小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 峰崎議員にお答えいたします。
金融危機に対するお尋ねでございますが、政府としては、市場の動向や不良債権の処理状況等、金融情勢については十分注視しているところであり、今後、万一、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障を生じるおそれがある場合には、金融危機対応会議を開き、大胆かつ柔軟に対応してまいりたいと考えております。この方針については金融担当大臣と認識を共有しており、内閣を挙げて金融システムの安定に万全を期してまいりたいと考えております。
BSE問題の責任についてでございますが、この問題につきましては、事態の初期段階で行政部内における関係者間の連絡が不十分で対応に混乱が見られ、国民の行政に対する不信を招いたことは遺憾であります。
このため、私の方から農林水産大臣、厚生労働大臣に対し、両省一体となり国民の立場に立った対応をするよう指示し、既に、屠畜場においてすべての牛に検査を行い、BSEに感染していない牛肉だけが流通する体制を確立いたしました。現在、さらに、感染経路の究明や関連対策の実施などに全力を挙げて取り組んでいるところであります。農林水産大臣には、今後とも、これらの職責を果たし、国民に安心していただくよう全力を尽くしてもらいたいと考えております。
自民党の体質やあっせん利得処罰法の改正についてのお尋ねでございます。
この問題につきまして、政治改革の一環として取り組むべき問題だと認識しております。改めるべき点を改めていかなきゃならないと思っております。今まで何度かこういう事件が起こってまいりましたが、どういう点がこれから必要かということにつきましても、各党各会派で御意見をいただきたいと思います。
今回、政治家の元秘書の逮捕やあるいは様々な形で私設秘書等の問題が出ております。こういう問題におきましても、政治腐敗防止にどのような法整備がいいのか、こういう点につきましても、今後、各党会派の意見というものを真剣に聞きながら実効ある体制を取っていかなきゃならないと思います。与党三党で今検討を進めているところであり、今国会で十分御議論いただくべきものと考えております。
自衛隊の海外派遣に対する私の見解についてのお尋ねがありました。
慶応大学の草野教授の件についてでございますが、私も何で誤解されているのか理解に苦しむわけでありますが、今回のテロ対策特措法におきましても、私は憲法の範囲内でやるべきことをやったと考えております。
カンボジアの件について議論されましたけれども、あのときの状況は、当時、カンボジアで人命を失うような危険な状況に一時陥った場合がございました。そのときに、一部の日本国内の意見で、このくらいのことは当然なんだ、血を流すのは当然なんだという議論が出てきたからこそ、私は当時、そういう前提でカンボジアに派遣したのではないと。前提が狂っているのに、事態が違ったから前提を壊してまで血を流すのは当然だという議論はおかしいのじゃないかと言ったんです。
今回のテロ特措法は、世界、全く危険のないところはないと言ったんです。その程度の危険の覚悟は当然だろう、その覚悟をして対応を図るのが必要じゃないかと言ったんで、どうしてそれが変節だの、態度が変わったとか、私は理解に苦しみます。
二次補正予算編成に関する私の発言に対するお尋ねでありますが、昨年の臨時国会において、現在、第一次補正予算の速やかな成立をお願いしているところであり、第二次補正予算の編成は考えておりませんと答弁はいたしました。しかし、開会冒頭の所信表明演説において、経済情勢によっては、大胆かつ柔軟に対応しますと。今回の第二次補正予算は、昨年秋の第一次補正予算の編成後、米国における同時多発テロの発生を契機に世界同時不況のリスクが高まる中、一段と悪化した我が国の景気状況に対応し、改革を更に加速しつつ、デフレの進行と相まって景気が加速度的に悪化することを回避するために編成したものでありまして、虚偽の答弁だったとの委員の御指摘は当たらないと考えております。
NTT株式売却収入の活用に関するお尋ねですが、第二次補正予算編成においては、国債発行額三十兆円以下の方針を堅持することにより、政府の財政運営に対する信頼を保持し、国債の追加発行が国債市場に与える悪影響を回避することができたと考えております。
今回の措置は、国債の追加発行によらず、国債整理基金特別会計における政府保有資金を国債償還に支障の生じない範囲内で活用するものであり、財政規律を保持しつつ構造改革に資する事業を行うものであることに御理解を賜りたいと思います。
構造改革と経済財政の中期展望におけるプライマリーバランス黒字化の見込み等についてのお尋ねでありますが、改革と展望で示されたとおり、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスの黒字を達成することは可能だと考えておりますが、民間需要主導の持続的な成長と継続的な財政構造改革の取組なしに容易に達成できるものではありません。塩川大臣の発言もこうした認識を示したものと理解しております。
改革と展望は、日本が目指す経済社会の姿とそれを実現するための構造改革を中心とした経済財政運営について明確な将来展望を示しています。この将来展望が国民によって共有され、構造改革への共感が深まることによって、改革は加速され、その実を結ぶことになると考えております。
税制改革についてのお尋ねでありますが、これは、税制改革は構造改革の大きな柱だと思っています。今の時点で私が個別の税制を取り上げて、上げるの下げるのと言うのは適当でないと思っています。それぞれの意見、率直に展開、議論していただきたい。一部の議論を取り上げて勝手な、偏見を持った誤解を生まないためにも、あれこれ今の段階で私はとやかく個別項目について言うのは適当でないと思います。
今後、国民の税負担によってのみ国民に必要なあらゆる施策がなされるということを念頭に置きまして、経済活性化に資する、国民が公平に負担できる、そして必要な施策ができるような税制というのはどうあるべきかということを率直に議論して、そして十五年度予算編成に生かしていきたいと思います。
今の時点で予見とか予断を持つのはかえってあらぬ誤解と偏見による意図的な情報操作をもたらす危険もありますので、はっきりと個別項目について言うのは総理として適当ではないと思っております。
金融機関の健全性と公的資金による資本増強についてのお尋ねであります。
政府としては、金融システムの信頼を回復する目的で制定された早期健全化法に基づき金融機関の資本の増強を行うこと等により、これまでその健全性の確保に努めてきたところであります。
現時点において公的資本増強が必要な状況にあるとは考えておりません。しかし、今後、万一、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じるおそれがある場合には、金融危機対応会議を開き、大胆かつ柔軟に対応してまいりたいと考えております。このような方針の下、金融システムの安定に万全を期すことにより、私の責任を果たしてまいりたいと考えております。
ペイオフの質問でございますが、ペイオフの凍結解除は、当初は昨年四月に予定されたものでありますが、都道府県所管から国所管へと移行した信用組合が、検査を受けた後、資本の充実等の必要な措置を取る時間を確保するために一年間延期したものであります。
政府としては、ペイオフの凍結解除を延期したこの一年間に信用組合の検査を終結するとともに、その善後処置を取ることなどにより金融機関の健全性の確保を図ってきたところであり、こうした状況を踏まえ、本年四月に予定しているペイオフ解禁を再延期することは考えておりません。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