石破茂の発言 (武力攻撃事態への対処に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○石破国務大臣 鳩山委員長を初めとする委員の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
冷戦の終結により世界的な規模の武力紛争が生起する可能性が低下する一方、複雑で多様な地域紛争が発生し、大量破壊兵器等の移転、拡散の危険が増大しております。また、昨年、米国において発生いたしました同時多発テロは、想像を超える態様と規模の事態が現実に起こり得ることを示しますとともに、国際社会に対し、テロを新たな脅威として改めて強烈に意識させました。
我が国周辺に目を向ければ、現在も朝鮮半島の軍事的対峙が継続をいたしております。日朝間におきましても、拉致、不審船、核開発及びミサイル問題等、我が国の国民の生命と安全や、北東アジア地域ひいては国際社会の平和と安定にかかわる重大な課題が存在をいたしております。とりわけ核開発問題に関し、今般、北朝鮮が自国における濃縮ウランを使用する核開発計画を認めたことは、我が国にとって重い意味を持つものであります。先日のケリー国務次官補との会談におきましても、先方より、北朝鮮のウラン濃縮計画をやめさせる必要性等につき言及があったところであります。
今後、かかる問題に対しましては、日米韓連携のもと、日朝平壌宣言の精神に基づき、日朝国交正常化交渉及び日朝安保協議の場で北朝鮮に対して強い働きかけを行っていくことが重要であり、防衛庁といたしましても、重大な関心を持って積極的に対応していく所存であります。
このように、予断を許さない情勢において、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、私は、防衛力の本質である抑止力を最大限発揮すべく、各種事態に適切に対応できる自衛隊を構築いたしますとともに、日米安全保障体制の実効性を向上させてまいります。加えて、国際社会における平和への取り組みに積極的に寄与し、内外の期待にこたえてまいります。
各種事態、中でも武力攻撃事態に適切に対応できる自衛隊の構築のためには、法制面や運用面における十分な体制の整備が不可欠であります。かかる観点から、さきの通常国会において、自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。
その提案理由は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保ちますため、防衛出動を命ぜられた自衛隊がその任務をより有効かつ円滑に遂行し得ることが必要であり、このため、防衛出動時及び防衛出動下令前における所要の行動及び権限に関する規定を整備し、並びに損失補償の手続等を整備するとともに、関係法律の適用について所要の特例規定を設けるほか、武力攻撃事態に至ったときの対処基本方針に係る国会承認等が新設されることに伴い、防衛出動命令の手続について所要の整備を行い、あわせて、防衛出動を命ぜられた職員の給与等に関し必要な特別の措置を定める必要があることでございます。
政府として、本法律案を含む武力攻撃事態対処関連三法案の成立を急務と考え、さきの通常国会での御議論を踏まえて、国民の一層の理解を得るとの観点から、国民の保護のための法制等個別の課題について、その内容を深める作業を進めておるところでございます。
今後は、法案の成立に向け、国会における審議を通じて、幅広い国民の理解と協力を得られるよう全力を尽くす所存でありますので、委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
また、これと並行いたしまして、テロ・不審船対策等の武力攻撃事態以外の緊急事態への対処態勢につきましても、総点検を行い、必要な検討を進めてまいります。
また、自衛隊が任務を迅速かつ効果的に遂行するためには統合的見地に基づく有機的運用が必要との考えのもと、統合運用につきましても検討を精力的に行ってまいります。
さらに、我が国が種々の緊急事態に適切に対応するためには、みずからの防衛努力に加え、日米安保体制をより緊密かつ実効性のあるものとする必要があります。我が国といたしましても、日米防衛協力のための指針の実効性を確保するための施策の推進、テロとの闘いにおける協力等を通じ、日米安保体制がより有効に機能するよう引き続き努めてまいります。また、沖縄県民の御負担を軽減するため、SACO最終報告の着実な実施に全力で取り組んでまいります。
昨年以降、国際社会の焦点となったテロとの闘いにおきましては、現在、自衛隊はテロ対策特措法に基づき、米軍等に対する給油活動や物資輸送などの協力支援活動等を行っておりますが、これは、国際的なテロの防止、根絶のための国際社会の取り組み及び我が国を含む国際社会の平和と安全の確保に大きく貢献していると確信をいたしております。しかし、残存するアルカーイダによる昨年のテロ攻撃がもたらした脅威は今なお除去されておらず、現在も多くの国がアフガニスタン周辺に部隊や艦船等を派遣してテロとの闘いを継続いたしております。このような状態において、今後とも、我が国といたしましても、国際テロ根絶への取り組みに積極的かつ主体的に寄与してまいります。さらに、これまで自衛隊は世界各地において多様な国際平和協力業務を実施し、現在も中東のゴラン高原と東ティモールに部隊等を派遣いたしております。今後とも、国連を中心とした国際平和のための努力に積極的に貢献してまいります。
最後に、国民の信頼を得ることが自衛隊にとって喫緊の課題であります。信頼はただ口で唱えるだけではなく、懸命に諸課題に取り組んでいくことで初めて得ることができると考えております。私は、防衛庁・自衛隊は国民の生命、安全を守る最後のとりでであるがゆえに最も信頼を集める組織でなければならないとの考えのもと、信頼の確立に取り組んでまいります。
一分一秒が真剣勝負であるという思いのもとに、全力で職務に邁進する所存でございますので、委員長を初め委員各位におかれましては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
—————————————