松岡滿壽男の発言 (憲法調査会)

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○松岡滿壽男君 人権問題について、十一回にわたり参考人を招かれて、委員長始め委員の皆さん方が真摯に議論されたことに敬意を表したいというふうに思います。
 先ほど同僚の平野委員の方から、自由党の新しい憲法を創る基本方針、その中で、国民の権利と義務について、国家権力と人権を対峙させる啓蒙時代の発想を克服し、ともすれば阻害されがちな個人の自由を国家社会の秩序の中で調和させる、基本的人権の保障は国民が享有すべき条理であると同時に国家社会を維持し発展させるための公共財的なものであると位置付けるという発言がありましたが、全く同感であります。先ほど来、国民の権利と義務の問題について、舛添氏もバランスがいささか問題ではないかという指摘もありました。
 今回、統一地方選挙、非常に投票率がまたぞろ問題になってきておりますし、政治と金の問題の決着がなかなかうまくいかない、政党あるいは政治家に対する不信というものが背景にある。十三年間で十七人の現職の国会議員が逮捕されるという一つの事態も背景にしておりますし、衆議院では松浪氏の問題がいろいろ論議されているようですけれども、今朝テレビを見ますると、お茶の間でどんどんそういう、暴力団と政治家とのかかわり合いとか捜査に介入したんだという疑念があるんじゃないかということがどんどん流れるわけですね。
 そういう中で、この前もある新聞の世論調査を見ておりましたら、国民が一番信頼するものは天気予報だと。九二%。それから、その次が新聞だというんだが、これはいささか手前みそかも分からないんだけれども、新聞でしょう。それからお医者さん、それから警察、学校の先生と続いて、一番下の方に占いというのが二〇%です。その下が一五%、政治家、この状況をやはり我々は真摯に反省して、対応していかないとますます政治に対する関心が低くなると。良くも悪くもこれだけ大きな変革の中で、政治が主導権を発揮して日本の国あるいは国民を守っていくということをやらなければならぬわけですが、そういう根本的なところに対する不信が出てきている。
 まあ、皆さん方いろんな議論をされましたから私は投票率の問題にちょっと触れてみたいと思うんですが、百地参考人が、国民の義務については、憲法十二条が示すように、国民自身が自由や権利を行使するにふさわしい国民とならなければならない、で、投票率の向上は国民への政治的啓蒙によるしかなく、強制選挙制度には賛成できないという主張をしておられます。オーストラリアでは棄権した人に対して五千円ペナルティーを取る、あるいは東南アジアのどの国でしたか、選挙権を得て三回投票しないと公務員の受験資格を与えないと。そろそろこの辺、非常に危険な発想だと言われるかも分かりませんが、我々がまず政治的に、政治と金の問題、信頼を取り戻す努力をするのが一番大切ではありますが、この権利と義務との問題なんですね。やはりそういう点について少し議論をしなければいけないんではないかなと。
 特に、このところ我が国については、アメリカのCIA辺りが指摘しておりますように、どうも日本人というのは自己改革能力が欠落しているんじゃないかという指摘もあるわけです。非常に主体性がなくて、みんながそうするからという形ですぐ流れて追随していくという風潮も見られるわけですし、同時に、非常にこれ重要なことですが、少子高齢化が進んで縮小社会に移りつつある、縮んでいく、社会全体が、そういう中でだんだん閉塞感が強くなってきている。そうして、やはり戦争に負けた時点の憲法、その時代と、グローバリゼーションがこれだけ進んで新しいいろんな、人権の問題も出てきておりますが、価値が多様化し変革している流れの中で、やはり憲法、どちらかというと、やはり何ぼ法律作ったって守らないんですよと小泉さんこの前国会で言われましたけれども、これはやはり憲法と法律というものが国の一番主体的なところですから、そういうものをしっかり見直すということも私は必要だと思いますし、今回、衆参両院での役割分担という中で決算の前倒し審査ということが三十数年ぶりに実現いたしました。
 私どもは、いささか過激な提案ですけれども、憲法を改正して会計検査院を参議院に持ってくるべきじゃないかという提案まで実はさせていただいておるわけでありまして、できるだけそういう点では衆議院に対して決算と行政監視を主体にしたやはり二院制というものを議論すべきであろうというふうに考えておるわけであります。
 三十六分までいいんですかね、あと一分しかない。
 いずれにしましても、こういう時代の流れの中で、私はこの憲法問題を議論する機会ができたということは非常にいいことですが、たまたまこういう国際緊張の中で、イラクの戦争、北朝鮮の問題、正に憲法前文と九条について議論する大きなチャンスであったと思うんです。集団的自衛権の行使についても、早くから小泉さんが本会議場で従来の内閣の方針を堅持するという意思表示をされたもんですから十分な議論ができませんでしたが、いよいよこの次から安全保障の問題についての議論が始まるようです。非常に、我が国にとって一番大切なところでありますし、そういう国民の意識が大きく揺れているときだけに、国家と国民の安全と豊かさを守る、そういう立場から真摯な議論をさせていただきたいと思っております。
 時間が来ましたので終わります。

発言情報

speech_id: 115614184X00520030416_022

発言者: 松岡滿壽男

speaker_id: 16580

日付: 2003-04-16

院: 参議院

会議名: 憲法調査会