小泉純一郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 草川議員にお答えいたします。
御激励と建設的な御提言をいただきまして、ありがとうございます。
外交及び外務省改革を進める私の基本的見解についてのお尋ねでございますが、川口外務大臣に対しまして、就任時に、今後、与野党を問わず様々な議員の方から御意見は受けるでしょうと。それは国会議員としてそれぞれ見識のある方ですから当然だと。しかし、その意見が適切であるか不適切であるか、十分省内でも見極めながらしっかりとした対応をしていただきたい。これが第一点。
そして、外務省の改革、多くの今までの外務省に対する批判というものを、これを謙虚に受け止めて思い切った外務省改革に取り組んでもらいたい。反省すべきは反省し、正すべきは正すという観点から、外務省に対する信頼を取り戻していただきたい。
さらに、今後の外交政策を推進するに当たっては、外務省一体というのはもちろんでありますが、政府一丸、総理官邸と一体となって協力、進めるような体制をとっていただきたい。
この三点を強く指示いたしました。
川口大臣が、今まで環境大臣としてのすばらしい経験と手腕、そういうものを基礎にしながら培った人脈、そして外交に対する優れた見識を持っておられる方でありますので、今後、意欲的に外務省改革にも外交体制にも献身的な努力をしていただけるものと期待しております。私は、その川口大臣の努力を全面的に支援していきたいと思っております。
BSE問題、雪印食品問題についてでございますが、BSE問題については、過去の行政対応の在り方も含めまして、厚生労働大臣と農林水産大臣との私的諮問機関として設置されましたBSE問題に関する調査検討委員会において議論していただいているところであります。いろいろ反省すべき点もあります。その報告を待って、畜産・食品衛生行政の改革を目指し、食の安全と安心を確保する仕組み作りについて真剣に取り組んでまいりたいと思います。
雪印食品の国産牛肉偽装事件は、BSEに対する消費者の不安を払拭するための事業を悪用するとともに、食品表示に対する消費者の信頼を損なう極めて悪質なものであります。このため、雪印食品に対し厳しい姿勢で事件の正確かつ徹底的な究明に取り組むこととしております。
なお、隔離牛肉を保管する全倉庫の徹底総点検を行うとともに、食品の表示制度の見直しとその改善、強化を急がせるなど、牛肉に対する消費者の安心と信頼を取り戻し、牛肉消費の回復に総力を挙げてまいります。
「改革と展望」における公共投資についてでございますが、公共投資については、そのGDP比を四分の三程度を目途に引き下げるという表現から、最終的には、国の公共投資については、「景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、その重点化・効率化を図っていく。」との表現に改めました。この修正は、目指すべき水準の意味を明確にするために行ったものであり、目安を定めて公共投資を抑制していくという方針に何ら変更はありません。
プライマリーバランス黒字化やデフレ克服に向けた政府の取組についてでございますが、「改革と展望」では、民間需要主導の着実な成長と財政構造改革の結果、国と地方を合わせたプライマリーバランスは二〇一〇年代初頭には黒字化する見込みとしています。
政府としては、今後の財政運営に当たりまして、配分の重点化、諸制度の改革、事務事業の効率化、PFIの活用など、歳出の質の改善と抑制を進めるとともに、受益と負担の関係についても引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
また、議員御指摘のとおり、プライマリーバランスの黒字化を実現するためには、デフレの克服、民間需要主導の着実な成長が前提となると考えております。このため、民間需要、雇用の拡大に力点を置いた構造改革の推進、不良債権処理の促進を図るなど、政府、日銀が一致協力してデフレ問題に強力かつ総合的に取り組んでいきたいと思います。
内閣府試算と平成十四年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算についてのお尋ねでございます。
内閣府試算は、経済財政諮問会議における「改革と展望」の審議のための参考として内閣府が作成したものであります。この試算は、「改革と展望」で示された構造改革の方向性の下、内閣府が各分野の具体的な改革の進め方について多様な可能性の中から一つを前提として選び、マクロ経済の姿や国と地方の財政の姿などがどのようになるかを経済と財政の相互関係をも考慮した経済財政モデルにより試算したものであります。
他方、財務省が予算委員会に提出を予定しております平成十四年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算は、一定の経済の前提の下で、特定の政策判断を加えることなく、当初予算の制度、施策を継続した場合、後年度予算の歳出歳入にどの程度の影響をもたらすかにつき、積み上げ計算等によって試算したものであります。したがって、両者は試算の前提や手法において異なっており、試算結果もおのずと異なるものとなりますが、今後の予算編成を始めとする諸議論において、それぞれの特質に応じて中期的な経済財政運営の在り方の検討の際の一つの参考、手掛かりとして活用すべきものと考えます。
