中塚一宏の発言 (本会議)
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○中塚一宏君 私は、自由党を代表して、保険業法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。(拍手)
今回の予定利率引き下げ法案提出は、その場しのぎ、場当たり、先送りの経済運営を行った結果であります。的確な政策を実行し、景気の下支えを行い、株価もそれなりに推移することができ、運用が見込まれれば、生命保険会社も、ここまでの逆ざや悲鳴を叫ばなかったはずです。つまり、この法案は、思考回路停止に陥った政策運営、監督行政のツケを、法的整理の前段階で予定利率を引き下げるという不明朗な私的整理の道を使い、契約者である国民に負担させていると言わざるを得ません。(拍手)
しかも、より深刻なのは、契約者保護とか全体の利益とかいった美名のもと、契約者の自由意思を踏みにじり、ルールを途中で突然変更することであります。これは、近代デモクラシーの原則に反するものであることはもちろんのこと、小泉総理がたびたび口にする、信なくば立たずという座右の銘にも反するものであります。
以下、反対する理由を申し述べます。
反対の第一の理由は、契約者保護といいながら、契約者の保護には全くなっていないことです。
保険にしても、それ以外のことにしても、およそ世の中は契約によって成り立っており、それを守ることが契約社会の大前提です。そして、契約者を守るというなら、基金や劣後ローンの取り崩しを真っ先に行うべきであるにもかかわらず、予定利率引き下げが法案の前提になっているということ自体、論理が倒錯いたしております。
一部契約者の犠牲で保険会社を維持することは、契約者全体の保護にならないばかりか、結果として、保険会社そのものの経営健全性や金融システムの安定を得ることにもなりません。保険契約者の保護とは、ふだんからの行政の監督により保険会社に保険契約を確実に履行させることにほかなりません。
反対の第二の理由は、自治的手続とは名ばかりで、実際には、民間契約変更が金融庁による行政指導体制で行われることになるのではないか、そういう懸念をぬぐえないことであります。
本法案では、契約条件変更の申し出について、「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」を条件にしておりますが、保険会社の申し出、計画変更案の作成、決定も含めて、行政当局の承認が必要となっているにもかかわらず、その承認基準さえ明確になっておりません。りそな銀行への行政の対応を見れば、保険業の継続困難性、利率引き下げ計画などが、生保会社・契約者間の自治的判断ではなく、行政の恣意的な判断になることは明らかであります。
反対の第三の理由は、監督官庁である金融庁及び政府の身勝手な判断、責任回避でこの法案が成り立っていることです。
予定利率引き下げ問題は、金融審議会で、平成十三年における議論、急ごしらえで本法案作成を試みた今回も、慎重、反対の意見が多数を占めております。役所の隠れみのと言われる審議会でさえ、予定利率引き下げには、慎重に扱うべきものとしているのです。
法案審議の際、竹中大臣は、たびたび、新しい選択肢を提示するものであると答弁しておりますが、それは、本来、早期是正措置などを通じて保険会社を厳正にチェックし、それでもだめなら更生手続に移行すべきである監督官庁、金融庁の監督行政放棄、思考停止を露呈するものであります。(拍手)
デフレ長期化、史上最低の金利継続、株価低迷による保有株式評価損と逆ざやの発生、そうした金融を取り巻く危機的状況は、小泉内閣の経済失政がもたらしていることは明らかです。
保険会社の逆ざや問題解消が、なぜ予定利率引き下げ法案という形で契約者を泣かせることになるのか、全く理解することができません。破綻した方が得か、予定利率を引き下げた方が得かといったような議論をする前に、保険契約者が不利益をこうむることのないような経済運営、金融監督行政を行うべきであります。
抜本的な改革が求められているにもかかわらず、小泉内閣は小手先の政策しか打ち出していないことを強く申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)