大畠章宏の発言 (憲法調査会)

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○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 私も、この憲法調査会で、こういう状況でありますから、一言発言をさせていただきたいと考えるわけであります。
 きょうは、中曽根先生がおいでにならなくなってしまったんですが、おいでになれば、総理経験者として、今回の小泉総理の行動についてどう考えておられるかということを伺いたかったんです。一つは、日本国の総理としてのこのたびの行動という視点、もう一つは、国連憲章というものを私たちはどう受けとめるかという視点、三つ目には、森岡委員からも先ほど御指摘がございましたけれども、そのことについて発言をさせていただきます。
 一つは、総理の行動でございますけれども、日本国の総理が、このような状況の中で一つの決断をする、決断はしなければならないんでしょう、しかし、同時刻に衆議院の本会議が開かれている、その開かれている同じ時間に記者会見で発言を開始するというその行動そのものが、私は、理解しがたいと考えているところであります。
 国民の八割が、今回のこのアメリカの行動に対しては懐疑的であるということもありますし、もちろん、先ほどからお話がありましたように、憲法調査会の中で、どのような日本をつくるか、どのような未来の日本の国をつくるかという論議をしているさなかでありますが、私たちが考えなければならない基本的な視点は、現在の日本国憲法であります。これについては既に何人の方からかお話がございますが、いずれにしても、あの大戦を経て、昭和二十二年の五月三日に施行されるということで、当時の吉田内閣総理大臣が中心となってこの日本国憲法をつくったわけでありますが、この憲法の理念からしますと、果たして、アメリカの行動というものを日本の総理大臣が支持をするという発言ができるかどうかなんですね。
 いずれにしても、そういうことから考えますと、非常に疑問であります。少なくとも、憲法九条というものがあり、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」ということにもなっているわけでありまして、そういう意味からしますと、日本国の総理として、支持をするという発言はできないんじゃないか。同時に、残念ながら、これまでの平和主義あるいは国連中心主義というものも放棄したと言わざるを得ないと私は考えるわけであります。
 二点目は、国連憲章の問題でありますが、この国連憲章の前文を見ますと、戦勝国のつくったチームといえばチームでありますが、しかし、彼らは彼らで、やはり反省もしておるんですね。我々の一生のうち二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨禍から将来の世代を救いということから、反省をし、もしも戦闘行為を行うときには、この国連の安保理の中で合意をした上でやろうということを決めたわけなんですね。しかし、今回、この安保理の中でどうも賛成が得られないということで、その合意なしに、アメリカ、イギリスを中心として武力行使を行おうとしているわけでありますが、このこと自体、一体、私たちは何を基軸に物を考えたらいいのかということが非常にあいまいになり始めている。
 もう一つ、日米安保条約の話が出ましたけれども、第五条に、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和」云々ということで、これも、日米安保条約があるからアメリカを支持しなきゃならないということは当たらないと私は思うわけであります。
 いずれにしても、先ほどの森岡さんの話に答えるとすれば、日本国として、少なくても、国連で合意できる手法を模索するということをやはり当然主張するのが、さきの大戦あるいは国連憲章あるいは日本国憲法というものをもとに考えれば、そのようなことを主張すべきであろうと私は思うわけでありますし、フランスの外務省の関係筋がいわく、殺りくと戦いを繰り返してきたヨーロッパの歴史からのメッセージとして今回のアメリカの行動は賛成するわけにはいかないというメッセージがありましたが、そういうものを踏まえて行動しなければならないと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 大畠章宏

speaker_id: 22351

日付: 2003-03-20

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会