吉田博美の発言 (国際問題に関する調査会)

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○吉田博美君 私は長野県の県会議長時代に、ちょうど産経新聞の解説員の方が見えまして経済界の講演をされました。
 そのときに、比喩的でありますが、タイタニック号が沈むときを例えて、タイタニックが沈むときに婦女子だけは救命ボートに乗せる、そして男性は遠慮していただくと言ったときに、アメリカの男性の方が乗ろうとされましたら、あなたはヒーローになるから、これは乗れませんよと言ったら遠慮された。イギリスの方が乗ろうとされましたら、あなたはジェントルマンですよと言ったら遠慮をされた。それで、ドイツの方が見えましたら、あなたはこれは規則ですよと言ったら遠慮をされた。日本の方が見えましたら、全員乗っていませんよ、男性はと言いましたら遠慮をされたという。
 何か日本の一つの国民的な感情的なものが、いろいろなことの中で右へ向けばみんな右向く、左へ向けば全員左向くというような一つのあれがあるんじゃないのかと思いまして、そんな中で、この中東・イスラム問題を振り返ってみたときに、一番最初に中東戦争、そして中東戦争からそれに関連して石油危機がありまして、また湾岸戦争があり、その前にイラン・イスラム革命があり、湾岸戦争があり、そして九・一一のこの事件、そのたんびたんびに、事件が起きると日本では大きなメディアもかなりの扱いをして、そして必ずテレビでは特番を組んで、そしてコメンテーターの方が見えて、ちょっとこのイスラム問題というのは大事な問題ですから勉強しなきゃいけないと。書店でもかなりのコーナーが設けられてやられるわけで、我々は、分かりにくいけれども、これは勉強して、これは一番大事な問題だなと言いつつも、またこれが時間がたつとすべて忘れてしまう。先ほどのタイタニックと同じような感じになってしまうわけですよね。
 そんな中で、私どもが一番大事なことは何かということは、たしか若林委員が言われましたように、エネルギーの安全保障ということが私は極めて大事だと思いますし、日本におきましては、やはり私は食糧の安定的供給とエネルギーの安定的供給と。日本は世界で第二位のGDPを誇っているといって、例えば、イギリスとフランスとドイツを合わせたのと大体日本と同じぐらい。しかし、全く資源のない国の中でこれだけのことを維持するのは、幾らITに依存しようと思っても、その部分はやはり我々は極めて大事な部分じゃないかと思うんですけれども、このエネルギーのことを考えたときに、私は振り返ってみて、日本のやはり、先ほど世耕委員のおっしゃったような形の中で考えてみたときに、対外経済援助ということと、いま一つはやはり外交、この欧米と中東の外交の仲介を果たすという、これは僕は極めて大きな役目があるんじゃないかと思います。
 実は私、大学を卒業しましてイギリスに行っているときに、ちょうどテルアビブの岡本公三さんの、公三さんと言っちゃいけないんだけれども、あの事件が、赤軍派の事件がありまして、そのときに自分の語学の学校の中で、七割が中東から見えている、二割がヨーロッパ、一割がアジアだったんですね。そうすると、もう同志になっちゃうんですね、その中東の皆さん方は。おまえ、よくやってくれたと言って──よくやってくれたといったって、そんなもの、えらいことでありますから、もう極めて、こんなことよくやったわけじゃなくて、これは遺憾なことでありますけれども、そんな形の中で、何となく日本に対する親近感というものは物すごくその当時から中東の皆さん方は持っているわけですね。
 アメリカと共有している部分があるということをおっしゃったんですけれども、むしろ私は中東の皆さん方とポテンシャルというのはかなり似た部分があるから、私は外交面で、私がクラスにいるときにヨーロッパから見えた学生と、そして中東の学生とは非常に仲良くないんです。そうすると、ちょうど中間にある我々日本人というようなアジアの、特に日本人、非常にそういう意味ではその接着剤になるような形の中で、言わば日本はイエス、ノーがはっきりしないからいけない、外交が見えないからいけないと言われるんですけれども、日本人には独特のしなやかさという、このしなやかな外交というものを生かせば、私はすばらしい外交戦略ができるんじゃないかと思うんですよね。
 そんな中で、やはり一番大きな課題は、私はそこで外務省の問題がある。瀋陽の問題とかいろいろ言われるわけでありますが、私は日本の外交官は知、徳というすばらしいものがあると思います。体とかなんとかというんじゃなくて、そこへ私は経験という、違う意味の経験というものを積んでもらえばいいんじゃないかなと思うんですよね。
 そこで、今外務省改革いろいろ言われているものですが、一つ私は提案をしたいんですけれども、これは中東戦略にもつながると思うんですけれども、実は各省庁でそれぞれ職員を交換をされているわけでありますが、たまたま森元先生がいらっしゃるから言うわけじゃないんですけれども、自治省の皆さん方は最低三回は各県に出るわけですよね。そんな中で、各県に出ますと本当に住民と肌で感じる現場での一つの仕事というものがあるし、そして地方の議会で、私もそうですが、かなり厳しくこの現場で、いろいろな中での対応というのがあるわけですね。
 そんな経験をされておりますが、外務省の方が見えるときはもうポストが大体決まっていて、ほとんどないわけでありますから、そんな中で、できることならまず、私の場合は長野県なら長野県へ来ていただいて、全く違うポストの経験をしていただきたい、二年ぐらい。というのは、もうなくなりましたけれども、高速道路事務所か何かに行って、用地交渉か何かしてもらって、これは大変な、物すごい粘り強いものが必要なんですよ。これは、知、徳じゃなくて、もう大変なそういう経験をすることによって、それで外国で外交官としてやられれば、かなり粘り強い外交というのができるんじゃないかなと思っておるんですよね。そうした一つの経験をするということも大事なことじゃないかと思うんですよ。
 財務省の皆さん方は、見えると必ず税務署の署長で一番偉いところで、一番頭を下げるところに。だから頭を下げること、あるいは本当に粘り強く交渉するという経験を踏むということをしていきながら、そして中東戦略をしていくという、これはいろんな外交にも僕は適するんじゃないかと思うんですけれども、そうした中で、私のこれは考えたことでございますが。

発言情報

speech_id: 115414308X00820020522_019

発言者: 吉田博美

speaker_id: 33749

日付: 2002-05-22

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会