銀行の情報開示についてでございますが、銀行の経営情報の適正な開示は極めて重要であります。こうした観点から、改革先行プログラムにおいて、「主要行に対し、四半期毎に経営情報を開示する体制をできる限り早期に整備するよう求める。」こととされました。これを受け、主要行の主な経営情報については、本年六月末より一層速やかな情報開示が行われることとなったと承知しております。
証券取引等監視委員会による監視への御指摘と証券取引法に違反する空売りに対する厳正な処分についてのお尋ねであります。
まず、証券取引等監視委員会においては、外国系証券会社に対しても、国内証券会社と同様に、検査や日常的な市場監視活動を通じて取引の公正を害する行為の厳重な監視を行っているところであり、御指摘の空売り規制違反についても、先般、金融庁が発表した「空売りへの総合的な取組みについて」に基づき、重点的に点検を行っております。また、金融庁においては、監視委員会の勧告を踏まえ、空売り規制違反について昨年十二月以来三件の行政処分を実施しておりまして、厳正に対処しているところであります。
金融システム不安についてのお尋ねでありますが、不良債権については、破綻懸念先以下の不良債権の最終処理といった従来からの施策に加え、主要行に対する特別検査の厳正かつ的確な実施、整理回収機構等を活用した不良債権処理と企業再生等の取組を果断に実施することにより、その処理を一層強化してまいります。
また、信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある場合には、預金保険法において例外的措置として資本増強が可能であり、これを行う場合には、法令に従い経営責任を明確化することが前提になると考えております。
OB官僚による出身官庁への働き掛けの規制についてでございます。
御指摘のとおり、公務員制度改革大綱において、行政の公正な運営に対する国民の信頼を確保するため、営利企業に再就職した公務員について、新たに再就職後の行為規制を導入するとともに、規制の実効性を担保するため、違反行為に対し、罰則等を含め制裁措置の導入を図ることとしたところであります。今後とも、公務員制度改革など行政改革を実効性あるものに仕上げるべく全力を挙げてまいりたいと思います。
日本道路公団の発注先送りと改革成功のための関係者の協力についてのお尋ねであります。
道路公団の発注先送りについては、予算の状況を踏まえ、同公団の判断によるものと伺っております。改革の成功には、政治家を始め、官僚、関係者各位の協力を得て知恵を結集すべきであることは申すまでもないと思っています。私も常々言っているんです。独断専行に陥らないように、できるだけ多くの方々の協力を求めて改革を進めていく、そういう気持ちで私は構造改革に邁進していきたいと思います。
ワークシェアリングに対する取組についてお尋ねでありますが、ワークシェアリングの検討に当たっては、少子高齢化の進展や経済・産業構造の変化といった我が国が置かれた状況を踏まえつつ、我が国に適したワークシェアリングの在り方を考えていく必要があります。このため、現在、政労使ワークシェアリング検討会議においてその基本的な考え方について検討を行っているところであり、本年三月を目途に政労使の間で合意を得ることができるよう、積極的に取り組んでまいります。
円安についてのお尋ねですが、為替相場は安定的に推移することが重要であるというのが従来からの我が国通貨当局の考え方であり、人為的に円安誘導をするといった考えは私は毛頭持っておりません。
カナダで開催予定のG7においては、財務大臣が出席し、マクロ経済についての議論が行われると承知しておりますが、為替に関しましては、ただいま申し上げた考え方に基づいて対応することとしております。
ASEANを訪問した際、マレーシアのマハティール首相ともこの通貨の問題について意見交換をいたしましたが、私はそのような考え方をマハティール首相にも申し上げました。
税制についてでございますが、税制の在り方は、これからの経済再生、そして日本が持っている潜在力を大きく発揮するためにも、大変重要な構造改革の柱だと位置付けております。あるべき税制の構築に向けて、経済財政諮問会議や政府税制調査会において、将来の税制改革について私は幅広く議論をしていただきたいと思っています。
特定の税項目を考えているわけではありませんで、消費税も法人税も所得税も地方税も、全般的な税制についての議論をいただきたいと思っています。そして、簡素で公平で中立な、これからの経済活性化に向けて適切な租税負担水準や、あるいは地方分権にふさわしい地方税の在り方をどう考えるかなど、税制全般にわたりまして議論をしていただきまして、十五年度予算に反映していきたいと思っております。
