阿久津幸彦の発言 (本会議)

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○阿久津幸彦君 民主党の阿久津幸彦でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました、民主党提出の公共事業基本法案並びに内閣提出の社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 法案の質問に先立ち、緊迫度を増すイラク情勢について、総理の御見解を伺います。
 小泉総理、あなたは、イラク問題に対する我が国の行動、方針について、これまで一度も国民に明確な説明をされませんでした。そこで、総理や外務大臣等のあいまいな答弁から推測し得る事実関係を、改めて確認させていただきます。
 まず初めに、米英両国提出の国連決議案に小泉総理は賛成でしょうか、反対でしょうか。日本が、ODA等を通じて影響力のある国連安保理の非常任理事国に対して、新たな国連決議への支持取りつけに回っていたと報道されておりますので、賛成だと思われますが、念のため確認をさせていただきます。
 次に、米国が新たな国連決議なしにイラク攻撃に踏み切った場合、日本がその米国の行動を支持する可能性はあると考えてよいのでしょうか。
 さらに、今回、もしイラク攻撃が現実のものとなれば、日本の戦費負担は数兆円規模に達し、湾岸戦争時をはるかに上回るとも言われております。支持表明後の米国への協力について、戦費の一部を拠出する意思があるのかどうか、はっきりとお答えください。
 私がここで問題にしたいのは、総理の国民に対する説明責任の問題です。
 外交は、リアリズム、現実主義です。国民の生命財産を守るために、時にはつらい決断を迫られることもあるでしょう。だったら、説明すればいいじゃないですか。イラク攻撃への支持が本当に国益にかなうという信念をお持ちなら、なぜ、国民に対して堂々と説明しないのでしょうか。
 最近の世論調査では、国民に対する総理の説明が不十分であるという意見が九割近くに達しております。こうした国民の声を総理はどのように受けとめておられるのか、その考えをお聞かせください。
 中東和平等での貢献が認められ、ノーベル平和賞を受賞した元米国大統領のジミー・カーター氏は、在任中、イフ・アイ・ワー・ゴッド、イフ・アイ・ワー・ゴッドと、一日に何度も自問しながら決断をしたと言われます。
 総理、胸に手を当ててよく考えてみてください。私は、今からでも、日本の、小泉総理の決断次第では、イラク問題の平和的解決の道はまだ残っていると信じております。総理はこの点をどうお考えでしょうか。
 さて、今日、我が国の直面する最も重要な改革テーマの一つが、公共事業改革であります。
 高度経済成長、バブルとその崩壊、失われた十年を経て、ようやく私たち国民が日本経済の成熟化を認識した今、公共事業さえばらまけば景気がよくなるなどと本気で唱える政治家は、ほとんどいなくなりました。公共事業の費用が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることを考えれば、国民の求める公共事業が量より質に変わりつつあることは、当然であります。むしろ、環境、地方分権といった視点を十分に生かしながら、その内容と効率性をめぐり、与野党が真摯な議論を展開すべきであると考えます。
 我々民主党は、公共事業改革へ向け、一昨年の通常国会において、四本の議員立法を提出しました。すなわち、第一に、公共事業の従うべき原則を定めた公共事業基本法案、第二に、公共事業関係予算の段階的削減を定めた公共事業総量削減法案、第三に、ひもつき補助金の一括交付金化を定めた公共事業一括交付金法案、そして第四に、公共事業に環境保護の観点を取り込み、ダム事業の一時休止と森林整備を盛り込んだ緑のダム法案であります。
 このように、民主党は、政権交代を担い得る政党として、包括的な公共事業改革の構想を一連の法律の形で既に提示しております。
 このたび、政府・与党は、社会資本整備に関する法律案を提出しました。民主党の改革構想に対して、政府・与党から、ようやく対案が出されたわけであります。
 果たして、この法案は公共事業改革を求める国民の声や時代の要請にこたえる内容となっているのかどうか、民主党の法案と政府の法案のどちらが改革の名に値するものなのか、これらの点を明らかにするため、以下、小泉総理及び民主党法案提出者に対してお伺いします。
 まず初めに、小泉総理にお伺いします。
 今回提出された政府法案は、これまでの公共事業のあり方がもはや時代の要請にそぐわなくなってきている、そうした現状への反省から作成されたものと存じます。
 そこで、端的にお伺いしたいのですが、総理はこれからの公共事業のあるべき姿をそもそもどのようにお考えなのでしょうか。そのあるべき姿に照らして、現在の公共事業の最も根本的な問題点とは何なのでしょうか。そして、この法案が、総理が考える公共事業の時代の要請にどこまでこたえ得るものなのか。以上が第一の質問であります。
 第二の論点は、縦割り行政の問題であります。
