初めて実行して戦略であるわけで、そういう意味では、確かに中東諸国のオイルの競争力がある、市場だからしようがないということではなくて、戦略であったら、明らかにやっぱりそれを実施していかなきゃ私はいけないんじゃないかなという感じはしているところでございます。
ここは、石油公団の問題もあり、今回、廃止法案ですか、国会に上程されるということで、二兆円以上のお金をつぎ込み、不良債権を山のように積み上げ、そしてまた備蓄といえども二千数百億のお金を毎年使っているこの現実を見れば、やはり根本的にこのエネルギー安全保障の観点から見直す。そして、中東諸国だけじゃなくてほかの産油国がかなりイスラム諸国だということを考えると、やっぱりそことの関係強化をどうやって図っていくかということが必要ではないかというふうに思っているところでございます。
その中で、関係強化の図り方なんですが、私は、さっきほかの委員から言われましたように、やっぱり技術協力なり、我が国が持っている力というのは経済力、産業技術力ではないかなという感じがしております。そういう意味で、ODAの供与国として八〇年代は一五%ぐらいシェアがあったんですけれども、九〇年代になって七、八%まで下がってきているんです。これはODA対象国じゃないということもあるんですけれども、本当に国家戦略として国益にかなうんであれば、対象国から外れるも外れないも関係なく、どうやって関係を結びそれにお金を支援していくかという発想が必要じゃないかと思っています。
例えばアメリカの例を挙げますと、イスラエルに九〇年代、対象国であったときも数千億の単位でお金を支援しているんですね、外れたからといって下げるということはあり得ないんで、むしろ上がっているわけです。これは国家戦略として国益にかなうから支援しているんで、日本というのはどちらかというと、ODAから外れちゃうと一挙に支援しなくなってしまうんです。ここにやっぱり戦略のなさを感じますので、対象国であることにODAの根拠を置いているんじゃなくて、我が国としてどうなのかという意味で私はイスラム諸国との関係の中で支援をしていくということが必要じゃないかなという感じがしております。
そういう意味で、ODAで対象国でなければ、やっぱり技術協力、技術支援、IT、様々な分野で更に一層強化をしていく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますので、改めてその経済交流、技術交流との重要性をエネルギー安全保障上の問題から含めて考えているところでございます。
取りあえず、以上です。