なお、世代間の資産移動と贈与税についても、現行の住宅資金の贈与に係る特例措置による負担軽減の水準やその活用の状況、相続税の課税回避防止という贈与税の基本的機能等を踏まえ、あるべき税制の構築に向けた取組の中で検討することが適当と考えております。
中小企業金融対策の広報についてであります。
中小企業の新たな資金調達手段として、昨年末、売り掛け債権担保融資に対する保証制度を創設し、政府広報を始め、普及広報に努めております。今後とも、中小企業による私募債の発行など、多様化する資金調達手段の周知に更に努力してまいります。
地上放送のデジタル化の進め方についてのお尋ねでありますが、デジタル化に関連して必要となる周波数変更工事については、現在、放送事業者と共同でその効率的な実施に向けての検討を着実に進めております。いずれにせよ、地上放送のデジタル化は、国民に大きなメリットをもたらすものであることから、その確実な実現に向け、鋭意取り組んでまいりたいと思います。
医療制度改革についてでございますが、国民皆保険制度をいかに多くの国民の方々の協力を得ながら進めていくか、非常に大事な問題と考えております。御指摘の高齢者医療制度についても、高齢化のピーク時においても安定的な運営が確保されるものとなるよう、対象年齢の引上げ、公費負担割合の見直しなど、その在り方について検討を進め、平成十四年度中に基本方向を明らかにしてまいります。
国立大学附属病院等における後発品の使用促進及び新規性に乏しい新薬についてのお尋ねがありました。
国立大学附属病院や国立病院におきましては、関係省庁から後発医薬品を適正かつ積極的に利用するよう指導しているところであり、今後とも、その利用の促進に向けて指導に努めてまいります。委員の御指摘の意見も大変参考になると思います。
また、新規性の乏しい新薬の薬価については、平成七年度より類似薬の薬価を超えない価格とするルールを設定し、適正化を図ってきております。平成十四年度薬価改定においても、総合規制改革会議の議論も踏まえ、価格の一層の適正化が図られるよう、より厳しい算定ルールとすることとしております。
心の病についてでございますが、いわゆる心の病に苦しむ方々に対する支援については、政府として早急に対応すべき重要な課題であると認識しております。
このため、本年度より、治療、相談に当たる医師、保健婦などを対象とした専門家の養成事業に着手するとともに、本年三月に開設する国立成育医療センター、これは仮称でありますが、現在のところ、専門の診療部を設置するなど、研修、研究、治療の体制整備を進めることとしております。
今後とも、各都道府県の精神保健福祉センターの機能の充実や、大学院段階で心理学に関する高度な専門的な学習と実践を積んだ臨床心理士の養成や研修の推進を図るなど、関係者の声にも十分に耳を傾け、対策の充実に努めてまいります。
日韓関係についてでございますが、私は、できるだけ早い時期に韓国を訪問し、金大中大統領と忌憚のない意見交換を再び交わしたいと思っております。また、ワールドカップサッカー大会の日韓共催は、日韓両国のきずなを深めるためのまたとない機会であり、両国が手を携えることによって、これを成功に導いていきたいと思います。
このワールドカップサッカー大会に向けた日本の準備体制についてでございますが、本大会を成功させるためには、いかに安全を確保するかが大きな課題となっております。政府としても、十一省庁から成る関係省庁連絡会議を組織して、日本組織委員会とともに、テロ対策やフーリガン対策等の安全対策について精力的に検討、準備を進めております。
警察においては、全国の機動隊を最大運用するとともに、関係機関のみならず、諸外国の治安機関とも連携して、安全確保に万全の体制を確立するものと承知しております。
永住外国人に対する地方選挙権付与についてでございますが、この問題については、現在、公明党・保守党案と民主党案の二法案が継続審議となっていることは承知しておりますが、我が国の制度の根幹にかかわる問題であり、各党会派における議論を進めていただきたいと考えております。
テロ対策特措法に基づく自衛隊艦船の派遣期間についてのお尋ねでございます。基本計画に定めた派遣期間の延長については、諸情勢を見極めつつ、派遣延長の必要性を主体的に判断したいと考えております。
有事法制についてでありますが、政府としては、憲法の枠内で有事への対応に関する法制について取りまとめを進めておりますが、その中で、御指摘の点にも配慮しつつ、法制が扱う範囲、法制整備の全体像、基本的人権の尊重及び憲法上の適正手続の保障等の法制整備の方針等を明らかにしたいと考えております。
日米首脳会談における日本経済の扱いについてでございますが、私は、持続的な経済成長をするために改革が必要だと。改革なくして成長なしと、この方針で引き続き揺るぎない決意で構造改革に邁進していきたい。そして、日本の持っている潜在力を将来活発に展開できるような体制を進めていく、それが大事だと。その過程において、金融市場も含めた経済情勢の監視を怠ることなく、様々なリスクに十分留意してまいりたいと思います。首脳会談においてもこのような方針を説明したいと思っております。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