小泉純一郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 神崎公明党代表にお答えいたします。
 友党としての御激励を賜り、まことにありがとうございます。
 構造改革への決意と展望、また、目指すべき成果についてのお尋ねでございます。
 私は、現在の経済停滞というのは、構造改革にも大きな問題があるのではないか、単なる景気循環ではないと考えまして、構造改革なくして成長なしという基本路線のもとに、いろいろな改革に取り組んでいるところであります。
 今後、これだという即効薬はありませんが、金融あるいは税制、歳出、規制、もろもろにわたる改革をなし遂げまして、将来、民間主導の持続的な経済成長路線に乗せていきたいと思っております。
 まず、大事なことは、個人なり企業なり、地域が持っている、いわば一人一人、一つ一つの企業、各地域が持っている潜在力をいかに発揮させるような環境を整えるか、それが大事だと思っております。
 私の改革はまだ道半ばでありますが、今後、成果が得られるように不断の努力を続けていきまして、国民の生活が希望の見えるような、また、現在出ているいろいろな経済指標につきましても、明るさが見えるような形に何とかしていきたいと思っております。私の改革に向けた決意は全く変わっておりません。
 また、何よりも大事なことは、だめだだめだという、日本人自身が悲観主義に陥ることであります。施政方針演説でも申し上げましたように、むしろ外国の方が、日本の潜在力に期待している。また、日本人の業績、日本人の企業、日本の持てる潜在力に高い評価をしている。こういうことにつきまして、余り悪い面ばかりを見ないで、いい面も、強い面も十分見て、悲観主義に陥ることなく、勇気と希望を持って改革に取り組む、それが大事だと思っております。(拍手)
 雇用対策への取り組みでございます。
 厳しい雇用失業情勢に対処し、国民の雇用面の不安を払拭することは、今後の改革を進める上においても最も重要な課題であると認識しております。
 このため、雇用対策に万全を期すことといたしまして、今般成立した平成十四年度補正予算及び十五年度予算におきまして、早期再就職支援策や雇用機会の創出対策などの十分な施策を盛り込んだところであります。
 政府としては、十四年度補正予算の円滑な執行を図り、十五年度予算とあわせ、切れ目のない対応を図ることが重要と考えておりまして、十五年度予算の速やかな成立をお願いする次第であります。
 公的資本増強行の中小企業向け貸し出しについてでございます。
 我が国経済の再生を図る上で、やる気と能力のある中小企業への円滑な資金供給を確保することは大変重要であります。
 このため、中小企業向け貸し出しが減少している公的資本増強行に対しては、金融庁において、必要に応じ業務改善命令を発出するなど厳正に対処し、目標達成に向けた取り組み努力を促しているところであります。
 中小企業対策についてでございます。
 厳しい経済環境の中で、やる気と能力のある中小企業はまだまだたくさんあります。この中小企業の資金繰りを円滑化するために、金融セーフティーネット対策に万全を期してまいりたいと思います。
 また、中小企業の新規創業や新事業展開への果敢な挑戦に対して、資金確保、技術開発、人材育成等の支援策を強化してまいります。
 日本銀行との関係でございます。
 経済財政運営の重要課題でありますデフレ克服のために、金融面を含め総合的な対応が重要であるという御指摘は、全く同感であります。
 このため、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日銀と一体となって総合的な取り組みを実施していく必要があると考えます。日本銀行におきましては、さらに実効性ある金融政策運営を行っていただけるよう期待しております。
 いずれにしても、日銀とは、その独立性を尊重しつつ、今後とも、経済財政諮問会議のほか、さまざまなレベルにおいて意見交換を行い、連携をとっていきたいと思います。
 教育特区を含め、地域から出された特区構想の実現に向けた問題についてでございます。
 構造改革特区は、地域の特性に応じた規制の特例措置を導入し、それぞれの地方が知恵と工夫の競争による活性化を目指すことにより、民間活力を最大限に引き出し、経済社会の活性化につなげようとするものであります。
 今回の第二次募集では、さまざまな地域や民間から六百を超える提案があり、特に教育の分野においては、学校設置主体を株式会社に拡大するなど、多くの提案がなされております。このような構造改革にかける地方や民間の熱意を真摯に受けとめ、規制改革の突破口としての構造改革特区のさらなる充実を図ってまいります。
 このため、関係大臣に対し、実現するためにはどうすればいいかという方向で検討するよう強い指示を出しているところであり、教育特区については、地域や子供の実情に即したよりよい教育を目指し、可能な限りの実現を図ってまいります。
 日本の持つ潜在力を掘り起こす国家戦略を策定してはどうかとの御提案であります。
 日本の持つ技術、伝統、自然、文化芸術など、大きな潜在力を有効に生かし、経済社会の活性化を図るべきとの神崎代表の考え方にも、私は全く同感であります。
