藤島正之の発言 (憲法調査会)

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○藤島委員 私は、先ほど前原委員がお話しになりましたけれども、今回の米国のイラク攻撃に対する正当性の議論については非常に問題があるとまず思っておりますし、あるいは北朝鮮問題に絡んだ米国の行動に対する我が国のありよう、これに対しても全く賛同するものであります。そういったものを踏まえまして、私なりに意見を申し上げたいと思います。
 まず、国連の役割でございますけれども、二十世紀の政治は、多極から二極へ、そして一極への移行過程にあったと思います。しかし、少なくとも二十一世紀の初頭の間は、米国の優位あるいは指導性が完全に確立した、この一極体制が世界政治の形態として続くものであると思われます。米国がリーダーとなり、日本や欧州などの国がその支援をしたり牽制する、このような世界政治の中にあって、現在の国連とのあり方が問われることになっていくと思います。
 すなわち、国連の重みが問われるものであります。安保理のミドル6と言われる国にはどんな役割を果たすことができるのか、そういった問題が出てくると思います。我が国は常任理事国入りをして発言権を高めるべきである、こういった意見があるわけでありますが、現在のような対米追随オンリーというか一辺倒の政策しか考えない政府では、米国の票が二票にふえるということと同じになるような感じがしております。国連を見直して、主要八カ国ですか、G8を中心とする新たな組織をつくるべきだといったような極端な議論も出ておりますが、それも一つの考え方である、もう一回国連を再編成するという意味で、これも一つの考え方であるような気がいたします。
 この件に絡んで、今回との関係での国連の外交でございますけれども、我が国はこれまでも国連外交重視重視と言っておりますが、現実には本当にそういうふうに重視しているのかどうか、非常に疑わしいものがあると思います。例えば、国連の演説では、原口大使に、二回やっておるわけですけれども、本当に任せっ放しにしておるわけでありますけれども、こういう機会には外務大臣が直接出かけていって説明あるいは演説をするとか、そういったことも考える必要があったのではないかというふうに考えております。
 さて、イラクの問題でございますけれども、米国のイラク攻撃の正当性の問題ですけれども、これは先ほど前原委員からありましたように、私は大変疑問を持っているところでございます。
 米国は、今回の攻撃は自衛権の行使ではない、国連憲章に言う五十一条ではないと言っておりまして、決議六七八、六八七あるいは一四四一に求めており、我が国もこれに同調しておるわけですけれども、アナン国連事務総長はこれに大変否定的にはっきり言っておるわけです。またロシアもそう言っておるわけですが、我が国はもともと、この解釈に重大な疑問があるために新たな決議を求めてきたということではなかったのでしょうか。我が国は米国に同調する前にそのことをはっきり米国に言っておくべきだったと私は思います。これまでの決議は根拠にはならないということなんです。
 それと、今回の米国の攻撃は国際法上違法であるということなんです。この違法適法の問題は、実際、それではだれがどうやって決めるのか。結局、今回のように米国がこうやって決めて行動を起こすということであれば、本当に国連は機能を果たしていると言えるのかどうか、非常に疑問に思います。
 これに絡んで、我が国の態度でございますけれども、我が国政府はこれまで公式の場で、これは私が予算委員会の場で質問したのですけれども、外務大臣は、あいまいにしておくことが国益にかなうんだというふうにずっと言ってきたわけであります。つい最近に総理は、我が自由党の小沢党首に対して、状況を見ながら判断するとかあるいはその場の雰囲気で判断するといったことを言っておるわけですけれども、戦後、我が国が中小国であったころならともかく、世界第二の経済大国である我が国が本当にこのようなあいまいなことで許されるのかどうか、十分考えてみなければいけないと私は思います。
 それから次は、説明責任の問題でございますけれども、政府はこの問題に関して国民に対して本当に説明責任を果たしているんでしょうか。
 我が国は民主主義の国であります。重大な国の政治にかかわることに関しては、政府は国民にその結果だけではなくてプロセスの過程で説明する責任があると私は思います。しかるに、政府は、イラクが査察に全面的に協力していないからこのような結果になったと言うばかりであります。これだけでは説明責任を果たしているとは言えないと私は思います。我が国憲法の求める民主主義に反するのではないでしょうか。
 あえて言えば、私は、フランスとドイツは、ワルシャワ条約機構がなくなり、軍事的にもはや米国に頼る必要がないのに対して、我が国には北朝鮮問題があり、米国に頼る必要がある、頼らざるを得ない。あるいは、我が国は独立以来、日米安保で国の存立を維持しており、今後も対米関係は最重要視する必要がある。あるいは、今回の攻撃は各種の国連決議にかんがみて正当性がある。この点について私はそうは思いませんけれども、そういった説明を国民にすべきではなかったのではないでしょうか。
 さて、この件に関する新法の問題ですけれども、私は、有事法制の基本的な考え方については憲法にその基本的な部分が当然なければならないと思っておりますけれども、現在、我が国ではPKO法だとかテロ対策法とか周辺事態法とかいろいろありますけれども、私は、こういった既存の法を含め、全体的な恒久法を整備する必要がある、そのように思っております。これまでの政府のやり方のように、事が起こってからその都度法案をつくって審議していたのでは間に合わないというふうに思います。
 その中で、私は、自衛隊にかかわる部分については、他の覇権国の軍隊と同じ行動がとれるように、特に武器の使用に関してそういう必要があるということを強く申し添えておきたいと思います。
 最後に、北朝鮮問題との関係でございますけれども、これはまさに我が国の安全保障に直結する問題であると思います。
 まず、小泉総理の平壌宣言は全く失敗だったということであります。核問題にしてもミサイル開発問題にしても拉致問題にしても、ある意味で北朝鮮にだまされたと言えるのではないでしょうか。解決に向かうどころか、ますます急速に悪い方向に向かっていると思います。
 これらすべての問題について、私は、妥協することなく、特に食糧援助等は言語道断でありまして、経済制裁を含む、強気の姿勢を崩すことなく対応すべきであり、米韓と共同歩調をとり、国際世論づくりをし、ならず者国家である北朝鮮を世界から追放する努力を続ける必要があると思います。
 以上で終わります。

発言情報

speech_id: 115604184X00420030320_008

発言者: 藤島正之

speaker_id: 9825

日付: 2003-03-20

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会