小川勝也の発言 (環境委員会)

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○小川勝也君 御報告いたします。
 去る一月十四日及び十五日の二日間、三重県における環境保全及び公害対策等に関する実情調査のため、小宮山前委員長、清水理事、高橋紀世子理事、小泉委員、山東委員、山下委員、福山委員、岩佐委員及び私、小川の九名で調査に行ってまいりました。なお、高橋千秋議員が現地参加されております。
 今回の調査は、ごみの固形燃料化とその焼却熱による発電所、ガス化溶融処理施設、バードサンクチュアリー、風力発電施設を視察した後に、三重県の環境行政について説明を聴取することといたしました。
 三重県では、市町村等の廃棄物焼却施設の老朽化やダイオキシン問題への対応などから新たな廃棄物処理技術としてごみ固形燃料、RDFを利用し、それを熱エネルギーとして活用するRDF化構想が進められております。この構想には二十六市町村が参加し、RDF化施設が七か所、RDF焼却・発電施設が一か所整備されております。
 今回視察した桑名広域清掃事業組合RDF化施設はその一つで、昨年十二月から稼働を開始し、桑名市及び隣接五町村が参画しており、一日に二百三十トンを処理する能力を持ち、県内で最も規模の大きなものとのことです。なお、同事業組合からごみ焼却施設解体撤去工事に係る国庫補助制度の創設を要望されました。
 同じ敷地内に三重ごみ固形燃料発電所があり、県内のRDFの受皿として昨年十二月から稼働を開始し、一日最大二百トンのRDFが焼却され、年間約七千万キロワット時の電力の供給が見込めるとのことでしたが、当日は稼働しておりませんでした。
 次に、三重県環境保全事業団廃棄物処理センターでガス化溶融処理施設を視察いたしました。同施設は、市町村から排出される焼却残渣を無害、安定化して資源化するとともに、有機性汚泥や廃プラスチック類など産業廃棄物も受け入れ、そのエネルギーを有効活用しながら処理するもので、高温での溶融処理のためダイオキシン対策にも大きな役割を果たし、溶融物は土木用の資材に活用するとのことでした。処理能力一日二百四十トンで、四十市町村及び約八十の企業が参加し、視察の途中、現場説明を受けた産業廃棄物の不法投棄等の問題にも対応しようとしております。
 また、味の素東海事業所内のバードサンクチュアリーは、同事業所内で遊休化していた自然の池及びその周辺を野鳥の保護区域として、従業員のボランティア中心で整備され、昨年四月に開設されたとのことであり、野鳥の生態を観察小屋から観察いたしました。翌十五日朝の井上四日市市長との懇談では、このようなかつての公害企業の環境への取組とともに、大気汚染の総量規制や緑地規制の強化等により、移転した工場跡地への工場立地が進まず、税収も激減している実情が述べられました。
 久居榊原風力発電所は、平成十一年五月に完成し、七百五十キロワットの風車が四基で、自治体直営では国内最大級のものであります。年間予測総発電量は約八百万キロワット時で、久居市の全世帯の一六%、約二千四百世帯分を賄えるとのことでした。
 市役所で説明を受けた後、視察した現地は標高八百四十二メートルの笠取山の頂上付近、若狭湾からの風の通り道に当たり、年間平均風速七・六メートル、更に資材運搬用の県道が整備されており、送電には近くに特別高圧線が設置済みという風力発電にとって好立地条件を備えておりますが、一帯は室生赤目青山国定公園にも属しております。
 なお、第三セクター青山高原ウインドファームによる二十基の風車が近々完成する予定であり、これにより二十四基の風力発電で久居市の家庭用電力をほぼ賄え、更に十基増設の計画があるとのことでした。
 以上の視察を踏まえ、最後に三重県の環境部から説明を聴取し、北川三重県知事との懇談をいたしました。
 環境部からの説明では、二十一世紀を環境と経済を同軸でとらえた環境経営の理念の下、情報公開、情報発信、協働と連携を実施手法の軸として体系的に取り組んでいるとのことでありました。
 まず、県組織自ら率先実行の取組として、県庁内の約二千個のごみ箱撤去と植木鉢への転用、グリーン購入、ISO一四〇〇一を取得し、県内のISO認証取得支援を進め、平成十四年度末で五十七市町村の取得が見込まれ、三百七十九事業所が取得しているとのことです。
 続いて、各県に先駆けた産業廃棄物税の導入状況、リサイクル製品利用推進条例の制定、企業間ネットワークで取り組む産業廃棄物の再資源化、日本環境経営大賞の創設、温室効果ガス国内排出量取引制度のモデル事業、企業誘致に当たってのライフサイクルアセスメントによる地域環境負荷低減を目指した協定締結などのほか、産業廃棄物の不法投棄に対して警察官十名、県職員十名の二十人体制で監視体制を取っているとの説明がありました。
 さらに、自然環境保全等では、環境県民運動の展開、環境NPOの活動の支援、里地里山の保全計画、希少種の保護や移入種への対応を図るために三重県自然環境保全条例の改正の検討などが進められているほか、森林GISに基づく環境林と生産林のゾーニングと環境林に対する森林環境創造事業、それを雇用に結び付ける緑の雇用事業などの説明を受けました。
 なお、産業廃棄物税収入が予想の四億円から一億円程度になった理由として、事業者が税金を払うよりごみの減量化に努力した結果で、最終処分場の延命にもつながったこと、排出量千トンの足切りの理由や派遣警察官の人件費などの質疑応答がありました。
 次いで、北川知事との懇談では、産業廃棄物税について予想を上回るごみの減量効果があったこと、同県の環境先進性は、施策を公開して各県と競争し、学者やNPOとの議論によって鍛えられたこと、ISO一四〇〇一の認証取得に当たっての企業の抵抗や環境障壁を上げることが産業空洞化につながることの懸念については、中小企業向けの認証制度の創設や情報公開を挙げ、今後の方向性として、規制や罰則から自主的な取組を進めることがグリーン化につながるシステム、例えば環境経営大賞などの導入とそれを広めていくことが必要との質疑応答がありました。
 最後に、今回の派遣に当たってお世話になった三重県を始め関係者の方々に心からお礼を申し上げて、報告を終わります。

発言情報

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発言者: 小川勝也

speaker_id: 4765

日付: 2003-03-18

院: 参議院

会議名: 環境委員会