井上美代の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 今日は、お忙しい中を福井参考人とそして市来参考人がおいでくださいまして、貴重なお話をいただきましたこと、お礼申し上げます。
 お二人に意見をお伺いしたいと思います。
 私は、福井参考人の「首都機能移転論の再検証」という論文をあらかじめ読ませていただきましたので、この論文も参考にして質問をさせていただきたいと思います。
 福井参考人は、最初に、首都機能の移転についてこれまで多数の論拠が示されてきたが理論的実証的な検証に堪えるものは少ないと、このように述べられておりますが、私もそのとおりだというふうに思います。それでも、参考人は、一九九九年の答申では移転の意義、効果の前提として、第一に、先ほどお話もありましたけれども、国政全般の変革、そして第二に東京一極集中の是正を挙げられて、第三に災害対応力の強化ということがあるとして、これらについての論拠が明確にされる必要があると、このように述べておられます。
 しかし、具体的には、第一については、新首都を、民間や地方を容易に訪問することができないような交通面における障壁が築かれることによって、官と民と、そして国と地方とそれぞれの間に一定の距離を置くことができ、権力的指導や依存の構造が緩和すると期待できる余地もあると、このように述べておられますが、これは、交通が不便なところに首都が移れば、憲法十六条で、何人も、損害の救済、そして公務員の罷免、法律、命令及び規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、という国民の請願権が脅かされることになると。期待される、だから、余地とはなり得ないと思います。
 第二について言っておられる点についてですけれども、参考人は、中央官庁、国会それから最高裁などの首都機能移転で東京一極集中の弊害を是正することを念頭に置いているのであればそのような根本的な集中対策は困難であると述べていますが、そのとおりであると私も思っております。
 第三については、防災対応を首都機能移転の論拠として挙げることは無理があると述べています。私もそう思います。
 防災対応を言うならば、例えば、公立の小中学校だけでも今耐震化の問題が大きな問題になっているんです。そういう中で耐震診断しなければいけない校舎というのがあるんですけれども、これがやはり非常にお金が掛かったりします。それで、約六万棟もありますけれども、この診断の費用をどのように賄うのかと、大きな課題になっているんですね、母親たちも大変関心を持っておりますけれども。こうしたことをやはり優先的に解決すべきであるというふうに思っています。
 一方、首相官邸や防衛庁の中央指揮所は最近造られたもので、これらが大地震に耐えられないなどということ、あってはならないと思いますし、そういうことになりますと政府の失政そのものだというふうに思うんですね。
 防災対応を取ってみても、首都移転について合理的で納得のいく論拠などは見いだせないことがはっきりしているというふうに思います。
 最後に、バブル経済の崩壊後、長引く景気低迷により、多くの国民が職を奪われて大変失業をし、苦しい思いをしております。そういう状況に加えて、国の借金も国民一人当たり約五百五十万円になっている。そういうときに首都移転どころではないというのが今日の状況であるというふうに思います。首都移転については、首都は移転させないと、そういう結論を一刻も早く出すべきだというふうに思っております。
 このことにつきまして、お二人の参考人の御意見をお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。

発言情報

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発言者: 井上美代

speaker_id: 25482

日付: 2003-04-23

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会