瀬古由起子の発言 (本会議)
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○瀬古由起子君 日本共産党を代表して、社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について質問いたします。(拍手)
今日、むだと浪費の公共事業費の削減、公共事業の抜本的見直しは緊急課題です。
何を見直すべきか。それは、先に総額ありきで、長期計画に沿って公共事業予算が決められ、どんなに需要予測が過大でも、どんなに大多数の住民が不必要だと言っていても、一たん決めた事業はとめられない。しかも、その計画は国会で審議もされない。こうした仕組みが、公共事業のむだと浪費を生み出し、国民の批判を浴びてきたのです。
政府は、本法案は公共事業見直しのためだと説明していますが、果たして、こうした根本問題が解決されるのかどうか、以下、総理と国土交通大臣に伺います。
第一に、本法案は、各事業の重点計画を立て、事業の目標を総額明示方式から成果達成指標に切りかえるとしています。問題は、これで、先に総額ありきの予算配分が改まるのかどうかです。
そこで、お聞きいたします。
国、地方を合わせて年間十二兆円にも達し、公共事業の約三割を占める道路関係事業の予算規模は、縮小されるのですか。これまで、過大な交通需要予測のもと、採算の見通しもなく推進してきた高速道路や高規格道路の新設は、凍結を含めた大胆な見直しがされるのでしょうか。
道路事業に関して、関係整備法案は、五年間の事業量を目標とする計画を閣議決定するよう規定し、これを受けて、政府は、国費だけで三十八兆円という総額を決めようとしています。これでは、先に総額ありきの方式が全く改められていないではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)
道路以外のダム、港湾、空港などの各事業については、今後は、それぞれの重点計画がつくられます。この重点計画の政策目標には、従来から言ってきた、国際競争力の強化や都市再生、高規格化などを掲げるのではありませんか。それを口実に、高規格幹線道路、高規格スーパー堤防、スーパー港湾、大都市圏拠点空港などの大型公共事業を引き続き進めるということになりませんか。
これでは、事業量の総額を決めないだけで、重点計画には幾らでも予算がつぎ込めることになるのではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
第二に、需要予測が過大で事業の根拠がなくなったり、不必要となった事業を抜本的に見直す内容となっているかどうかの問題です。
関西国際空港の二期事業の根拠となっていたのは、二〇〇七年に年間発着回数が十六万回を超えるという航空需要予測でございました。ところが、昨年、一期事業で賄える範囲の十三万六千回に下方修正され、航空業界や財界からさえも見直し要求が出されました。にもかかわらず、政府は、二期工事をやめようとしません。そればかりか、経営破綻状態にある関西国際空港に対して、毎年九十億円を三十年にわたって投入するなど、将来にわたる国民負担を押しつけようとしています。
空港需要予測のいいかげんさについては、二〇〇一年五月に出された総務省の、空港の整備等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告で、十五空港のうち四空港では予測値の半分以下の実績と指摘されたことでも明らかです。
本法案によって、こうした関西国際空港二期工事や中部国際空港の建設をどのように見直すことになるのですか。答弁を求めます。(拍手)
多くの住民が必要はないと言っている公共事業の典型が、川辺川のダム建設です。農民二千人余が、もう水は要らないと提訴までしています。また、熊本県知事は、同じ球磨川水系の県営荒瀬ダムの完全撤去を決定いたしました。それでもなお、国はダム建設を強行しようとしています。
総理、本法案には、不必要な事業を中止するため、どのような仕組みがあるのですか。答弁を求めます。(拍手)
第三に、重点計画に対する国会の関与の問題です。
