首藤信彦の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)

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○首藤小委員 民主党の首藤信彦です。
 時間が限られておりますので、まず五十嵐参考人にお聞きして、それから森本参考人にまたお聞きしたいと思います。
 私、今政治家をやっておりますけれども、もともとは危機管理の研究者でありまして、こういう問題を十数年前にはやっておりました。それで、FEMAを日本に紹介した先駆者の一人だと思うんですが、やはり九〇年代になりますと、この問題が重要だということがわかりまして、経済企画庁でも、賢い人がいて、安全で安心できる社会ということで、経済企画庁でも調査をやりました。
 そのとき私が副主査でやりまして、災害想定なんというのも、例えば高速道路の上には車が走っていない、走っていても地震でも壊れない、壊れてもガソリンが流れ出ない、ガソリンが流れ出ても火がつかないというばかな想定をしておりまして、大地震が起こっても東京で七人しか死なないとか、そういうような話をしていたんです。しかし、ちょっと研究してみれば、日本の都市部で地震が起こったら、もう膨大な死者が出て、しかも死者が何日も何日も出続けるということがすぐわかったわけなんですね。
 そのときにどう対応しようかということで、もう当然のことながら、日本版FEMAをつくれとか、九〇年代の初頭に盛んに言っていたわけですが、まだ全然そういうことにならないんですね。なぜならないかの一つの大きな問題というのは、やはり憲法との問題が非常にありまして、ともかく憲法というのは、最後に変えていくものではなくて、緊急事態法制をしようとすると、一番最初の入り口でひっかかってしまう。
 例えば、日本にはドイツのように住居法、住宅法というものがなくて、住宅はこういうものですよという定義がない。ドイツだったら、例えば阪神大震災で問題になった長田地区みたいなのは、救急車が入れない、消防車が入れない町は、町とみなさない、家とみなさないと。ですから、ドイツではその当時、そういうものをつぶして公園にしたり道路にしたりしていたわけですね。そうしますと、結局何が問題かというと、一番最初の段階から、もう既にドイツでもそうでしたけれども、憲法と抵触してくる、私的財産権とも抵触してくるわけですね。
 それから、同じように、もう一つの場合は、火事になったら救急自動車が入れなくてたくさん人が死ぬんだから、ここは住宅ではありません、だから出ていってください、家は壊しますというのは、予防的な考え方なんですね。ということは、要するに予防法理といいますか、将来こういうことになるかもしれないから、あなたは、ここはだめよという私権の制限をしなきゃいけない。
 そういうことを考えますと、この緊急事態法制というのは、今までの法制の法理をもう百八十度変えて、最初からつくらなきゃいけない。そういうものは実際できないわけであります。したがって、十年たっても二十年たっても、FEMAが出てきてからもう随分になりますけれども、絶対に日本では日本版FEMAは出てこないわけですね。
 ですから、そういうものに関して、例えば五十嵐参考人だったら、もう本当に、緊急事態法制を御提言されておりますけれども、それだったら、一番最初のページから憲法改正を声高に叫ばないとできないんじゃないかと思うんですけれども、御意見はいかがでしょうか。

発言情報

speech_id: 115604185X00120030206_014

発言者: 首藤信彦

speaker_id: 27368

日付: 2003-02-06

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会