小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 山崎自民党幹事長にお答えします。
激励を込めた御質問、ありがとうございます。
構造改革を推進していく決意についてでございます。
私の構造改革に対する決意は、いささかも揺らいでおりません。改革は道半ばでありますが、今後、即効薬あるいは万能薬はないとは思いますが、金融、税制、歳出、規制、これらの改革を着実に進めることによって、持続可能な成長軌道、民間主導の成長路線に持っていきたいと思います。
我が国には、現在、高い技術力、豊富な個人資産、社会の安定など、経済発展を支える大きな基盤が存在しております。悲観主義に陥ることなく、新しい挑戦に向かって我々は頑張っていかなきゃならないと思います。こうした潜在力を顕在化させるための改革がいわゆる構造改革であるということを御理解していただくために、今後とも努力していきたいと思います。(拍手)
経済活性化に向けた歳出構造改革についてでございます。
経済活性化や将来の発展につながる分野へ限られた財政資源をいかに重点配分するか、これは最も重要な現在の課題であります。こうした課題につきまして、平成十五年度予算におきましては、予算配分の重点化、効率化を行うこととしたところであります。
具体的には、公共投資の重点配分、雇用・中小企業対策などのセーフティーネット構築を図るとともに、将来の発展につながる分野への重点配分や、総合科学技術会議による優先順位づけを踏まえた科学技術予算への大胆な再配分を行うこととしているところであります。
政府としては、今後とも、負担に値する質の高い小さな政府を実現するため、郵政改革、道路公団改革など、公的部門の見直しを進めるとともに、真に必要な分野に予算の配分を集中するなど、歳出改革を加速してまいりたいと思います。
デフレ克服のための政策でございます。
できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日本銀行と一体となって強力かつ総合的な取り組みを実施していく必要があると考えております。
十五年度予算におきましては、厳しい財政状況の中、雇用の創出や将来の発展の基盤となる分野に重点配分を行うとともに、国、地方合わせて一兆八千億円の減税を先行させるなど、経済活性化に向けて、先般成立した十四年度補正予算とあわせ、両年度を通じて切れ目ない対応を図ることとしております。このため、十五年度予算、税制改正関連法案の早期成立を切にお願いしたいと思います。
また、金融再生プログラムを着実に実施することにより、強固な金融システムを構築していくほか、金融危機の阻止には、日本銀行とも協力して万全を期してまいります。
金融政策につきましては、日本銀行においても、量的緩和政策を継続するなど、これまでもデフレ克服に向けさまざまな努力をしてきたところであり、さらに実効性ある金融政策の運営を行っていただけるよう期待しております。
産業再生機構についてです。
再生の可能性があるにもかかわらず、債権者間の利害調整が困難である等の理由で民間だけでは再生が進まない企業に対し、産業再生機構は、金融機関からの債権の買い取り等を通じて再生を支援するものであります。政府保証等、政府からの支援を受けつつ、民間の英知と活力を最大限に生かして、産業の再生と不良債権の処理を促進していくこととしております。
規制改革の推進についてであります。
規制改革は、不必要な規制を撤廃することなどを通じ、民間活力を最大限に引き出し、新規需要や雇用を創出するとともに、サービスなどについて多様な選択肢が確保された豊かな国民生活を実現する観点からも、重要な課題と認識しております。
構造改革特区については、四月に第一号を誕生させるとともに、第二次提案募集で寄せられた構造改革にかける地方や民間の熱意を真摯に受けとめ、教育分野への株式参入も含め、今後とも、規制改革の突破口として、そのさらなる充実を図ってまいります。
今後、私からも関係大臣に対し、実現するためにはどうすればいいかという方向で検討するよう強い指示を出しているところでありますし、また、全国的な規制改革につきましても、総合規制改革会議を積極的に活用し、経済財政諮問会議とも連携を図りつつ、引き続き推進していく考えでございます。
税制改革につきましては、あるべき税制の構築に向け、二十一世紀をリードする戦略分野の成長を支援する研究開発・設備投資減税の集中・重点化、中小企業の活力強化のための中小企業減税、次世代への資産移転の円滑化に資する相続税、贈与税の一体化措置の導入、貯蓄から投資への改革に資する金融・証券税制の軽減・簡素化等の改革を一体として講じることとしております。
税制改革は政府が取り組んでいる構造改革の柱の一つであり、今後も、あるべき税制の構築に向け、さまざまな課題について検討を深め、税制改革のさらなる推進を図ってまいりたいと考えております。
金融機関の不良債権処理に係る税制上の対応につきましては、銀行の自己資本の充実に関する金融行政及び企業会計制度を含む全体としての対応のあり方とあわせ、金融機関以外の企業の取り扱いや歳入面に与える影響なども考慮しつつ、検討を続けてまいりたいと考えております。
エネルギー問題の現状と原子力政策についてでございます。
資源に乏しい我が国は、エネルギーの供給に関し、安定供給の確保という課題に加え、地球環境面での対応が厳しく求められております。
政府としては、代替エネルギーの開発を進めるとともに、安定性にすぐれ、発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電について、安全の確保と国民の信頼の回復に全力で取り組み、原子力政策を推進してまいります。
社会保障制度全体の改革の方向性及び進め方についてのお尋ねであります。