本法案には、重点計画を国会で審議し、その可否を承認するなどのチェックの仕組みがありません。
これまでも、各事業の五カ年計画は国会審議の対象となりませんでした。しかし、それぞれの根拠法が五年ごとに国会に提出され、不十分とはいえ、国会審議の機会がありました。ところが、本法案のもとでは、重点計画は閣議決定だけで、国会で審議することになっていません。これでは、計画策定や事業決定に携わる官僚と政権党の関与が一層強まるのではないでしょうか。住民参加は名ばかりで、計画決定過程は一層不透明になるのではありませんか。総理の見解を求めます。(拍手)
次に、関係整備法案の中の道路整備緊急措置法案についてお聞きします。
本法案は、これまで五年ごとに延長されてきた道路特定財源制度を恒久化する内容となっています。道路特定財源制度は、もともと、高度成長期に、道路整備のおくれを緊急に整備するために制度化されたものです。それを、延々と半世紀にわたって、自動車利用者である国民から税として徴収を続けてきたのです。
改正案は、緊急かつ計画的などの要件をなくして道路特定財源の使い道を定めるとしています。緊急性がなくなったのであれば、当然、その使い道を変えるべきです。
総理、道路特定財源を恒久的に道路に使い続けるというのですか。それでは、総理、あなたが公約した一般財源化に全く逆行するのではありませんか。
道路投資を聖域にし、むだを生み出す最大の元凶となっている道路特定財源を抜本的に見直さないで、どうして改革と言えますか。総理の明確な答弁を求めます。(拍手)
次に、公共事業の見直しの方向について、私は、三つの提案をいたします。
その第一は、社会資本整備を、大企業、ゼネコンに奉仕する大規模開発型から、住民の生活に密着した、生活改善、安全や福祉、環境保護型に根本的に転換することです。
住宅や学校、特別養護老人ホームや保育所の整備、公共施設や集合住宅、交通機関などのバリアフリー化、交通安全対策、住宅の震災対策などを重視した予算配分に転換し、公共事業費を大幅に削減すべきです。そうすれば、地域の景気回復や雇用にもよい影響を与えるのではないでしょうか。総理の見解を求めます。(拍手)
提案の第二は、公共事業計画のあり方を根本的に見直すことです。
本法案は、政府が作成する重点計画について、国土総合開発計画との調和を義務づけています。現行の国土総合開発計画である五全総は、「二十一世紀の国土のグランドデザイン」と称していますが、具体的プロジェクトとして、高規格幹線道路網一万四千キロ、地方高規格道路六千から八千キロ、東京湾口道路、伊勢湾口道路など、六つの新たな巨大道路建設、三大都市圏に国際ハブ空港、東京圏新空港、中央新幹線、首都機能移転など、一千兆円規模とも言われる事業が盛り込まれています。まさに、壮大なむだと浪費を推進するものと言わざるを得ません。
全総計画は直ちに廃止すべきです。答弁を求めます。(拍手)
提案の第三は、むだな公共事業の大もとにある政官業の癒着構造にメスを入れることです。
従来、道路、港湾、空港などの予算の箇所づけや公共事業の受注をめぐって、政権政党や有力議員に政治献金が流れ、そのことが公共事業のむだと浪費を生み出してきました。これは、昨年のムネオ事件や、最近発覚した自民党長崎県連事件を見ても明らかです。本法案が成立すれば、今度は、何を重点事業とするかが利権の対象になり、重点計画の策定段階からお金が動くことになるのは必至です。
この際、野党四党が共同提案しているように、公共事業受注企業からの政治献金を禁止し、公共事業を食い物にする癒着構造に根本的にメスを入れるべきではありませんか。
総理は、この問題で、昨年来、与党に検討を指示したと言いますが、いまだに、何の具体策も示されていません。それどころか、自民党は、ゼネコン業界に対して、三億円規模の献金要請を行っています。総理は、先日の予算委員会で、株主に配当もできない企業からの献金は受けるべきでないと答弁しましたが、この国会でどういう具体的措置をとる考えですか。あわせて答弁を求めます。
以上、私が提案した三つの抜本改革こそ、国民が求める公共事業見直しの声にこたえるものです。このことを強調して、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