松宮勲の発言 (外務委員会)
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○松宮委員 今大臣おっしゃられましたように、確かに今回の三者協議、日本側から見ましても、あるいは国際社会から見ましても、肯定的な要素というのも含まれているかに私も感じるところでありますが、しかし、繰り返しでございますが、かねてより一、二個の核兵器は持っているんではないかという揣摩憶測なりあるいはアメリカの高官からはそういう指摘がなされていたわけでございますが、これが正式に、まあささやく形だということのようではございますが、北朝鮮側から公言されたということ。
さらには、あってはならない、八千本かどうかわかりませんが、使用済みの核燃料の再処理プロセスをもう完了したという大変な発言というのは、私は、これは国際社会に対するやはり重大な挑戦であり、相変わらず、かの国は瀬戸際外交、火遊びを続けている。イラク問題というのをどういう受けとめ方で教訓として糧にしたのかどうかわかりませんが、依然として、少なくとも私から見ますと綱渡り外交をやっている。そういう中で、やはり日本にとってもこのことは大変なインパクトを持つわけでございます。
伝達手段としてのミサイルが、なお中長距離が開発途上にあるということを考えますと、現在公言されました核兵器の保有というのは、半島のもう一方の当事者でございます韓国はもちろんでありますが、日本にとってアメリカ以上に大変な一大事である。私は、アメリカよりは、ワシントンよりは、我々日本にとって大変大きな、重大な問題であるというふうに理解をしなければいけないということを痛感している次第でございます。
そういう中で、今大臣がもう一つおっしゃいました肯定的な評価として、北朝鮮側からある種の提案がなされたということでございます。
この提案、よくわかりません。ある特定のメディアはかなり詳しく、いろいろな取材源でまとめてわかりやすく報道をしておりますけれども、しかし、詳細は私どもには知るよすががございません。
しかし、北朝鮮側が何とか、やはり主として米国との対話を再開し、そして恐らく究極的には金正日体制の維持、さらには恐らく疲弊のきわみにあるであろう経済状況の回復、このためには何としてもやはりアメリカと話し合いをし、そしてしかるべきゲインを獲得しなければいけない、こういうことで北側は新しい、北側の表現ですと、寛大なる提案をしたというふうになっております。
この提案の中で、私どもは、新聞報道で見る限りでは、依然として一方的な北朝鮮側のひとりよがりの提案であろうと。主として四つのコンポーネントが新聞報道ではなされているわけでございますが、その中の一つとして、あるいは最終ステージかもわかりませんが、北朝鮮側と米国及び日本との国交回復、これが核の廃棄の前提になる。
しかも、その核の廃棄というのは、既に保有していると公言した一、二個ないし数個の核の廃棄も含むのか、あるいは核開発計画を凍結する、あるいはかつて一九九四年の米朝枠組み合意で合意されましたような核関連施設、寧辺の施設の解体等も含むものかどうかについては、これからなお慎重に見きわめなくちゃいけないということで、まだファクトファインディングもできていないんだと思います。
いずれにしましても、日朝国交回復というのが、米朝国交回復と同列に、条件としてどうやら並べられているようであります。そこが、私どもにとっては、先ほど申しました日本にとっての安全保障問題、北朝鮮が初めて公に核兵器を保有しているということを言明した、さらには、それを十分に裏づけるに値する高濃度プルトニウムの抽出作業も完了しているということ、あるいは日本には御案内のような拉致問題という、アメリカや中国や、韓国はともかくとして、主要なプレーヤーにはない非常に頭の痛い大きな問題を抱えているわけでございます。
さらには、核の伝達手段としての中長距離ミサイル問題はともかくといたしまして、既にノドンという明らかに日本列島のかなりの部分を射程距離に置いた伝達手段というのが、これはまだ核搭載できるかどうかということについては大いに疑問があるし、まず今の段階では不可能だろうとも言われているわけでございますが、ノドンが既に百基、最近になったら百数十基配置されているというような問題もあるわけでございます。
つまり、同じ朝鮮半島の北の問題を解決するに当たっても、今初めて肯定的に評価すべきである米朝中の協議の体制がスタートしたばかりでありますし、私どもも、これが引き続き粘り強く継続して、北東アジアの安全保障、ひいては日本の安全保障にぜひ資する方向で進んでいただきたいわけでありますけれども、しかし、この三者協議に入っておりますアメリカ、中国、北朝鮮自体がそれぞれ考えていることは、当然国益をむき出しにした闘いでありますから、これは当たり前であると。そういう中で、日本、韓国、アメリカの連携が大事であるということも外務省は既に指摘されているところでありまして、私もまことにそうだと思います。
同時に、しかし大事なことは、日本独自に、やはり総理が昨年九月に訪朝されたときに出されました平壌宣言に基づいて、日本独自の問題、先ほど触れさせていただきました拉致問題とか、あるいは、ノドンという言葉は明示的には出てきておりませんが、明らかにアメリカには関係のない、日本、ひょっとしたら中国も潜在的なターゲットかもわかりませんが、ノドンというミサイルを持っているという我が国独自の安全保障問題、あるいは主権侵害に照らしての対応が私どもは必要だろうと思います。
つまり、要約いたしますと、北朝鮮問題、核兵器を保有している等々の発言で新たなステージに入ったこの厄介な問題に対して、私どもは三つのアプローチが必要だと思います。
一つは、日本独自の粘り強い強力な働きかけをしなければいけないということ。
それから、日米韓の協議、できるならばそれにプラス中国も含めた協議というのをそれぞれバイで、場合によっては三者ないし四者でやっていく必要があるだろう。とりわけ、今大臣が冒頭おっしゃいましたように、中国が場を提供して、形だけとはいえ三者協議がスタートしたということは、私は非常に意義のあることだろうと思っております。中国も北に対して大変な、いろいろな意味での非常にアンビバレントなフィーリングを持ちながらこの協議に参加した、一生懸命汗をかいた、これも私ども日本にとっても、北京との関係で北朝鮮問題解決に今まで以上に太い、したたかな対応をしなければいけないということを証左しているんだろうと思います。
三番目はマルチの場でございまして、時間があったらまた後ほど御質問させていただきたいと思いますが、国連安保理あるいは来るべきサミット等々マルチの場でこの問題というのを本格的に取り上げて、ごね得でない格好で、国際社会全体の共通のプラスに資するような格好での対応をしなければいけないということを、私ども日本は力強く主張していかなければいけないと思います。
以上、やや長々と申し上げましたが、こういうアプローチについて、今外務省としてどうお考えかをお聞かせいただきたいと思います。