吉川春子の発言 (憲法調査会)
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○吉川春子君 日本共産党の吉川です。
日本国憲法は、古典的な自由権と、資本主義の弊害から人々を守るために積極的に国家の行為を請求する権利である社会権が規定されている優れた特徴があります。環境権、プライバシー権など新しい権利も幸福追求権や生存規定に包含されており、また報道の自由は知る権利に包含されていると考えます。新しい基本的人権規定を憲法に追加する必要が、その結果ないと考えております。
憲法が保障する人権が守られていない現実をどうすればいいでしょうか。常本参考人は、国会の立法活動による人権保護の必要性、杉井靜子参考人は、憲法を具現化する立法を怠ってきた責任が国会にあると指摘しました。私は、抽象的な憲法の規定を具体的な権利として保障するためには立法が必要であり、立法府たる国会の責任は大きいと考えます。
私は、夫婦同一姓の強制、親権の懲戒権、扶養義務など家族関係についても、憲法二十四条の家族の民主化に見合う民法の改正が行われるべきであったと考えます。前田参考人から、民法八百七十七条の扶養義務の規定は障害者の自立障害になると指摘がありました。女性の地位向上、子供の権利、障害者を含む弱者の社会保障の遅れなどを克服する立法が求められていると思います。
申参考人は、差別は私人間によるものが多い、憲法で防止、救済は不可能、法律で対処すべきと指摘されました。長谷川参考人からは、頭から規制緩和すべきものとの考えには反対であると。草野参考人は、今行われている規制緩和では余りにも市場万能であり、規制緩和に相対する労働者保護、権利保護がなければならぬとの指摘がありました。
使用者、企業による差別禁止が必要です。雇用労働の規制緩和による法改悪は論外ですけれども、国連経済社会規約委員会から勧告されている男女平等の新規立法、また障害者や在日外国人を含む外国人への差別禁止、解雇規制の整備を急がなくてはならないと思います。
パート労働者の均等待遇について言えば、一千二百万人のパート労働者、百七十五万人の派遣労働者の七割は女性です。男性の通常労働者を一〇〇とすれば、女性パート労働者の一時間当たりの賃金は三四・四にしかすぎません。これでは生存権にも違反すると言わなくてはなりません。加えて、職業訓練、社会保障、退職、解雇などで差別され、これは憲法の性による差別、社会的身分による差別禁止規定に抵触するおそれすらあります。パート労働法を改正して均等待遇を企業に義務付け、また、憲法二十五条の具体化である最低賃金法は余りにも低いわけですが、これを高い水準に変えていくということが求められていると思います。
国連規約委員会から、人権を守る立場にある裁判官、検察官、弁護士の人権教育研修プログラムの改善を求められています。一連の刑務官の蛮行は論外ですけれども、人権教育の必要性が求められます。
戸波参考人からは、裁判所は違憲審査権の行使に消極的との指摘がありました。人権を守るとりでである裁判官が人権に照らして守られているのかどうかの判断を事実に即して積極的に行うことが必要であると考えます。
以上、日本の人権保護に関して、不十分さは憲法の規定に原因があるのではなく、立法の不備に原因があることが参考人の意見によってもかなり証明されたのではないでしょうか。人権保障のため、立法活動を活発に行うことが立法府のメンバーとして私の責任であることも痛感しています。
以上です。