吉村英祐の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○参考人(吉村英祐君) 大変難しい御質問をいただきました。
 実は、この論文を書いてからもう既に五年ぐらいたっていまして、状況も変わって、当たっているところもあれば少し外れていますし、私自身も考えが少し揺れているところもありますが。
 まず、現在の東京の状況ですが、必ずしも私はあれは一極集中の加速にはなっていない。といいますのは、恐らくあそこに入ってくる企業は都内から入ってくるわけですね。そうすると、企業の移動が起こりまして、必ずどこかのビルが空くという、そのビルをどうするかというのが問題です。既にもうオフィスを住宅に変えるようなことも国の方で検討されているようです。これが二十年ほど前でしたら、もうそういう古いビルは取り壊したらいいということになっていましたが、今はそんな容易に建物を壊せる状況ではなくなってきています。要するに、今あるストックをどう活用していくかというのが本来の都市再生であるべきです。
 今の都市再生のプロジェクトが幾つかありますが、どれほど防災という視点が入っているかどうか、その建物単体の安全性というのは考えられていると思いますが、それを造ることで東京全体の安全性が上がるならまだしも、かえって危険性を増すのか、そういう評価は恐らくされていないと思います。
 それから、汐留の方も、これは少し視点が違いますが、土地が切り売りされてしまっていますので、隣のことはお構いなしに建てている感じがします。そうすると、これも同じく、個々は安全でもあれだけ集まると本当に集まっても安全なのかとかいうのはほとんどないです。これはもう民間にすべて任せますとどうしてもそういう限界が出てきますので、今の華やかなプロジェクトは一極集中に必ずしも貢献していない、今は分からないんですが、数年後には、再開発のところはいいけれども、そのしわ寄せが必ずどこかに来るということで、あるいは本当に思いどおり企業間の移動が起こるかということもあります。埋まり切るかという心配もあります。
 もう一つの方の御質問ですが、最初に少し申し上げましたが、やはり私は人の問題が大事です。一番まずいと思いますのは、政治的空白が長く続くということです。そのためにも、すべて東京内でバックアップを作ろうということ自体がそもそも難しいんではないかということで、そうしますと、例えば大阪とか、大阪に限りませんが、他の、非常時にどういうシステムにするかということをもっと考えないと、どうもハード中心の議論になっているような気がします。

発言情報

speech_id: 115514298X00220021120_012

発言者: 吉村英祐

speaker_id: 493

日付: 2002-11-20

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会