入澤肇の発言 (予算委員会)
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○入澤肇君 大変ありがとうございました。分かりやすく説明していただきまして、感謝したいと思います。
ただ、これから政策を実効あらしめるためにはやっぱり優先順位が必要だと。今問題になっているのは、何よりもデフレスパイラルの入口にあると言われる経済状況から脱却しなくちゃいけない。この点につきまして、デフレ政策が先なのか不良債権の処理が先なのか、さらにそれは、不良債権の処理とGDP、経済成長の関係はどうなのかということについては必ずしも明らかでない。エコノミストはたくさんいますけれども、いろんなことを言っている。
しかし、最近、官側のエコノミストで非常にいい論文を書いた方がいらっしゃいます。これは財務省の財務総合研究所次長が日経新聞に掲載している小論文ですけれども、このデフレと不良債権問題、経済成長の関係に極めて明快な分析を行っている。
これを御紹介しながら、需要対策についてお聞きしたいと思います。
第一に、過剰債務が減少しても実質GDPを押し上げる効果は統計的には検出されない。一方、実質GDPが一%増加すると過剰債務を二・八%減少させる効果がある。これが第一です。
第二に、過剰債務がデフレを引き起こす効果は、デフレが過剰債務を増大させる効果に比べれば無視できるほど小さい。つまり、デフレを解消させることが先行させるべきである。例えば、国内の卸売物価が一%上昇すると過剰債務は二一・二%減少する。逆に、過剰債務が一%減少しても国内卸売物価は〇・〇〇三%しか上昇しない。
これ非常に明快なんですね。デフレと不良債権問題、それから経済成長の問題をこんなに明快に分析したデータは今まで見なかった。リチャード・クーさんだとか、いろんな人がいろんな本を書いていますけれども、これは非常に政府としては貴重な研究成果だと思うんです。
ここから言えることは、その次長が結論的に、要するに、思い切って金融の量的緩和を進めてデフレを阻止することが必要であると。これは、財政政策についてはちょっと言えない立場にあるかもしれませんけれども、金融政策でとどまっているわけです。
しかし、幾ら金融緩和をやっても、今ちまたの中小企業の皆さん方の声を聞いても、まず借り手がいない、貸し渋り、貸しはがし。したがいまして、需要効果が現れないんですね。そこで、改めて需要政策について、これは基本的に取り組まなくちゃいけないんじゃないかと私は思うんです。
ただ、この需要政策といいますと、何かトラウマにかかったような状況にあるんじゃないかというのが一つ懸念されるわけであります。
それは、最近十年間で十二回の経済政策を打ち出しました。十年間で十二回。これは財務省からもいただいた資料ですけれども。それで、百三十七兆円の財政支出をしたという数字がございます。特に小渕内閣になってから、その在任中に八十三兆五千五百億円余の国債が発行されたと。にもかかわらず、景気が回復しなかった。したがって、その国債発行三十兆に枠をきちんと設定して、財政に依存しない経済政策をまずつなぐべきじゃないかというふうな結論があるんじゃないかと思うんですけれども、小渕内閣が八十三兆円出した、最近十年間で百三十七兆円の財政支出を行った、この支出効果は一体どんなものだったのか。我が国の経済状況にどのような影響と効果を与えたのかということをまずお聞きしたいと思います。
財務大臣、いかがですか。