鴫谷潤の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)
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○専門員(鴫谷潤君) ただいま委員長から御指示のありました点につきまして、お手元に配付の資料に基づき、その概要と要点を御説明申し上げます。
まず、資料全体の構成でございますが、社会、経済、財政分野の各種指標を三部構成にしてございます。国会等の移転決議や移転法案の趣旨説明などを参考にして、データの種類を選択し、国会等の移転決議があった平成二年の前後、経済的にはバブルの絶頂期にあったわけですが、当時と最近の状況などが比較できるようにして、三十八の図と十四の表にまとめております。
資料の目次をごらんいただくとよろしいかと思いますが、第一の「社会状況」には、人口の推移、高速交通網の整備状況、インターネットの普及状況を挙げており、さらに、東京圏など三大都市圏の状況を示すものとして、人口の推移とか転出入状況、本社機能の対全国比率などの指標、住宅、都市公園、ごみの排出量などの生活環境の指標、地価や住宅価格の推移などを収録しております。
第二の「経済状況」には、GDP、株価、法人企業設備投資の推移、完全失業率などの雇用状況、物価指数など、マクロ的なデータを収録しております。
第三の「財政状況」には、一般会計の歳出決算や歳入の状況、新規国債発行額や国債依存度、国及び地方の財政赤字と長期債務残高の推移を収録しております。
巻末には、参考として、「国会等の移転に関する決議」などのほか、地方分権の推進状況を年表の形で収録しております。
以下、収録データの主なものについて、そのポイントを簡潔に御説明いたします。
まず、第一の「社会状況」について申し上げます。
人口の推移は、図1、図2に示しております。また、「東京圏等の状況」の中で、図6に人口の推移、図7に転出入状況を示しております。
日本の総人口は、平成二年、一九九〇年には一億二千三百六十一万人でありましたが、二〇〇〇年には一億二千六百九十三万人と三百三十万人ほど増加しており、最近の予測では、三年後の二〇〇六年をピークに減少過程に入ると言われており、既に生産年齢人口は九七年に減少を始めております。
我が国は少子高齢化が進んでおり、十四歳までの年少人口と六十五歳以上の老年人口は九七年に逆転し、老年人口が多くなっており、二〇一〇年代半ばには七十五歳以上の後期老年人口との逆転も予測されております。
次に、東京圏など三大都市圏の人口の推移ですが、一九九〇年と昨年を比較すると、千葉、埼玉、神奈川を含む東京圏は六・六%増と、全国平均の三・一%を二倍以上上回っております。なお、東京都は全国平均と同水準であります。
人口の全国的分布を見ますと、東京圏には四分の一以上の人口が集中しており、九〇年には二五・七%であったが、昨年は二六・六%と約一ポイント上昇しており、東京圏への集中が続いております。
人口の社会的変動要因である転出入の状況を見ますと、東京圏では、平成六年と七年に転出が転入を上回りましたが、その後は再び転入の方が多くなっております。東京都区部では、平成八年まで転出が転入を上回る状況が続いておりましたが、九年以降は転入が多くなっており、いわゆる人口の都心回帰が起こっております。
次に、高速交通網の整備状況については、図3、図4などをごらんいただきたいと思います。リニアモーターカーの技術開発の状況も入れておきました。
一九九〇年代後半以降、IT革命が進行し、情報通信分野の進展には目覚ましいものがありますが、ここでは、図5に「インターネットの普及状況」で示しております。九八年末にはインターネット利用者は千七百万人でありましたが、昨年末には七千万人近くとなり、人口普及率は五四・五%と初めて五〇%を超え、二人に一人以上がインターネットを利用していることになります。
六歳以上を対象のインターネット利用率で見ると、昨年末には、政令指定都市、特別区で六八%、市部で六〇・八%、町村部でも五四%と、その差は急速に縮まっており、インターネットは全国津々浦々で活用されていることがうかがえます。
十一ページから十五ページには、十億円以上の法人の本社機能の対全国比率など、各種の機能を見る指標を収録しております。
図8に示した本社機能で見ると、平成二年と十二年の比較では、東京圏は一・七ポイント低下していますが、十年以降わずかに上昇傾向にあり、対全国比率では五六・五%と、依然高い集中が見られます。東京都についても同様の傾向にあります。また、図9の外国法人数では、東京圏は九〇%を超えております。