急速な少子高齢化が進む我が国にあって、社会保障制度を将来にわたって持続可能で安定的なものとして維持していくことは、国民の将来に対する安心の確保につながるものと考えております。
このため、今後とも、給付と負担のあり方について正面から取り上げ、国民的な開かれた議論のもとに改革を継続してまいります。
年金改革の基本的考え方についてでございます。
公的年金については、国民の老後生活を確実に保障する役割を持続的に果たしていけるよう、長期的に安定した制度を確立することが不可欠であります。
このため、平成十六年に行う次期年金改正では、国民に開かれた形で幅広い観点から議論を進め、将来の現役世代の負担が過大にならないような制度づくりや、国民年金の未納・未加入者問題などに取り組み、国民の年金に対する不安を払拭するとともに、少子化等の進行に柔軟に対応でき、持続的に安定した制度づくりを行ってまいります。
少子化対策についてでございます。
少子化の進展は、今後、労働力の減少や地域社会の人口減などを通じて、我が国の社会経済に重大な影響を与えるものであり、少子化の流れを変えるための取り組みを進める必要があると考えております。
このため、従来の対策に加え、もう一段の施策の充実を図る観点から、昨年九月に、少子化対策プラスワンを取りまとめたところであります。
今後は、これを具体化するため、待機児童ゼロ作戦を引き続き推進するとともに、家庭、地域、企業が一体となり、計画的に次世代の育成を支援するための法案を提出します。
さらに、こうした次世代の育成支援をより効果的に推進するため、議員の御指摘を踏まえ、児童手当など子育て家庭への経済的支援、保育や地域の子育て支援などの福祉サービス、職場における働き方の見直しなどについて、総合的かつ効率的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
治安問題についてでございます。
御指摘のとおり、近年、凶悪事件が多発し、国民の多くが治安の悪化に不安を抱いており、刑務所などの過剰収容も深刻な事態になっております。
政府としては、警察、入管、刑務所など関係職員の増員や国際化に対応した教育の充実を含め、一層の体制強化に努めるとともに、施設、装備面の充実にも力を入れてまいります。
さらに、治安の悪化に対する不安の背景に、密入国や不法滞在の外国人による犯罪の多発が見られることから、入管、税関、海上保安庁を含めた、国境における取り締まりに関係する当局の機能を強化するとともに、連携の一層の向上を図り、国民の不安を解消してまいりたいと思います。
教育改革の理念や教育基本法の改正についてでございます。
教育立国を目指す我が国においては、教育改革の推進が国政上の最重要課題の一つであります。勇気を持って新しい時代に立ち向かう人間を育成するために、画一と受け身から自立と創造へと、教育のあり方を大きく転換してまいります。
このため、確かな学力と豊かな心の育成を目指した初等中等教育の改革、知の世紀を担うにふさわしい大学改革を進めるとともに、不登校児童の増加など新しい状況に対応した多様な教育機会の整備や、あすを担う人材が勉学の機会を失うことのないよう、奨学金制度の充実に努めてまいります。
教育の根本を定める教育基本法については、現在、中央教育審議会において検討が行われているところであり、今後、同審議会の答申を踏まえ、幅広く国民的な議論を深めながら、その見直しにしっかりと取り組んでまいります。
イラクの問題についてでございます。
イラクの大量破壊兵器をめぐる問題は国際社会全体への脅威であり、イラクが査察に全面的かつ積極的に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初め、関連する国連安保理決議を誠実に履行することが重要であります。
我が国としては、安保理を初め国際社会が協調して毅然たる態度を維持すべきとの考えのもと、査察の状況、安保理の議論等を踏まえ、イラクが誠実に決議を履行するよう、我が国としての外交努力を今後も継続してまいります。
北朝鮮問題についてでございます。
日朝平壌宣言にあるとおり、北東アジア地域の関係諸国間に相互信頼に基づく協力関係が構築され、将来に向け、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であります。
政府としては、アメリカ、韓国との連携を強化しつつ、安全保障上の問題や拉致問題についての北朝鮮の前向きな対応を強く求め、北朝鮮が国際社会の責任ある一員となることが北朝鮮にとっても利益になることを理解させるべく努力してまいります。
国際テロ根絶に向けての各国との協力についてでございます。
国境を越えたネットワークを有する国際テロの根絶のためには、国際社会が一致団結してあらゆる手段を講じることが重要であります。我が国としては、テロ対策特措法に基づく支援のほか、G8等多国間の枠組みを含め、テロ資金対策、テロ関連情報の収集など、諸外国との協力関係の強化等に引き続き主体的に取り組んでまいります。
我が国の安全保障に対する認識及び有事関連法案についてのお尋ねがありました。
米国の同時多発テロ、北朝鮮当局による武装工作船や拉致事件などは、現実の脅威として国民に大きな不安を与えていると考えます。
政府としては、こうしたさまざまな緊急事態に対処できるよう、態勢の整備に一層努めるとともに、特に、継続審査となっている有事関連法案については、国民の幅広い理解を得て、今国会における成立を期します。
中国及び韓国に対する外交の考え方でございます。
良好な日中・日韓関係は、アジアの、ひいては世界の安定と繁栄にとっても極めて重要であります。今後、中韓両国の新体制とも緊密な関係を構築し、中韓両国との間で、北朝鮮問題を含め、幅広い分野における友好協力関係をさらに発展させていきたいと考えております。(拍手)
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〔議長退席、副議長着席〕