大脇雅子の発言 (憲法調査会)
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○大脇雅子君 私は、EUとフランスの調査に参加させていただきました。
非常に興味深く刺激的で、各国の特色というものに憲法改正問題を重ね合わせるとき、その国の歴史的な経過とかあるいは現状というものに十分なまなざしを射なければならないというふうに思いました。
三点について、お話というか報告をさせていただきます。
まず、EUに憲法ができるか、EU憲法ができるかということについては、現在、御報告にもありましたように、欧州の将来に関するコンベンションの設置とかヴェニス委員会とか、様々な機関において議論されておりまして、結局は将来はできるであろうという見通しが大方としてあったのではないかというのが私の感触であります。
その場合、現在、欧州基本憲章がございますが、これには法的拘束力がないということで、欧州参加国における各国憲法の社会権というものもそれに統合し、あるいは人権条約というものを統合して、将来そういう流れになるのではないかと。経済的な統合が成功いたしましたが、更に社会的な統合に向けて健康や公衆衛生、教育、文化、スポーツ等の幅広い分野での交流が現在進んでいるように感じました。
私の第二の興味というのは、EU指令というものがございまして、欧州基本憲章も始め各国における権利のレベルというか法律のレベルが非常に高いということ。人権保障概念などを見てもそのように感じてきたものですから、果たしてどういうところでEUの立法ができるのだろうかということでございました。
どうしても、私どもはモンテスキューの三権分立ということを頭に置いてEUの問題を分析しようと思っていたんですが、結局、モンテスキューの三権分立ではなくて、それぞれの新しい実験としてEUの統合は果たされているんだと。
したがって、EUの閣僚会議というものがございまして、これは政府の代表が入っております。そして、EU議会というのがありまして、これは各国から選出されますけれども、政治グループ別に活動をしています。それから、EU理事会という執行機関がございまして、これが非常に大きな権限を持っておりますけれども、この三者がそれぞれ相互チェックをいたしまして、立法などは三回の審議を行って、欧州議会によってEU理事会が提案された法案は修正されていくということを知りまして、これは新しい挑戦というか、試みであるということを実感いたしました。
そして、EUの統合それ自身が多元的な社会を作るという、そういうことでございまして、防衛は別、将来的にはそれも含むのかもしれませんが、人権とか民主主義とか法の支配というものを背景にした一つの大きな実験というものに非常に興味を持ちました。
その中で、移民問題というものについて私は興味を持ちました。
それで、移民問題については、合法移民と不法移民があるわけですけれども、不法移民の発生始め移民問題というのは貧困と闘うことだというような基本認識がございまして、各国において今様々なナショナリズムの傾向がありますけれども、EUそれ自身は、今この移民問題を中心にEU理事会は取り組んでいるという話でございました。
そして、最大の関心事というのは、進んでいるなと思ったのは、いわゆる不法移民というものを、貧しい人々ということで不法移民に対して人権が侵害されないようにということが非常に大きな関心事として取り組まれているということであります。
で、不法移民は出身国の貧困の人たちであって、基本的人権が保障されていないんだと。そして、不法移民の移動の中でオーガナイズされたそのシステムというものが腐敗しているということが問題だと。そして、受入れ国ではその不法移民が存在しないというような形での取扱いがなされているけれども、今その救済機関としては最低の生存権の枠組みというものはあるんだというお話でありました。
で、その最低の生存権というのは、移民のこの教育権、病気への緊急アクセス、そして適切な居住へのアクセス、そして人間の尊厳を損なわないシステムというものが最低限不法移民に今問題があるということの話を聞きましたことが非常に興味深くありました。
以上でございます。