 政府案を拝見して不思議に思うのは、事業一本化の範囲が国土交通省の所管する事業だけであるという点です。本来、効率化の観点から一本化するというのなら、全省庁の対象事業を一本化して、その配分に総理が主導性を発揮するべきです。それにもかかわらず、政府全体でなぜ一本化できないのか。この政府法案で縦割り行政の弊害が本当に除去できるのかどうか。総理及び民主党法案提出者に御見解を伺います。
 第三の論点は、本法案と地方分権との関係です。
 我々民主党は、結党以来、地方分権を我が国における最大の改革課題と位置づけてまいりました。公共事業改革は、地方分権社会を実現するための重要なステップです。国が財源と権限を握り、集権的、画一的にナショナルミニマムを実現する時代は、もう終わりました。地方がみずからの創意工夫と責任において、地元住民のニーズに合った公共事業を行う時代が来ています。
 具体的には、個別事業に対して自治体に補助金を出す、直轄事業でお金を出す、そういうやり方はやめるべきです。そして、個別の補助金にかえて、地方が裁量的に使える財源として一括交付金を交付する、また、国の事業を広域的な事業に限定するなど、地方分権の徹底が図られなければなりません。
 しかし、政府の法案では、計画作成時に「都道府県の意見を聴く」とあるだけで、権限と財源の移譲という地方分権の観点がほとんどないと言っても過言ではありません。総理は、公共事業と地方分権との関係をどのようにお考えなのか、公共事業を原則的に地域に任せるという考え方についてどうお考えですか。
 また、民主党法案提出者は、地方分権の理念を法案の中でどのように具体化しているのでしょうか。
 第四の論点は、道路特定財源の問題です。
 むだな公共事業の暴走に歯どめをかける上で象徴的な問題が、この道路特定財源の問題です。政府法案及び民主党法案では、道路特定財源の見直しをどのように行おうとしているのか、お伺いします。
 今回の政府法案では、なぜか、道路特定財源の見直しについて、実質的に全く触れられておりません。
 この点に関して、国土交通省の平成十五年度予算概要を見ますと、道路特定財源を「道路整備及び道路に密接に関連する事業に活用」するとあります。つまり、道路特定財源の使途の多様化を図ることがうたわれているわけですが、そこに示された活用例を見ると、地下鉄インフラ整備、住宅市街地整備、ディーゼル微粒子除去装置の導入支援、果ては、ETC車載器リース制度の創設、何でもござれです。私には、これらが「道路に密接に関連する事業」に当たるとは到底思えません。
 あかずの踏切対策程度ならまだしも、道路に使うから道路特定財源なのであって、ほかの目的に使うのなら、一般財源としてとっとと財務省へ回し、時代や社会の変化に合わせた使い方をすべきと考えますが、いかがでしょうか。将来的展望も含めて、道路特定財源の廃止、一般財源化についてお答えください。
 第五に、国民による公共事業のコントロールという問題であります。
 これまで公共事業の暴走を許してきた制度的な問題点の一つとして、社会資本の整備計画が閣議決定だけで行われているということがたびたび指摘されてきました。民主党は、公共事業改革への取り組みにおいて、一貫してこの点を重視し、計画の国会承認を主張してきました。今回の民主党法案における、公共事業コントロールという論点についてお伺いします。
 政府法案の提案理由説明では、公共事業計画案の作成に際して、「国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずる」と述べられています。「国民の意見を反映させる」というのなら、まず、国民の代表たる国会の議論の場にのせるべきではないでしょうか。国会承認に関する規定を盛り込むことについて、総理の御見解をお聞かせください。
 第六に、公共事業の政策評価の問題です。
 時代の変化に適応するため、また、公共事業をやりっ放しに終わらせるのではなく、その事業が本当に有効であったのかどうか、絶えず見直すための仕組みづくりは、むだな公共事業をなくす上で非常に重要な課題です。政府法案、また民主党法案において、こうした再評価、事後評価の仕組みは保証されているのでしょうか。総理と民主党法案提出者にお伺いします。
 最後に、国民の、国や地域社会に対する愛着は、何よりもまず、美しい国土や豊かな自然のめぐみ、あるいは個性的な景観や町並みといったものから生まれるものであります。二十一世紀、私たちが子供たちに残したいと願う環境は、コンクリートに覆われた自然や冷たい高層ビルではないはずです。失われつつある豊かな自然や、歴史と文化にあふれた町並みを再生する環境再生こそ、今、私たちが取り組むべき最大の課題であり、そして、公共事業もまた、この環境再生を第一の使命とすべきことを訴えて、私からの質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115605254X01120030228_011

発言者: 阿久津幸彦

speaker_id: 14285

日付: 2003-02-28

院: 衆議院

会議名: 本会議