舛添要一の発言 (憲法調査会)
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○舛添要一君 まず第一点は、これは実を言いますと、地域によっても差別の問題は非常に違いまして、私の父親がこういうことをやっていたときは北九州であります。
官営の八幡製鉄所がありまして、筑豊炭田を背後に控えています。釜山を始め朝鮮半島はすぐ近くです。関西の方に出稼ぎに来た朝鮮人の人たちは、まず行った先が被差別部落の出身の方がおられるようなところに同居するような形で、最初から差別構造に組み込まれていきました。しかし、北九州の場合は比較的、日本全国から日本人も出稼ぎに出てきたような面がありますので、関西に比べれば差別意識は非常に少なかったかと思います。当時、北九州という町は門司、小倉、八幡、若松、戸畑、この五つの市から成っていましたけれども、こういうところの市会議員に何人も当選しております。それから、東京の深川では朴春琴という方が国会議員として当選しております。
したがって、現実にそういう条件があったわけで、どうしても普選の時代から後の戦争中の強制連行という話が入るものですから、みんな色眼鏡を掛けて見るんですけれども、当時はむしろ移民と同じ自由な労働移民というふうに見た方がいいのではないかというそういう問題提起をなさる方が日本人の学者にも在日韓国人の学者にもいますけれども、そういうことを言うと何かすぐ反動だというようなことを言われることがあるんですけれども、やっと自由な研究ができるようになったかなと。
だから、私は、過去の不幸なことがありますけれども、例えば発展途上国、特にアフリカからヨーロッパに労働移民、戦後たくさん来ましたけれども、それとある意味では同じような形で見た方がいいのではないかと。そうすると、例えばドイツでトルコの問題を考えても、今第三世代まで来ています。在日三世というのは実は第三世代の話であって、そこにおけるいろんな移民政策とか外国人の人権の問題というのは日本が特殊であるのではなくて、むしろ世界共通の問題として、先ほど民主党の江田さんの方から世界人権宣言の絡みとか、それから共産党の吉岡先生からも同じような話がありましたけれども、そういう共通のくくりをして話をした方が、より普遍的な基本的人権概念が出てくるのではないかなと、そういうふうな気がしています。
それから、したがって帝国臣民、これは変な話なんですけれども、朝鮮半島にいる朝鮮人の人たちはもちろん参政権とか被参政権ないわけですね。ところが、日本に労働移民で来た方々は、今申し上げたように、これは衆議院議員だと一年だけいればいいんです、同じ住所に。地方議員の方が難しくて、二年以上いれば、その要件だけで、納税要件すらなくて、これは男性だけですけれども、これは日本人だって男性だけしか選挙権なかったわけですから。そういう状況であったわけです。
それで、帰化要件の前に三番目の御質問にお答えしますと、実を言いますと、敗戦の前後は非常な大混乱がありまして、今申し上げましたように、一時期は日本人と同じような参政権を与えられたにもかかわらず、ポツダム宣言の受諾によって占領が始まりましたら、在日朝鮮・台湾人、そういう方々が日本国籍を一時的に喪失することになってしまうわけです。そうすると、何人でもなくなって何の法律の庇護もなくなってくる、これをどうするんだということで、これを戸籍法の適用を受けざる者の選挙権及び被選挙権は当分の間これを停止するということで、対応が非常に、判断に困って、そのときの国会でもこの問題を取り上げた方がおられるんですけれども。細かい詳細はまた後ほど、私が書いたものがありますからお知らせいたしますけれども、大変な混乱がございます。
そして、この問題をみんなで考えるというより戦争に負けてどうして生き残っていくかということが精一杯で、在日朝鮮・台湾人の人たちのことを考える余裕がなかった。これで、例えば朝鮮半島に戻った方はそこでそちらの国籍になるわけですけれども、日本に残った方々の権利が確定するまで数年掛かるというそういう状況でございました。
それから、二番目の御質問の帰化要件についてですけれども、私は諸外国と比べて決して日本の帰化要件が、何というか、簡単というか易しくないというふうに思っています。ですから、これから少子高齢化で労働力不足ということも景気が良くなれば出てくるわけでしょうから、ある程度帰化要件というのは緩めていいんではないか。
例えば、私はフランスに留学しておりましたけれども、フランスで国家博士号というのを取ったらフランス人になれるんです。つまり、フランスの大学でフランス語で論文を書いてフランス語で陳述をやって博士号を取れるぐらいのフランス語の能力のある人というのはフランス人になる権利があると。それから、フランス人と結婚したら、配偶者をフランス人にした場合も、これは簡単に帰化できます。
だから、例えば日本の大学で日本語で論文を書いて博士号を取るぐらいの能力のある方というのは、当然、日本の社会で生活できる能力があるわけですから、そういう方については帰化を非常に容易にすればいいと思います。
ただ、問題はむしろ在日の方々の方で、特に三世以上になると非常に難しいのは、帰化したいんだと言うんですけれども、しかしやっぱり祖国を失っちゃいけないというお父さん、おじいさんたちの世代のプレッシャーもあって非常に難しい。
ただ、今、在日の方々が結婚している配偶者は七割から八割は日本人です。したがって、これはあと二世代ぐらいになるともうほぼ在日の方々はいなくなる可能性があるので、ほっておけばそれは時間の問題ということもあるんですが、私は、むしろ日本人になっていただいた方が、基本的人権というか、いろんな日本国憲法で定められた権限というのは一〇〇%行使できますから、そうおなりくださいということを言っているんですけれども、我が日本社会の方にも非常なまだ差別構造が残っていますから、これは在日の方も努力していただく、私たちも努力していただく、そういう形でやっていけばというふうに思います。
ただ、今申し上げましたように、あと二世代ぐらいこの問題が解決しないとすれば、やはり例えばその地域における、これも住民参加、いろんなところで外国人に認めていますけれども、そういう試みはやってみて構わないだろうと思います。公権力の行使ができない、だけれども、例えば川崎はそうだったと思いますけれども、これは課長さんぐらいまではたしか在日の方でもなれるはずですし、公務員であっても就ける職種がどんどん拡大しております。こういうことの地道な積み重ねの上に新しい時代が開けるのかなと、そういうふうに思っています。
長くなって済みませんでした。研究した内容を話そうと思うと長くなるので、大変失礼いたしました。