 このような観点から、政府としては、科学技術創造立国の実現に向け、平成十五年度の一般歳出全体を厳しく抑制する中で、対前年比三・九%増の科学技術振興予算を措置したほか、今般の税制改正において、一兆二千億円に上る研究開発・投資減税を行うなど、研究開発を重点的に支援していくとともに、訪日外国人旅行者数を二〇一〇年に倍増させることを目標として、ことし一月に観光立国懇談会を立ち上げ、観光の振興にも一歩踏み込んだ取り組みを進めることとしているところであります。
 また、ごみゼロ社会の実現や脱温暖化社会、自然と共生する社会の実現に向け、リサイクルの推進、不法投棄の一掃のための仕組みの整備、燃料電池車の普及拡大などに積極的に取り組んでいるところであります。
 さらに、スポーツや文化芸術等、幅広い分野で国民が世界の中で一層活躍し貢献できるよう、トップレベルの担い手育成や国際交流の推進など、その振興にも取り組んでいるところであります。
 今後とも、公明党を含め、さまざまな御意見、御提言を踏まえながら、我が国の持つ大きな潜在力が発揮されるような取り組みを政府一体となって総合的に進めてまいります。
 高齢社会対策についてでございます。
 高齢者がいつまでも健康で心の豊かさや生きがいを充足できるようなさまざまな条件整備を図っていくことは、極めて重要な課題であります。
 政府としては、だれもが長生きしてよかったと誇りを持って実感できる社会を目指し、疾病の予防に重点を置いた健康づくりの推進、就労やボランティア活動などの高齢者の社会参加促進や生涯学習の基盤整備など、高齢社会対策を総合的に推進してまいります。
 米政策の改革についてでございます。
 今般の米政策の改革は、食生活の変化に伴う消費の減少に生産構造などが対応し切れていない状況を打開し、需要に応じた米の生産、流通を実現するため、生産調整システムだけでなく、生産構造及び流通体制の改革も含め、米政策を市場重視、消費者重視の考え方に立って再構築し、水田農業の未来を切り開こうとするものであります。
 改革の実行については、十分な準備期間を設けることとしており、今後、関係者の理解と納得を得ながら、地域での話し合いを通じ、担い手の確保や農地集積などを進めてまいる考えであります。
 WTO農業交渉についてでございます。
 三月の交渉の大枠確立を控え、重要な段階となっております。我が国としては、WTO農業交渉については、EU等と連携し、食料安全保障、農業の多面的機能等の非貿易的関心事項を適切に反映するため、御指摘のような品目ごとの柔軟性の確保を初めとする我が国農業交渉提案の実現に向けて、政府一体となって全力を挙げて対処してまいります。
 政治と金の問題についてでございます。
 常に政治家が襟を正して当たらなければならない大事な問題であり、昨年、あっせん利得処罰法を改正強化するとともに、いわゆる官製談合防止法を制定したところであります。
 公共事業受注企業からの献金についても、現在、自民党において検討を進めております。電子入札の普及などを進めつつ、政治と金の問題について、一歩でも前進できるよう措置を講じたいと考えております。
 いわゆる天下り問題でございます。
 原因の一つと指摘されている早期退職慣行については、昨年末に、政府として是正の基本方針を取りまとめたところであります。
 また、公務員の営利企業への再就職については、大臣承認制の基準の策定や総合調整に関し、内閣が主体的に取り組んでいくこととしています。
 天下り問題については、今後とも、国民の信頼が得られるよう、公務員制度改革大綱に基づき、幅広く意見を聞きつつ取り組んでいく考えであります。
 イラク問題についてでございます。
 御指摘のとおり、イラクが査察に全面的かつ積極的に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初め、関連する国連安保理決議を誠実に履行することが重要であります。
 我が国としては、国際社会が協調して毅然たる態度を維持すべきとの考えのもと、イラクに対する申し入れや関係諸国との協議など、我が国としての外交努力を継続してまいります。
 北朝鮮問題への対処でございます。
 政府としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致問題や安全保障上の問題を含む諸懸案の解決を図っていく方針であり、引き続き、米韓を初めとする関係国と緊密に連携しながら、さまざまな機会をとらえ、北朝鮮側に問題の解決のための前向きな対応を求めていく考えであります。
 また、北朝鮮からの脱出者への対応の問題については、国内のさまざまな議論を踏まえ、関係者の身の安全、人道上の観点等の種々の観点を総合的に勘案しながら対処してまいります。
 新しい平和主義に基づく国際貢献を積極的に進めるべきとの御指摘がございました。
 御質問の国連待機制度への加入など、平和の定着及び国づくりのための国際協力については、昨年十二月に、国際平和協力懇談会が報告書を取りまとめております。我が国は、頻発する地域紛争に対し、国際平和への決意を具体的な行動に移すため、この報告書を踏まえつつ、平和の定着及び国づくりに積極的に取り組んでまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

発言情報

speech_id: 115605254X00520030203_021

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2003-02-03

院: 衆議院

会議名: 本会議