小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鶴保議員にお答えいたします。
 激励をいただきまして、ありがとうございます。
 努力が報われ再挑戦ができる社会についてお尋ねでございますが、我が国経済はこの十年間、バブル経済が崩壊して低迷が長期にわたって続いております。
 こうした中、過去、累次にわたる経済対策、これの効果、反省を踏まえながら、今後は持続的な成長につながるような施策をしたいということから、改革なくして成長なし、こういう方針の下に、今、構造改革を推進しているところであります。
 この改革が目指す社会は、個人が自由な創意工夫の下に能力と個性を発揮し、存分に活躍できる仕組みを備えた社会であり、人々の努力が報われることが重要と考えております。また、失敗した場合にも、それにくじけず立ち向かっていけるようなセーフティーネットの整備に万全を期す、そして安全で安心に暮らせる社会の実現を図っていきたいと思います。このような考え方は、閣議決定した「改革と展望」や、これまでの所信表明演説においても明らかにしているところであります。
 DIPファイナンスのお尋ねでございます。
 平成十一年に、アメリカの裁判上の再建型手続、チャプターイレブンを参考とした民事再生手続を創設したところであります。引き続き会社更生手続などの見直しを行っており、その中で、裁判上の再建型手続を取る企業向けの再建支援融資、いわゆるDIPファイナンス、これに関する法整備の問題も取り上げております。今後、このような再建支援融資の利用状況を踏まえ、更に検討を進めてまいりたいと考えております。
 不良債権処理の具体策についてでございますが、金融機関の不良債権については、厳格な資産査定、破綻懸念先以下の債権の最終処理といった従来からの施策に加え、整理回収機構を活用した不良債権処理と企業再生、債権の株式化を活用した企業再建を促進するための基金の設立等の取組を実施しております。本年度中にも日本政策投資銀行や民間企業による企業再建基金の設立が予定されているなど、不良債権処理の促進に向けた着実な動きが見られるところであります。
 これらの取組と併せ、他の分野における構造改革を進めることにより、経済構造改革の集中調整期間の終了後の平成十六年度には不良債権問題を正常化するよう、全力を尽くしたいと思います。
 医療制度改革についてでありますが、この医療制度、少子高齢化の社会に向けても、国民皆保険制度を支える基本原則は変わりありません。患者さんの負担、保険者の負担、そして公費。税金で負担するのか、保険料で負担するのか、さらに患者さんの負担にするのか、この組合せしかないんです。この組合せを適正にすることが大事だと思っております。
 そして、こういう改革に併せて、医療提供機関、診療情報、医療機関情報に関する規制改革、さらには日ごろから病気にならないための予防、健康づくり、これを推進することが大事だと思っています。同時に、医療保険制度の体系、高齢者医療制度、診療報酬体系の見直しなどの課題につきましても、平成十四年度中に検討を進めまして、その基本方向を明らかにしてまいりたいと思います。
 消費税を社会保障目的税とすべきではないかというお尋ねでありますが、これを社会保障目的税にしますと、消費税は確実に上がります。消費税を上げることに対して国民の合意があるかどうか、その点を見極めなきゃならないと思います。
 いずれにせよ、消費税の問題につきましては、これからの税制改革の中におきまして、単なる消費税だけじゃない、所得税も法人税も地方税も、特定財源すべて総合的に見直して、あるべき税制改革はどういうものか、活力ある二十一世紀の社会に向けてどのような税制がいいかという中で、いろいろ議論をしていただきまして、一つの結論を出して、十五年度予算に反映していきたいと思っております。
 地方の産業についてのお尋ねでありますが、地方経済の発展は我が国経済の基盤であります。これまでも、国土の均衡ある発展を目指して、工業、サービス業などの再配置を促進する施策を講じてまいりました。今後も、これらの施策に加え、地域の自律的発展を目指して、地域経済を支える新事業の創出を積極的に推進し、地方における魅力ある雇用機会の創出に努めてまいります。
 市町村合併についてですが、地方行政の構造改革を進め、地方分権を推進する上で極めて重要な課題であると認識しております。既に二千を超える市町村が合併を検討していますが、今後とも、より一層強力に推進いたします。
 府県の合併につきましては、地方分権が一層進展し、また市町村合併が進む中で、広域的な行政を担う都道府県の在り方について、見直しを行うべき時期が来ると考えられます。将来の地方自治制度の在り方について、府県合併も含め、中長期的に十分な研究を進めることが必要だと思います。
 森林・林業の問題についてでございますが、森林・林業の問題について、昨年六月に成立した森林・林業基本法及び昨年十月に策定した森林・林業基本計画に基づき、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林を重視すべき機能に応じて水土の保全、人との共生、資源の循環利用に区分して、その育成や保全を図るとともに、林業担い手への作業や経営の集約化等により、林業の健全な発展を図るとしているところであります。
 政府としては、望ましい環境の創出を基本として、森林・林業政策を展開してまいりたいと思います。
 現在の教育に何が欠けているのかということでございますが、我が国の教育は経済社会の発展の原動力になってきたと思います。しかし、一方、過度の画一主義による個性、能力に応じた教育が軽視されていると、そういう批判もいろいろ指摘されております。
 私は、今後の教育改革の一環として、子供たちが日本としての誇りと自覚を持ち、新たなる国づくりを担うことのできる豊かな個性と能力を持った人間に育つよう、教育改革の推進に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣川口順子君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2002-02-08

院: 参議院

会議名: 本会議