坂口力の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(坂口力君) 山本議員から多くの質問をちょうだいをいたしましたが、まず、血液製剤の献血による国内自給についてのお尋ねがございました。
 輸血用血液製剤及び一部の特殊な製剤を除きます血液凝固因子製剤につきましては、国内自給が既に達成をされているところでございます。しかし、一方におきまして、アルブミン製剤及び免疫グロブリン製剤につきましては、製剤の種類に応じた使用の適正化や献血の推進に努めてきた結果、その自給率は上昇してきておりますが、現状では国内の自給を満たすだけの献血血液が得られていないことから、依然として輸入に依存をしているところでございます。
 血液製剤につきましては、特殊な製剤であって国内製造が困難な場合等を除きまして、倫理性、国際的公平性等の観点から、国内の献血による血液を原料として製造されるべきであると考えております。このため、改正案におきましては、国内自給の原則を基本理念として規定をし、今後更なる取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 国内自給の達成方法についてでございますが、御指摘のように、法律によります血液製剤の輸入を直接禁止することは、輸出入に関します数量制限を一般に廃止することとしますいわゆる関税及び貿易に関する一般協定の趣旨に照らしまして困難であると考えております。
 今回の改正案につきましては、国が基本方針において、血液製剤の中期的な需給見通しでありますとか献血の推進や適正使用に関します事項を定めますとともに、国の献血推進計画や採血事業者の献血受入計画におきまして献血確保量等を定めております。これに基づきまして、関係者の協力を得まして、献血の計画的な確保、血液製剤の一層の適正使用等を進めてまいりまして、献血によります国内自給の達成を果たしたいと考えているところでございます。
 遺伝子組換え製剤についてのお尋ねがございました。
 遺伝子組換え製剤を含みます生物由来製品は、感染リスク等を完全には否定できない可能性を有することから、今回の法案では、原材料及び製造工程の管理から市販後の使用に至る一貫した安全確保対策を講じることといたしております。
 特に、血液由来成分を添加物として用いております場合には、最終製品としてのリスクが血液製剤等と同様な遺伝子組換え製剤については、薬事・食品衛生審議会の意見を聞きました上で、特定生物由来製品を指定をし、更なる上乗せ規制を実施することが適当であると考えております。
 原料血漿の配分あるいはまた製造・供給体制についてのお尋ねがございました。
 血漿分画製剤の製造及び供給体制の在り方につきましては、これまで様々な議論が行われてきておりますが、意見が一致していないことから、今後、関係者によります検討会において改めて検討を行うことといたしております。
 また、今回の法案に基づきます血液製剤の需給計画につきましては、公開の審議会での御議論をいただいた上で、原料血漿の配分量、標準価格等などを定めることとしておりまして、これによりましてシステムの透明化の確保を図ってまいりたいと考えております。
 血液製剤の適正使用についてのお尋ねがございました。
 これまでも、昭和六十一年に血液製剤の使用基準を定めまして、医療機関への周知を図りますなど、適正使用を推進してきております。一定の成果を上げてきたところでございます。
 今回の改正案におきましては、法の目的、基本理念及び医療関係者の責務として、血液製剤の適正使用を推進すべき旨を規定しますとともに、国が策定します基本方針においても適正使用に関する事項を定めることといたしております。
 今後、これらに基づきまして、血液製剤の使用に関しますガイドライン等の策定、見直しを行いますとともに、その周知を図り、適正使用の推進を一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
 血液製剤に関します健康被害の救済制度についてお尋ねがございました。
 御指摘の救済問題につきましては、本年三月に研究会の報告書がまとめられたところでございます。報告書におきましては、新たな制度の運営に関します費用の負担につきまして、現行の医薬品副作用被害救済制度と同様に、生物由来製品の開発、生産、供給を担います企業の社会的責任に基づきます共同事業という形での救済事業を行うことは十分な合理性があるとされているところであります。また、この報告書におきましては、医薬品副作用被害救済制度と同様に、事務費の一部を国庫負担するということも考えられるとされております。
 いずれにいたしましても、今後、この報告書を踏まえまして、更に検討を進めてまいりたいと考えております。
 フィブリノゲンとC型肝炎の検査についてのお尋ねがございました。
