吉村英祐の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)
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○参考人(吉村英祐君) 保坂先生も含め大変皆さんよく勉強されていて、非常に重要なことを聞かれて答弁に大変困るところですが、今の私の考えを申し上げます。
まず第一点目の、阪神・淡路大震災のことを予測していたかということであります。
私自身はもちろん予測はしておりませんでした。しかし、その後調べてみますと、地震の専門家ははっきりと予測しておりました。一九七〇年代の神戸新聞の一面に、神戸に大きな地震が来るというのがトップに出ておりました。しかし、行政はそれに乗ってこなかったわけです。
神戸市は歴史的に水害が多かったところであります。阪神大水害というのもありました。神戸の方々は災害というと水害を思い出されます。したがいまして、神戸市の地域防災計画、震災前の改訂版を見ますと、地震のことはほとんどと言っていいほど書いておりません。
しかし、神戸大学の室崎先生という防災の専門家がおられますが、室崎先生は神戸市の行政の委員会の一員として神戸にも地震が来るということを強く主張されていました。神戸市の地域防災計画は震度五を想定していたんですね。五と六はどう違うかというと、五では家は壊れないんです。六になると家が壊れるということで、六にすると行政は対策に非常にお金が掛かるわけです。これは後でお聞きしたんですが、震度六を想定すべきだと主張しても全く通らなかったということです。しかし、一般市民の方は、大学の先生何して、専門家は何をしていたんだというふうに取られているわけで、この誤解は今もほとんど解けていないと思います。
どこに地震が起きるかというのは、極論を言いますと、何年に一回かというのを問わなかったら日本じゅうどこでも起きるということがあります。ただし、例えば北関東ですと、同じ地震が起きましても震源地が深いというのがありますので、地図では震源地というふうに出ますが、恐らく震源が、地上から数十キロという深いところで発生しますが、神戸のときはもう直下で、本当に地下数キロで起きましたので、同じエネルギーでも被害が大きいと。それと、たまたま人が一番住んでいるところに断層があったということで。
東京も大きな、関東ローム層という分厚い地層がありますので、まだ見付かっていない断層がたくさんあると聞いておりますし、これは日本全国どこもそうだと思いますのでどこが安全かというのは難しいんですが、ただ、国家の視点から見ますと、災害というのは地震だけではありませんので、台風もあります。雪も大きな被害になります。それから洪水もあります。それから、今は少し薄れておりますが、海外からの侵略とかいう視点とかいろいろありますので、どこを安全とするか。
それから、首都だけを守るのはちょっと私はおかしいと思います。海外、アメリカとか旧ソ連ですと意図的に都市を分散しています。これは一か所やられてもほかは残るのでというふうに国全体のことを考えて議論しているんではないかと思いますので、どこが安全かというのは大変難しい。
地震からだけですと、北海道の北の端が一番地震リスクが少ないということになりますが、ほかの視点を入れますと、例えば、冬場どれだけ活動できるかとか、あるいは、首都には必ず大きな空港が必要です。そういうのが造れるかとか、その空港が年間何日稼働するかとかいう視点も大事です。
そうしますと、東京の集中は、日本列島を上下逆にしますと、東京は実は日本のほぼ中心なんです、北海道の面積も大きいですから。だから、あそこに集中するのはある意味で必然もあるのかなという気はしていますが、それをどう分散するかというのは今の経済システムが続く限り無理で、こういう言い方していいのかどうか分かりませんが、一度大きな地震に遭わないと私はもう分かってもらえないんではないかというのが正直なところです。
以上です。