図11に卸売年間販売額の対全国シェアを示しておりますが、一度落ちていた東京圏のシェアが平成九年以降急上昇しており、大阪や名古屋圏とは対照的な動きとなっております。
生活環境の指標につきましては、十六ページから二十二ページに収録しております。
一住宅当たりの延べ面積や一人当たりの都市公園面積の推移は、図13、図14に示しており、全体的に改善傾向にありますが、東京は依然狭隘な状況が続いております。
鉄道の混雑率を見ますと、平成二年当時とは改善されてきておりますが、それでも最混雑区間の平均混雑率が東京圏では一七五%と、立って新聞を読むのに苦労するような混雑状況に依然あります。
地価の推移等は二十三ページ以下に収録しております。
地価の対前年変動率を全国平均で見ますと、平成四年から下落に転じており、東京圏ではその前年から下落が始まり、その傾向は最近も続いております。
用途別に見ますと、東京圏では、昭和六十二年に対前年比で、住宅地五七%、商業地七六%という異常な地価高騰を記録し、その後、地価の上昇率は鈍りましたが、平成三年には下降に転じました。商業地では、五年に二〇%、六年から九年までは一〇%台で下落し、その後も下落を続けております。
第二の「経済状況」について御説明いたします。
日本経済は、平成三年初めまでは昭和六十一年十二月から五十一か月続いた長期の景気拡大の時期にあり、昭和六十二年から平成二年までの名目GDPは四%台半ばから八%近くまでの高い成長率で推移しましたが、バブル崩壊後は一%から二%台の低い水準となり、平成十年、十一年にはマイナス、十三年には戦後最低のマイナス一・五%を記録しております。
経済の先行指標と言われる株価の推移については図26に示しておきました。バブル期の平成元年に日経平均で三万九千円直前まで上昇しましたが、平成四年に一万七千割れまで急落し、平成十一年からは再び下落傾向を続けており、最近は八千円を割っております。
法人企業の設備投資は、平成二年までは対前年度比で二けた台の高い伸びを示しましたが、平成四年から六年まではマイナス、七年から九年に持ち直しましたが、十年からは再びマイナスに陥っております。
雇用状況を見ますと、就業者数は平成二年に六千二百五十万人、十四年には六千三百三十万人と、この間八十万人増加しておりますが、完全失業者は百三十四万人から三百五十九万人と二百二十五万人も増加し、完全失業率は二・一%であったのが、七年に三%台、十年に四%台に、十三年に五%台になり、昨年は五・四%を記録しております。また、有効求人倍率は平成五年に一を切ったまま低迷を続けております。
次に、物価指数などについて見ます。
日本経済は、最近デフレ傾向を強めてきており、平成十二年を一〇〇として、昨年の消費者物価指数(全国・総合)では九八・四、卸売物価指数、最近は国内企業物価指数と名称が変更されておりますが、その総平均は九五・八と、デフレ傾向が統計にも顕著に表れてきております。平成二年には消費者物価が九二、卸売物価が一〇八という指数でしたので、卸売物価の下落が目立っており、平成四年以降はほぼ一貫して下げ続けております。
第三の「財政状況」について御説明いたします。
我が国財政をめぐる状況を概略申し上げますと、本格的高齢社会を迎え、社会保障費は増加の一方であり、バブル崩壊後、景気浮揚のため相次いで経済対策が打ち出され、特に公共事業が拡大する一方、減税の実施等もあり、財政状況は極めて厳しい状況になっております。
これを決算値で見ますと、社会保障関係費は平成二年度に十一兆五千億であったのが、十三年度には十九兆三千億となっております。ちなみに、公共事業関係費は、平成二年度には約七兆円だったのが、五、六年度は十三兆円台、七、八年度は十二兆円台、十、十一年度は十三兆円と高水準で推移しました。最近は、小泉内閣の方針として公共事業費が削減、抑制されております。
租税収入は、平成二年度に史上最高の六十兆円を記録しましたが、翌年度から減収に転じ、十三年度は四十七兆九千億円と、最近は五十兆円を切る状況が続いております。
平成二年度はバブル税収もあって、特例公債、いわゆる赤字国債でございますが、その新規発行をゼロにすることができましたが、六年度から再び赤字国債を発行し、また、公共事業の拡大に伴い建設国債が増発されるなどしており、十三年度決算では公債依存度が三五%を超え、十五年度当初予算では四五%近くになっております。
この結果、国及び地方の長期債務残高は、平成十三年度には六百七十三兆円、対GDP比では一三四%となっており、十四年度補正後では一四〇%を超えると見込まれており、この状況は先進国の中でも最も厳しい状況にあります。
以上、簡単でございますが、社会、経済、財政の状況変化についての御説明を終わらせていただきます。