 フィブリノゲンの問題につきましては、現在、昭和五十二年の米国食品医薬品庁によります米国製のフィブリノゲン製剤の製造承認の取消しから以降の状況につきまして、日本の製剤メーカーに対します報告を求めますとともに、海外規制当局や当時の省内関係者等に対しまして、事実関係の調査を行う準備を進めているところでございます。可能な限り速やかに調査を実施し、結果を取りまとめまして公表したいと考えております。
 C型肝炎の検査につきましては、四十歳代前後から肝炎が進行して、六十歳、六十五歳から肝がんが発生する場合が多いとの指摘がありますことを踏まえまして、三十五歳以上の被保険者等を対象とする政府管掌健康保険の一般健診や、四十歳以上を対象といたします老人保健事業の健康診断において、それぞれ検査を開始したいと考えているところでございます。
 献血者の被害救済についてのお尋ねがございました。
 血液製剤の国内自給を推進していくためには、安心して献血に協力していただける体制を整備することが重要であります。このため、献血時に生じる可能性がある健康被害の補償につきましては、採血業に関する厚生労働省令で位置付けまして実施することといたしております。
 今後、献血受入れの主体であります日本赤十字社において適切な補償の仕組みを構築することができるよう、国としても日本赤十字社と十分協議を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 医薬品等の副作用報告についてのお尋ねがございました。
 厚生労働省に対します副作用情報の報告は、平成十二年度におきまして、製造業者からは二万二千三百件、医療機関からは五千三百件の報告がございまして、この報告を始めました当初から比較をいたしますと大きくその数が増えてきているところでございまして、今後もこうしたことを更に進めていきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、医療機関からの直接の副作用報告は、製造業者等からの報告と併せて医薬品の安全対策を講じる上で基本的に大変重要なことでございますので、今後ともその点を進めまして、医療機関からの報告を法律上も明確に位置付けているところでございます。
 治験についてのお尋ねがございました。
 治験制度につきましては、治験の倫理性を担保しますとともに、被験者の安全を確保する観点から、平成八年改正により厳格性を図ったところでございます。
 一方、重篤な疾患に罹患をしまして、他に代替できる治療法がないため生命の危険がある場合等につきましては、特例的に、重篤な疾患に苦しむ患者の方々に治療の可能性を提供できる仕組みが必要という指摘もあり、今回の改正案におきまして制度の見直しを図ることとしたところでございます。
 この制度の実施に当たりましては、緊急やむを得ない場合に限るとともに、未承認薬を無原則に使用されることのないように条件を限定したいと考えております。被験者に対しますインフォームド・コンセントが必ず行われることも重要でございますし、万が一問題が生じました場合には、厚生労働大臣に報告がなされ、治験の中止や変更等を指示できることといたしているところでございます。
 臨床工学技士についてのお尋ねがございました。
 臨床工学技士につきましては、生命維持管理装置以外でも、一部の医療機器を除きまして操作等を行うことが可能であることから、現行の業務範囲において十分にその役割を果たせるものと考えております。
 また、各病院の機能は様々でありまして、生命維持管理装置の操作等に専従する者の配置は必ずしも要しない場合もありますことから、すべての病院において一律にその配置を義務付けることは適当でないと考えております。
 最後に、小児医療医薬品の開発、供給についてお尋ねがございました。
 小児用の医薬品、医療用具の開発や供給を促進しますことは、安全で効果的な小児医療を提供する上で大変重要でありまして、これまでも承認申請資料として利用できる臨床データの範囲を拡大するなど、承認取得を促進するための対策を進めてきたところでございます。
 また、小児用の医薬品等のように、企業の開発意欲が乏しい分野におきましても開発が促進されるよう、今回の改正案におきましては、企業のみならず、医師等も主体的に治験を行えるようにしたところでございます。さらに、本年度からは、小児用の医薬品等の臨床研究に研究費補助を行うこととしており、これによりまして小児用の医薬品等の開発、供給の促進に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上、取り急ぎましたが、御答弁を申し上げさせていただきました。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115415254X01720020412_016

発言者: 坂口力

speaker_id: 22554

日付: 2002-04-12

院: 参議院

会議名: 本会議