吉川春子の発言 (本会議)
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○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、道路四公団民営化推進委員会設置法案に対して質問します。
初めに、小泉総理は、事もあろうに、宗教的色彩の極めて濃い春の例大祭に事寄せて、昨年八月に続いて靖国神社を参拝し、中国、韓国から厳しい抗議が起きている問題についてです。
総理、なぜあなたは軍国主義と侵略戦争推進のシンボルである靖国神社の参拝にこだわるのですか。また、小泉内閣は、戦前の国家総動員体制をほうふつさせる有事三法案を国会に提案し、アジア諸国の批判を浴びています。日本政府は、あの戦争に対していまだに真摯な反省をしていないではありませんか。従軍慰安婦問題もその一つです。総理、戦没者を真に追悼する道は、侵略戦争の反省に立って、憲法九条を生かし平和日本を建設することではありませんか。答弁を求めます。
本法案は、合わせて三十八兆円という巨額の債務を負う道路四公団を民営化し、新たな組織の採算性の確保について第三者機関に検討させるため、道路公団民営化推進委員会を設置するものです。
以下、問題点を具体的に伺います。
第一は、道路四公団の巨額の債務を作り出した原因と責任についてです。
道路行政は、経済の右肩上がりを前提とした最初の道路計画によって道路建設が進められ、採算の見通しもなく道路が造り続けられてきました。その象徴が、本州と四国の間に巨大な橋を三本も架けた本州四国連絡橋と、実際の交通量は当初の予測の三分の一しかなく、全く採算の取れない東京湾アクアラインです。
総理、こうした過大な交通量予測に基づく虚構の採算見通しによって道路建設を続けてきたことが巨額の債務を作り出した原因であることは明らかではありませんか。
我が党はこうした無謀な計画を厳しく批判してきました。しかし、計画は強行されたため、現在、本四公団は、八百六十九億円の料金収入に対して、管理費と利払いだけでその二倍の千六百二十七億円となり、巨額の借金を抱え、経営が破綻しています。そもそも、高速道路は料金収入で建設費を償還していくはずではなかったのですか。
総理、こんなでたらめな道路行政を続けてきた政府と自民党の責任をどのように認識しておられるのですか。
第二に、本法案が、道路四公団を民営化し、三十八兆円という巨額な借金を国民に負担させようとしていることです。
かつて国鉄の分割・民営化の際、鉄道や駅周辺の一等地など、もうかる部分だけが民間大企業に譲り渡され、借金は清算事業団に付け替えられました。総理の言う民営化とは、今回も収益性の高い幹線高速道路を財界が投資できるようにするためのものではありませんか。
既に政府は、本四公団の債務三兆八千億円は国の道路予算、関係地方公共団体の負担で処理する決定をしています。これは、無謀な道路建設を進めてきた自民党政府の責任を棚上げし、巨額の債務を国民に負担させるものではありませんか。総理の答弁を求めます。
さらに、アクアラインを含む一般有料道路の借金は五兆円に上っています。これまで期限内に償還した道路はわずかで、多くは償還し切れずに積立金を取り崩しています。採算の取れない道路建設を続けていくために、ほとんどを国と地方の税金で造り、道路公団が舗装一枚分だけを負担して、一般国道が公団の有料道路に成り代わっています。こうした道路は薄皮道路と呼ばれています。八割から九割以上の税金を投入しても、なおその多くは採算が取れません。
国土交通大臣、なぜこうまでして道路建設を進めなければならないのですか。お答えください。
政府は、今年度から道路公団への三千億の国費投入をやめたと宣伝していますが、この予算は道路特定財源であり、道路事業以外には使えないものです。結局この予算も道路建設に使われることになるのです。道路特定財源について小泉総理は、幅広く検討し、十五年度予算に反映させると答弁していますが、公約してきた道路特定財源の一般財源化をすぐに行うべきではありませんか。
第三は、小泉総理が採算の見通しもない、必要性もはっきりしない無駄な高速道路を中止せず、あくまで造り続けようとしていることです。
当初、小泉総理は、高速道路の償還期限を三十年に圧縮すると公言していました。ところが、自民党道路族の抵抗に遭って、国土交通省に五十年償還であれば国費投入なしで未整備区間を造れるという試案を作らせ、償還期限を五十年に延長しました。これは今までの計画どおり道路建設を続けるということではありませんか。現に、自民党の古賀道路調査会長は、五十年が担保されていると一年間で一兆円の投資ができる、これまでどおり道路建設を進めると明言しているではありませんか。総理の答弁を求めます。
日本道路公団は、二十六兆円の債務を五十年後には返済するという計画です。しかし、交通量が予測を一割下回っただけで五十年後も三十一兆円もの借金が残るという試算もあります。このまま進めていけば巨額の赤字を作り出すおそれが十分にあります。
高速道路の計画をいったん凍結し、採算性の見通し、道路建設の必要性を抜本的に検討すべきです。総理にそういうお考えはないのですか。
国土交通大臣、具体的な問題でお聞きします。
道路公団の債務返還に深刻な影響を与えるのが、東名に並行して建設される第二東名・名神です。道路公団の予測では、二十年後には東名と第二東名を合わせた交通量が一・四倍になるとしています。しかし、人口の減少、経済の減速からいって、交通量が一・四倍に増える保証はあるのですか。トータルで十一兆円という巨額の建設費が掛かる第二東名・名神に、既に二兆五千億円の建設費がつぎ込まれています。完成後には東名と利用者を奪い合う形となり、共倒れの危険性さえ指摘されています。それでもこのまま全国一本のどんぶり勘定で建設を続けていくのですか。単独で採算が取れるというのであれば、その根拠を示してください。
このように、高速道路の個別路線の見直しが求められています。しかし、本法案で設置される第三者機関では見直しは行わず、国土開発幹線自動車建設会議を経て国土交通省が従来どおり決定できるのです。結局、第三者機関は、道路四公団の巨額の借金を国民に負担させ、大企業が投資できるように国民の財産を引き渡す方向を打ち出すための検討を行うだけではありませんか。行革担当大臣の答弁を求めます。
さらに、今年度予算で、いわゆる五全総に基づいて、今でも大赤字のアクアラインに並行して外側にもう一本東京湾に橋を架けるという東京湾口道路を始め、六つの海峡・湾口横断プロジェクトの調査費を計上しています。この調査費は既に八年間で四十億円を超えています。工事の完成までに一体幾ら掛かるのか、見当も付かないではありませんか。これまでの道路行政の反省のかけらでもあれば、こんな計画は直ちに中止すべきではありませんか。答弁を求めます。
小泉総理、道路行政の改革を言うのであれば、採算性の見通しもない道路は建設を中止して、その財源を元に、公共事業主役から社会保障主役に予算の使い方を変えることが国民の立場に立った改革ではありませんか。答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