日笠勝之の発言 (本会議)

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○日笠勝之君 私は、公明党を代表して、さきの財政演説、すなわち平成十三年度第二次補正予算案などに対し、総理に若干の質問を行います。
 聖域なき構造改革を目指す小泉内閣が発足して九か月が経過しましたが、これからが小泉内閣の真価が問われる胸突き八丁のときであります。公明党は、毛利元就の三本の矢の例えのごとく、自公保三党の結束の下、安心・安全・安定の政治実現を目指し、庶民の生活向上のための責任を全力で果たしてまいる所存であります。
 さて、二十一世紀開幕の年となりました昨年の世相を象徴する漢字に、戦々恐々に由来する「戦」という字が選ばれたと日本漢字能力検定協会が発表いたしました。確かに、米国の同時多発テロやテロ撲滅のためのアフガン空爆、パレスチナとイスラエルの紛争激化、インド国会議事堂襲撃事件などに絡むカシミール紛争、また日本近海での不審船事件など、戦争の世紀と言われた二十世紀の残滓を引き継いだ年となりました。
 今年こそは明るく平和な年になることをすべての国民が願っております。そのために、我が国も全力を傾け世界平和構築へ貢献すべきであります。今月早々に与党三党の幹事長が中東を訪問したことを例に挙げるまでもなく、政府はもとより、与野党を問わず、それぞれのチャンネルでの積極的外交を展開すべきだと思います。
 今般、この東京にてアフガニスタン復興支援国際会議が開催され、六十一か国・一地域、二十一国際機関の代表が参加し、アフガニスタンの人道支援から復興支援にと大きく前進させることができましたことは、大いに歓迎するところであります。この会議を通じて、今後の我が国の具体的な貢献・支援分野及び拠出額、またスケジュール、NGOとの協力関係について、総理の御所見を求めます。
 また、少々細かいことになるかと思いますが、復興支援費用について、国庫からの支出のほか、NGO等が一般国民より寄附を募り援助資金の一部とする事例が欧米諸国では行われているとのことであります。政府としても、そのような寄附を募りやすい仕組みを検討し、国民に呼び掛けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、アフガンの食糧不足は深刻で、特に子供たちへの対策は一刻を争う支援が必要です。その際、日本の学校給食制度が有効との識者の意見がありますが、併せて御所見を伺いたい。
 次に、国際社会での集団殺害等の犯罪を処罰する国際刑事裁判所設立条約が一九九七年に国連で採択され、イタリア、フランス、ドイツ、カナダなど四十八か国が既に批准しております。我が国も早急に批准を行うべきではないでしょうか。また、テロ関連条約十二本のうち最後に残ったテロ資金供与防止条約についても早急に批准すべきものであります。併せて総理の御所見を求めます。
 国民の政治に対する信頼を著しく損なう事件、疑惑が相次いで発覚しました。いわゆる自民党元幹事長の前事務所代表が起こした、地元業者などからの公共工事の受注や下請の口利きによる巨額脱税事件。また、公共工事にかこつけて関係会社に多額のパーティー券を買わせ、資金を集めた疑惑。民主党副代表の元公設秘書らが経営するコンサルタント会社の公共事業入札にかかわる口利きによる競売入札妨害事件。この件では茨城県石岡市長も逮捕されました。
 今や、政官業癒着の旧態依然とした構図に対し、国民の怒りは沸騰点に達していると言っても過言ではありません。
 公明党は結党以来、政治倫理確立、政界浄化に取り組んでまいりましたが、今回の事件でも直ちに党内に公共工事をめぐるあっせん等疑惑調査委員会を設置し、国民の信頼を回復するためにも、徹底的に真相解明、法整備の検討をしているところです。
 そこで、私どもは、二〇〇〇年十一月に成立したあっせん利得処罰法に、私設秘書並びに親族も対象に加える法律改正を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、発注者への措置請求や関与職員の賠償・懲戒通知の権限を認める、いわゆる官製談合を防止する対策を公明党は以前から強く主張し、法案は既に作成しております。日米規制緩和協議でアメリカ側から再三にわたり発注者責任を明確にするよう要望されていることは、総理も御承知のとおりであります。早急に立法化すべきと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
