高野博師の発言 (憲法調査会)

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○高野博師君 私は、これまでの人権関係の議論とは若干離れますが、北朝鮮の憲法についてちょっとお話ししたいと思うんですが。
 そもそも憲法が北朝鮮にあるのかなと思いましたら、物すごい立派な憲法がありまして、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法というのがありまして、百六十六条ありまして、憲法改正も何回かやっておりまして、中身を見ますと、立派な社会主義ということで、人間中心の社会制度を作るとか、あるいは外国人の権利、利益を保障する、あるいは自主とか平和、親善、これは外交の基本方針だと、人民の物質文化生活を絶えず高めることをその最高原則とするとか、あるいは農村文化住宅を国家負担で建設すると、こういうことも書いてありまして、また、労働時間は憲法で八時間と、一日八時間と、こういう規定もありまして、これを読む限りはすばらしい国に違いないと、正に地上の楽園という印象を持つんではないか。もし憲法だけこれ見せられたら、これはもう大変すごい国だということになるかと思うんですが、実態はもう全然違うわけでありまして、現実と憲法がこれほど懸け離れてほとんど憲法が意味がないという状況で、人権の侵害、あるいは二十万人を超す強制収容所に入っている問題、外国人の保護どころか拉致をしているという、こういう現実があるんですが。
 この憲法の中で一つだけ問題になるのは、国防委員会の規定がありまして、この憲法の百条に、国防委員会は国家主権の最高軍事指導機関であり、全般的国防管理機関であるという規定があって、百三条では、国の戦時状態及び動員令を宣布すると、こういう権限を国防委員会が持っている。正にこの規定によってほかの憲法規定はほとんど無意味にできると。今の軍事独裁体制というものがここに根拠を置いているということが分かりまして、北朝鮮の国民というか人民も憲法の存在すら恐らく知らないんではないかなと、そう思うわけですが。
 私は、北朝鮮の問題、特に人権の問題については、今イラクの核の査察、生物化学兵器の査察等がありますが、やはり人権の査察ということは国際機関を通じてやる必要があるんではないか。この地球上で今恐らく人権が最も侵害されているというのは隣の北朝鮮ではないかなと、そういうふうに思っておりまして、我々日本人としても人権意識というのが余り高くはないんではないかと、北朝鮮を人権という観点からとらえるという視点が若干弱かったのではないかなという私は個人的な印象を持っております。
 そこで、若干飛躍があるかもしれませんが、我々は日本国憲法についてはほとんど普通は意識していない。大学の憲法の授業で初めて日本国憲法を読んだぐらいの程度で、国家の基本法というのをほとんど学ぶ機会がない。国家とか社会あるいは個人、どういう社会を目指しているのかという意識がほとんどないんではないか。そういう意味では、民主主義とは何かとか、人権とは何かとか、自由とは、平等はと、こういう教育をきちんとやるべきではないかというふうに思っておりまして、私は、人権教育、あるいは更に言えば平和教育、民主教育、環境教育と、こういうものをきちんと日本は教育の中に組み入れる必要があるんではないかというふうに思います。
 若干北朝鮮との飛躍がありますが、人権という点では私はここを強調しておきたいと思います。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 高野博師

speaker_id: 15245

日付: 2002-12-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会