 そのほか、日本道路公団関西支社での長年にわたる談合疑惑と競売入札妨害事件、全日本自治団体労働組合など、巨額脱税事件も相次いで報道されています。国民がリストラ、倒産等の痛みに耐えかねている状況の中で、これらの疑惑、事件について、総理の御感想と対処方法をお尋ねいたします。
 いずれにいたしましても、政治と金の問題は政治不信の元凶であり、総理のリーダーシップが期待されますが、政治と金の不祥事に決着を付ける抜本的解決策について、総理のお考えをお聞かせ願います。
 第二次補正予算案についてお伺いいたします。
 さきの国会で平成十三年度第一次補正予算が成立いたしました。これは、雇用・中小企業対策等への一兆円規模予算でありましたが、我が党は、我が国の景気、雇用が極めて深刻な状態であることから第二次補正予算の必要性を訴え、政府に対し要望もしてまいりました。
 その結果、第二次補正予算案では、一、都市機能の高度化、国際化対応、二、環境に配慮した個性ある地域社会実現対策、三、教育、IT、科学振興推進、四、少子高齢化対策等の四分野に重点特化した構造改革推進、景気対策に資する二兆五千億円余の措置を講じているところであり、第一次そして第二次補正及び十四年度予算が一体となった十五か月予算として、切れ目なき経済運営により景気・雇用対策に万全を期す意味からも、一日も早い成立が期待されています。
 予算案の具体的内容として、特に我が党が強く主張しました高齢化対策として、特別養護老人ホーム一万四千人分、介護老人保健施設一万二千人分、ショートステイ四千人分、ケアハウス千人分などそれぞれ増員され、着実にゴールドプラン21の推進が措置されています。
 さらに、保育所待機児解消のため八千人分の増員措置、放課後児童クラブなどの施設百五十か所、小児医療体制等の整備がなされる少子化対策も図られています。
 また、交通事故抑止対策として信号機四千基以上の新設や、都市機能向上を図るための交通渋滞解消対策として、連続立体交差事業やボトルネック踏切等の改良なども計上されています。
 さらには、道路の段差、傾斜、勾配の改善、鉄道駅のエレベーター・エスカレーター設置など公共施設でのバリアフリー化促進など細やかな目配りもなされるなど、正に適宜適切に編成されていると確信いたします。
 また、環境面では、自然との共生を目指して河川の復元、湿地、干潟等の再生を図るほか、太陽光発電、屋上緑化などグリーン庁舎の整備も盛り込まれております。
 以上申し上げたように、全体的に見渡しますと、生活者の側に立つ景気対策、雇用拡大への効果が期待できるところでありますが、総理は、一口で言って、この第二次補正予算をどう表現されますか。また、この補正予算で雇用拡大、需要創出にどのような効果があるとお考えか、お尋ねいたします。
 また、景気回復は、財政政策のみならず、金融政策も大きな柱であります。当面の最大課題である不良債権問題への取組はいかが対応されますか。また、ペイオフ凍結解除を延長してはという声もありますが、本日の総理の私への答弁がペイオフ解禁か延長かの議論の最終決着とすべきと思いますが、お答え願います。
 最後に、税制改正についてお尋ねいたします。
 総理は、さきに政府税調に税制抜本改革の検討を指示されました。しかしながら、閣僚の中には、景気刺激のための投資減税を求める方も、また直間比率の是正、財政再建のため、消費税増税も検討すべきという方もいると報道がなされ、閣内に同床異夢の感があるのではないかと危惧いたします。
 そこで、総理は、税の理念についてどうお考えか。また、抜本改革の目的及び道路特定財源等の具体的課題とその方向性、さらには政府税調と経済財政諮問会議の役割分担についてはどのようにお考えでしょうか、明確な答弁を求めて私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115415254X00220020123_017

発言者: 日笠勝之

speaker_id: 18039

日付: 2002-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議